昨年末、私にとっては少々値の張る商品を続けて三つ購入しました。年が明けても、私はその商品を一度も使っていません。使えない商品だからです。
何を書いているのかわからなくなるでしょう
私が購入した商品は、そもそも「使う」という概念を持ちません。購入したあとは、持ち続けるか、手放すかの二択しかありません。
通常、購入した商品は手放さずに使い続けることが多いです。購入した価格よりも高い値で手放せる商品は、カメラでいえば、ライカのカメラやレンズでしょうか。
私の商品は、いつでも手放すことができるうえ、持ち続けるだけでお金を生みます。手放すタイミングによって、購入価格から大きく下がっていることもあれば、その逆のこともありますが、それは、その時にならなければわかりません。
私が昨年末に購入した商品がなんとなくわかってきたでしょう。そうです。株式市場に上場されている株を3銘柄購入したのです。
思い返せば、今から19年前の2004年の大型連休明けに、ほんの興味本位で株式投資の真似ごとをしました。当時は知識も経験も浅いため、デイトレードのようなことをしては、資金を溶かしてしまいました。
そのときに今のような考えがもしも私にあれば、20年近く経った現在までに、それなりの果実を得ていた(?)かもしれません。
投資の真似ごとへの関心が薄れたあとは投資行動を止めていました。その後、自分には銘柄選択の能力がないことがわかりましたので、投資信託(投信)や上場投資信託(ETF)で資金を運用するようなことをしました。
ただ、インデックスの指数に連動する投信やETFは、玉石混交の企業へひとまとめにして資金を提供するようなもので、本来の投資とは理念がかけ離れています。
具体的にいえば、自分では投資したくない企業へも、わずかながらでありつつも、自分の金が回っていることになり、愉快ではありません。
たとえば、米国株のインデックス投信であれば、ネットで言論弾圧をするGoogleや、新コロ茶番騒動を引き起こした黒幕のひとりと目されているビル・ゲイツ(1955~)が創業したMicrosoftへも必然的に自分の投資資金が回ってしまいます。
想像するほど嫌な気分になりました。
このことは世界株インデックス投信でも同様です。比率の半分程度が米国株ですから。何分の一でも、彼らに回ってしまいます。これでは、自分で自分の首を絞めるのと変わりません。
しかも、指数の動きに左右されるだけで、投資の魅力を味わえません。
投信であれば長い期間続けるのが本来のやり方ですが、私は少し上がったところで解約しては、別の投信への投資をするようなことを何度も繰り返しました。
その結果得た利益は、せいぜい10万円程度であったでしょう。すべて少額投資非課税制度(NISA)を活用しましたので、2割の税金は取られずに済みました。
昨秋にそれらの投信も解約し、身軽になっていました。そんな折、昨年の12月になって、久しぶりに個別株に投資する気が起こりました。
きっかけは、日銀の黒田東彦総裁(1944~)が、突如のように、それまで続けていた金融緩和策を修正したことで、それまで低迷していた銀行株をはじめとする金融株が急上昇したことです。
今日の朝日新聞は、財務省が昨日実施した10年物国債の入札について伝えています。この記事のヘッドラインには次のように書かれています。
1月発行の10年物国債の入札で、買い手に毎年支払う利子の割合となる「表面利率」を前月までの年0.2%から0.5%に引き上げた。
私は国債がどういうものか詳しい知識は持ちません。大ざっぱにいえば、国に自分のお金を貸しているようなもの(?)でしょう。それが10年物であれば、10年間は返してもらえませんが、貸した金の元本は保証されています。
どんな場面でも同じだと思いますが、通常は、お金を誰かに貸せば、お返しとして、利子のようなものをつけてくれます。
国債も同じで利子がつくはずのところ、日銀が発行する国債が、国の金融緩和策のあおりを受ける形で、マイナス金利に転じる局面がありました。
具体的にそうなったのかどうか、私はわかりませんが、金利がマイナスになれば、貸した側が借りた相手に利子を払わなければならなくなったりする(?)ということです。
それが、昨年12月に金融緩和策が修正されたことで、この5日に発行された10年物国債では、利率が0.5%に引き上げられました。これは、8年ぶりの水準だそうです。
ということは、この8年間、銀行株は金利の低下による影響をもろに受けていたことになります。そのために、業績が良いにも拘らず、株価が低迷していました。
専門家によって書かれた本を読みましたが、その専門家の話では、金利の低さが銀行に悪影響というのは、単なるイメージでしかないそうです。
銀行というのは、それだけが利益の素ではなく、様々な業務をすることで、低金利だった時代にも、メガバンクは、好業績を上げていたそうです。
それは別にして、金利がやっと上昇に転じたことで、これからは銀行が利益を上げられるというイメージが広がり、昨年末から銀行株が上昇することが続いています。
その動きを見て、私も個別株への投資意欲が復活し、実際に、年末に銀行株とそれ以外の業種を合わせ、3銘柄を1単元(100株)ずつ購入した、というわけです。
株は、購入した時より上がればそれだけ利益が膨らみますが、それ以外に、それぞれの企業から提供される配当をあてにして投資をしました。
日本の1990年代は、日本のバブル経済がはじけたすぐあとの時期にあたります。その時代、ここまで書いてきた、国が発行する10年物国債の利子が5%と高かったことを知る人はどれほどいたでしょうか。
毎年、国債を購入するのに投じた額の5%の利子が入るということです。ということは、10年で投資額の50%になり、購入した国債の元本が保証されるうえ、その半分の額が利子で得られる計算です。
これほど安全で意味のある投資はないでしょう。しかし、多くの人は株バブルが頭にあったため、5%程度の利子がつく国債へ関心を持つ人は多くなかったようです。
同じことを、今、株式投資で行おうと思えば行えます。上場されている銘柄を調べれば、5%前後の配当を出す企業があります。それらに同じように投資し、10年持ち続ければ、投資した額の半分の利益を得られます。
ネットの動画共有サイトのYouTubeで昨年12月に見た切抜き動画では、20億円分を配当5%程度の銘柄に投資している人の話が語られていました。
それが本当かどうかはさておき、20億円で毎年5%の配当であれば、毎年1憶円が入る計算です。それを10年続ければ、配当だけで10憶、20年続ければ、投資額分が配当で得られる計算です。
もっとも、投資は税額が高く設定されており、2割が、所得税と住民税で徴収されてしまいます。それでも、8割は自分の利益になります。
私が昨年末に投資した3銘柄も、それなりの配当が得られることが購入の動機でした。その権利を得るためには、昨年12月28日までに購入しておく必要があり、購入したのです。
3銘柄のひとつが銀行株で、イメージ先行でもなんでも買われ続けていることで、購入した私の銀行株も、昨日の終値時点で6%ほど値上がりしています。
ただ、すでに書いたように、私は株価には関心を持たないようにしています。あくまでも、その企業から得られる配当が狙いです。
ですから、今後、株価が大きく下がるようなことがあれば、買い増しをし、それによって得られる配当を多くするようなことを考えています。
投信やETFに投資していたのでは、このような楽しみは味わえないのではないかと思います。