個人的満ち潮状態にあるスチル撮影の話

どんなことにも満ち潮と引き潮があり、それが海の波のように、幾度も繰り返されます。

波の音30分流れっぱなし 海をずっと眺めたい方へ

私のことでいえば、ある時期は動画を撮ることが満ち潮となっていました。

私が使うソニーのミラーレス一眼カメラ(ミラーレス)のα7 IIで、S-Log2ガンマを使う動画の撮影に強い関心が向かい、毎日のように試し撮りをしました。

その行為が今は引き潮状態にあります。

映像制作を仕事にしたり、それを使って何かを表現するのであれば、より良い映像を苦労して撮ることに意味があるでしょう。しかし、私の場合はまったくの趣味として興味を持っただけです。

私は昔から写真を趣味にしていますが、それを仕事にすることはもちろん、芸術的な表現として活かしたこともありません。どこまでいっても自己満足です。

写真と同じように映像にも昔から興味を持っていますが、これも、身の周りのものを、気の向くままに撮影するだけです。そうなのであれば、身の周りのものをシネマティックに撮影することには、それほどの意味もないことになります。

ネットの動画共有サイトのYouTubeで自撮りの動画を配信するVloggerにしても同じことが指摘できます。

Vloggerが仮にシネマティックな画作りにこだわっても、結局のところ、それぞれの配信者をシネマティックに見せるだけで、それを見る人がそれを見て、配信者がシネマティックに見える、と感じることはない(?)でしょうし、そう感じることに、それほど意味があるとも思えません。

それを仕事でする人は、民生用のミラーレスで作品を撮ったりはしません。価格が桁違いの非常に高価なプロ用シネマカメラで撮影するのが常識です。

引き潮が続けばまた満ち潮が巡って来るものですが、潮が満ちるまでは、動画からは距離を置いて過ごすことになります。

動画の代わりに自分の中で満ちてきたのは写真に対する関心です。

民生用のミラーレスは、基本的にはスチルを撮影するための機材です。機材の性格上、それが動画撮影にも利用できるというだけです。

昨日、YouTubeである動画を見ました。おそらくは趣味で動画を撮る(?)であろう人の動画です。

【必見】BMPCC4KをGH6ユーザーがレビュー&徹底解説【2023年】

本動画の配信者は、ミラーレスのGH6とは別に、Black Magic Design社の”Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K”(BMPCC4K)を使っているそうです。

動画でBMPCC4Kの使い心地について話していますが、それを見ると、ミラーレスで撮影できる映像と、シネマカメラに特化したBMPCC4では、撮れる絵がまったく違うであろうことが想像できます。

BMPCC4は、動画に興味を持つ普通の個人が手を出しやすい最も安い価格帯のカメラです。

本動画で両機を使っている配信者は、ミラーレスはスチルと動画をハイブリッドで撮れる構造になっているため、どう頑張っても、「スチルが動く」ような動画しか撮れない、というようなことを話しています。

その一方、BMPCC4は、漠然と撮っただけで、シネマティックに見えるような苦労をしなくても、シネマそのものの映像になる、というように話しています。

こんな話を聴くと心が動き、自分もBMPCC4を使ってみたくなります。

しかし、シネマティックな映像が撮れるといっても、それで表現したいものがない限り、私には自己満足で終わってしまいそうなことが目に見えます。

今朝は、α7 IIに、大昔のフィルムカメラ用に買い求めたヤシカ・コンタックス(ヤシコン)用カール・ツァイスのプラナー50ミリ F1.4をマウントアダプタを介してつけ、スチルを撮影してみました。

ソニーα7 IIにヤシコン製カール・ツァイス50ミリ F1.4

スチルの撮影テクニックにも、引き潮や満ち潮のようなものがあります。

ある時は、ほとんどカメラ任せのプログラムモード(Pモード)で撮影したり、またある時は、ISO感度も含めたフルマニュアル露出で撮影したりします。

また、マニュアル露出であっても、露出の決め方がいろいろに変化します。

昨年末に、YouTubeの“2B Channel”で動画を配信されている写真家でカメラマンの渡部さとる氏(1961~)の動画で、「感度分の〇〇」を教わってからは、それを知る以前とは、マニュアル露出撮影の仕方がガラリと変わりました。

