映像をフィルムで撮影していた時代、アマチュアが特殊撮影を真似することは非常に困難でした。
プロの現場であっても、今に比べたら、特別の専門知識を持たない限り、現代のような特殊効果は難しかったのではないかと思います。
それが、デジタル技術が一般の個人でも使えるようになり、興味を持つ人であれば、使うことができます。
私は動画の編集にBlack Magic DesignのDaVinci Resolve Studioを使っています。この編集ソフトは、プロの現場でも使われるほど、できることは限りなくあります。
しかし、どんなものでもそうですが、それが持つ機能を使いこなせる人は限られます。
このDaVinciが18にアップデートされ、されに機能が充実しています。それを紹介する動画をネットの動画共有サイトのYouTubeで見ました。
それを見るうち、自分でも試してみたくなりました。
私が撮る動画は、身の周りのものばかりで、特殊効果を必要とする被写体はありません。それでも、知識としてそのいくつかを覚えてみたくなります。
そこで、今回のアップデートで、目玉のエフェクトであるらしい、マジックマスクのオブジェクトマスクというのを試すことにしました。
これを説明する動画を見ると、それ以前であれば、クロマキーの撮影には、グリーンバックと呼ばれる、背景を緑色にした環境でなければできなかったようなことが、通常の背景でもできるとされています。
今回は、庭の隅にあるイチジクの木で試してみました。Logで、木を下から上に写した動画です。編集で12秒にしています。
その映像から、イチジクの木と実だけを抜き出し、背景を単色にしようという試みです。
実は、昔に使った8ミリ映画のカメラを紹介する動画を作ろうと思っているのですが、カメラと自分の手だけを切り抜くことができるのか、確かめるためのテスト動画でもあります。
その結果、下に埋め込んだような動画ができました。薄紫の背景になっているところは、庭の一部が写っていました。それを、単色の背景に換えています。
このテストをやってみて、20分間とかそれ以上の動画を、このエフェクトを使って動画にするのは現実的ではないことが確認できました。
上の12秒程度の動画を作るのに、1時間半以上かかりました。本動画のフレーム数は【303】で、それを1フレームずつマスクを調整するので、それだけで時間がかかります。
作例動画にあるように、Macの最新PCであれば、ずっと速く作業が終わるのでしょうか。私はずっとWindowsばかりで、Macは一度も使ったことがありません。
それはともかく、自動でしてくれるので、あとは待つだけですが、完全にマスクをしてくれるわけではありません。マスクが外れる部分や、余計なところにマスクがかかったりし、それを調整すると、そのあとにまた、長いマスキングが始まるといった具合です。
修正は何度も必要になり、待つ時間が、何度も延長されます。
それを、20分以上の動画に適用した場合、どのくらいの時間がかかるのか、想像するだけで気が遠くなります。しかも、完璧にマスキングされることは難しいでしょう。
ただ、動画のワンポイントで、効果がありそうなところに使うとおもしろそうな技術ではあります。