三回前の本コーナーで、デジタル技術を使ったクロマキー合成を試しました。
その時の素材は、外で撮影した動画です。庭の片隅で撮影したもので、切り取った以外の映像には、自然の庭の一画が写っています。
これまでのクロマキー合成では、背景は緑色が使われるのが一般的です。その前で俳優が演技し、俳優以外の緑に映る部分を抜き取り、別の背景を合成させるといった使い方がされます。
このような撮影にどうして緑色が使われるかといえば、人間の肌とは対極の色になり、重なることがないからでしょう。もっとも、演技をする俳優が緑色の衣装を着けてしまったら、衣装部分が抜けてしまいますが。
このクロマキー合成が、私も使うBlack Magic Designの動画編集ソフト DaVince Resolve Studioのマジックマスクを使うことで、緑色の背景ではないところもデジタルの技術で抜くことができることを知り、三回前の本コーナーで取り上げました。
そのときは、すでに書いたように、自然の中で撮影したこともあってか、綺麗に切り取るまで一時間半以上かかりました。
実はこの技術を応用し、動画で紹介しようと考えている8ミリ映画のカメラを撮影するのに使えないか、といろいろ試しています。
今回は、実際に8ミリカメラを手に持って撮影してみました。
はじめは、部屋の中で普通に撮影しましたが、いろいろなものが背景に写り、綺麗に切り取るのは難しく感じました。
そこで、緑色の布がなかったため、手元を撮影するときに使うことがある青い布をその代わりにしてみました。すると、思ったよりもマスクのトラッキングが優秀で、手直しをあまりしなくても使えそうに感じました。
もっとも、同じ作業を、もっとPCの中で処理をするCPUが高性能であれば、短時間で処理が終わるものと思います。
クロマキー合成のためのマスクのトラッキングは、最も負荷のかかる処理作業のひとつ(?)といえましょう。
私は自分で選んだパーツで組み上げた自作PCを使っていますが、こんなことがあると、パーツの更新をしてみたくなります。それとも別に、高性能のパーツを組んだ安いPCがあれば、それを動画編集用のためだけに欲しくなります。
編集が済んだファイルを書き出すのは、時間がほとんどかかりません。今回作ってみた動画を下に埋め込んでおきます。
注意して見ると、輪郭部分などに、バックに使った青布の色がのっています。しかし、素人が試しに作ってみた動画ですので、大目に見てやってください。
書き出したあと、参考にしたYoutube動画で、色かぶりを解消する方法を話していたことを思い出しました。下にその部分から再生が始まるように設定して埋め込んでおきます。
クロマキー合成をしたときは、どうしてもグリーンバックが残る部分があるため、「スピル除去」というのを使うそうです。
それを思い出し、それを適用したところ、下に埋め込んだように、私の場合は、ブルーバックの写り込みが解消されました。なお、この処理をするときは、赤・緑・青の光の三原色から色を指定できます。
背景は、自分で撮影した空と雲のスチルを使ってみました。
本動画に写っているのが、8ミリカメラのニコン R10 スーパーです。
クロマキー合成のためのマジックマスクのトラッキングには、私のPCでは時間がかかりますが、それに目をつぶれば、20分を超える動画にも使えなくもないことがわかりました。
もっとも、撮影には、今回の動画でも使ったソニーのネオ一眼カメラのDSC-HX200Vを使うつもりですが、このカメラは、連続撮影が30分までしかできません。
ですので、撮影のときは、その時間を超えないよう、注意が必要です。