「感度分の〇〇」というのは、露出を決定する要素のうちのISO感度の数字と、シャッター速度の数字を同じにし、残りの要素であるレンズのF値を任意に設定する露出決定方法のことです。

具体例を挙げると、ISO感度をISO200にしたらシャッター速度を1/200秒にし、あとは任意のF値で望むような露出にする、というようなことです。

今朝使ったプラナー50ミリ F1.4は、自分でフォーカスを合わせるマニュアルフォーカスレンズです。

私は、なるべく低ISO感度を使い、なおかつ、シャッター速度をある程度確保したいことから、ISO200と1/200秒をセットで使うことが多いです。

このふたつをあらかじめ設定しておけば、マニュアルフォーカスレンズであっても、フォーカスに注意し、あとはF値を操作するだけで、気軽にスチルの撮影ができます。

紫陽花のスナップ画像(2023.6.19)

ミラーレスのいいところは、電子ビューファインダー(EVF)で、自分が望む明るさを確認しながら撮影できることです。ファインダー内の表示されている露出レベルメーターは無視し、自分の眼で明るさや暗さを確認し、F値を操作するだけで、望む明度が得られてしまいます。

そのほかに、このところ私がはまっているスチルの撮影は、ペンタックスのミラーレス、”PENTAX Q”を使ったスチル撮影です。

PENTAX Q 紹介ムービー

PENTAX Qは、すでに生産が終了したミラーレスです。このカメラに搭載されている撮像素子のサイズは、民生用のビデオカメラに使われるような【1/2.3】型です。

そのため、レンズを非常に小型にできます。私は、“01 STANDARD PREIME”(シルバー)という単焦点レンズをつけっ放しにしています。焦点距離は8.5ミリで、35ミリフルサイズ換算で、およそ50ミリぐらいになります。

PENTAX Qに単焦点レンズの01 STANDARD PREIME

私は昔から50ミリの焦点距離が好きで、フィルムの時代はプラナー50ミリばかりを使っていました。

PENTAX Qに50ミリ相当の単焦点レンズをつけ、あとは、ISO感度はオートにし、ストロボもオートにし、Pモードで撮るというお手軽さです。

記録設定はRAW画像にしておき、撮ったあとに画像の明るさを微調整できるようにしてあります。

PENTAX Qは、動画も撮影できます。α7 IIと違い、Log撮影はできないので撮って出し動画ですが、想像以上によい映像が撮れるように感じています。

このカメラで動画を撮ると、音が録れていないように感じ、故障したのかと思っていました。しかし、昨日撮った動画を再生させてみると、風切り音が感じられことから、故障していなかったことが確認できました。

とにかく、掌に載る小ささですから、どこへでも持って行くことができます。しかも、小さくても50ミリ相当の単焦点レンズをつけています。

少し前の日経新聞に、若者のカメラ趣味について書いた記事がありました。

スマートフォン(スマホ)で写真の楽しさを知った若者は、スマホが綺麗に写りすぎるため、昔に発売され、今は中古でしか手に入らないような、低画質のコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)に関心を向ける層がいる、とありました。

そんな若者には、PENTAX Qと単焦点レンズの組み合わせがお勧めできそうです。PENTAX Qは、小さくても、良い質感を持っています。だから、手の中に収めただけで、小さな充実感が得られます。

より大きな撮像素子を持つカメラで撮った画に比べれば劣りますが、綺麗に写りすぎるのが面白くない層には、8ミリ映画の1コマに相当しそうな【1/2.3】型の撮像素子サイズは、逆にアピールポイントになりましょう。

自分が望む方向を自分で知れば、手元にある機材で、そのときどきを愉しむことができます。

次に、動画が満ち潮を迎えたとき、自分がどのように動画を楽しむのかは、そのときになってみないと自分でも想像がつきません。

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