朝日と安倍と統一教会を結ぶもの

連日マスメディアで報じられているカルト宗教の統一教会に関することで、興味深い記事がありましたので、それを紹介しながら、自分の推理を働かせます。

本日の豆お断り
マスメディアは団体名が変更されたことで「旧 統一教会」としていますが、実体は変更名と何も変わらずに凶悪ですので、本サイトでは同団体を「統一教会」として紹介します。

1987年から1990年にかけて、「赤報隊(せきほうたい)」を名乗る犯人(犯人グループ?)が起こした一連の事件があったことを、当時を知る人であれば、記憶しているでしょう。

事件の一番の被害を受けたのが朝日新聞です。近い時期に起きた事件を同じ犯人、あるいは、犯人グループが起こしたと考えていますが、朝日新聞に直接関係があるものは、1987年と1989年に起きた4件だけです。

1987年5月3日夜に起こされた事件では、兵庫県西宮市の朝日新聞の阪神支局が、散弾銃を持った男に襲われ、室内にいた3人の記者の内、1名が死亡し、1名が重症を負わされています。

朝日新聞阪神支局襲撃事件から35年 亡くなった記者を悼む

「憲法記念日」の夜に事件が起きたため、憲法解釈を巡る政治信条が朝日新聞とは対立する人間が起こした事件では? と被害を受けた朝日新聞は信じ(?)、それが公式見解のように受け取られる向きがあります。

この事件に関する次のようなデイリー新潮の記事が、Yohoo!ニュースに上がり、興味深く読みました。

記事が伝えるのは、朝日新聞の報道ぶりから、統一教会に及び腰の姿勢が窺え、同社のOBや読者が不信感を持つことです。

その原因につながるかもしれないことが書かれた次の個所に私の目が引きつけられました。

朝日新聞に送られたのは、使用済の散弾銃の薬莢(やっきょう)2個と、ルーズリーフ1枚に書かれた脅迫状だった。文面は《とういつきょうかいの わるくちをいうやつは みなごろしだ》と書かれていた。

5月3日に、朝日新聞阪神支局で記者が死傷する事件が起こされた3日後の同月6日、時事通信共同通信の2社に、「赤報隊一同」を名乗る者(団体?)から、犯行声明が届いたことがネットの事典ウィキペディアにあります。

その声明には、「われわれは本気である。すべての朝日社員に死刑を言いわたす」「われわれは最後の一人が死ぬまで処刑活動を続ける」と敵意むき出しの文章がワードプロセッサ(ワープロ)で印字されていたそうです。

なお、声明文は、きちんとした八つ折りにされておるということで、それを制作した犯人の几帳面な性格を窺わせます。あるいは、普段から事務の仕事をする人(?)でしょうか。

ただ、その事件について書かれた項目に、当の朝日新聞に犯行声明が届いたことが書かれていません。私が読み落としているだけ(?)でしょうか。

デイリー新潮の記事を読むことで、通信2社と同じ5月6日、朝日新聞に脅迫文が届いていたことを、おそらく私は初めて知りました。あるいは、当時の報道でそれを知っていたものの、忘れていただけかもしれませんが。

その事実を、朝日新聞は同日の東京版・夕刊に「本社に薬きょう・脅迫状が届く 朝日新聞記者殺傷事件」として伝えています。

私の家では昔から新聞を数紙とり、現在も朝日ほか、日経、産経、地方紙の4紙をとっていますが、昔から夕刊はとりません。もっとも、同じ記事は、翌日の朝刊に載せたはずですが。

「赤報隊一同」は、朝日新聞を標的とし、実際に記者2名を死傷させる事件を起こしています。それでありながら、犯行声明を送ったのが共同通信と時事通信2社だけで、当の朝日には送らず、朝日には脅迫文というのが、釈然としません。

朝日に届いた脅迫文は、ルーズリーフ1枚に書かれたもので、使用済みの散弾銃の薬莢が2個同封されていたそうです。

そして、最も注目すべきなのは脅迫文にある次の文面です。

とういつきょうかいの わるくちをいうやつは みなごろしだ

おそらく、すべて平仮名だったのでしょう。この脅迫文も、通信社に届いた犯行声明と同じ、シャープ製の“WD-20(25)”というワープロで打たれたものだそうです。

平仮名の文章を見て思い出すのが「グリコ・森永事件」です。この事件は、赤報隊の事件が起きる前の1984年1985年に起きています。

犯人グループは「かい人21面相」を名乗り、新聞社や週刊誌に送りつけた挑戦状に、同じく平仮名だけで、「けいさつの あほども え」などと、挑発的な文章を書いていたことを思い出します。

阪神支局で起きた事件のあと、朝日新聞に犯行グループから脅迫文が届き、そこに「統一教会」の名があったことから朝日が同教会を取材しようとすると、当時の教会側は、「ひどい濡れ衣だ」と回答したことがデイリー新潮の記事にあります。

そのあと、朝日は独自の取材をし、都内の銀行などへも、統一教会を名乗る脅迫文が届いていたことがわかったそうです。

それでありながらなぜか、朝日新聞は、翌日の7日の朝刊で、阪神支局襲撃事件と朝日に届いた統一教会を名乗る脅迫文は無関係と結論付けた記事を掲載したそうです。

夕刊で脅迫文が届いたことを報じ、翌日の朝刊でそれを否定する結論を出すのは速すぎませんか。そのような短時間では、背後関係を探ることもできないでしょう。

朝日新聞のOBが、今の朝日が統一教会を巡る報道に及び腰だと感じるからには、昔はそうではなかったということです。

事実、同社が発行していた『朝日ジャーナル』19591992)という週刊誌が、統一教会に批判的な記事を続けていたそうです。同誌は、阪神支局の事件が影響したかどうかは不明ですが、一連の事件が終息したあと、1992年に廃刊となりました。

同誌が統一教会に批判的な記事を書いていた1985年4月は、編集部に、週に4万6000件もの抗議電話がかかってきたそうです。

一連の統一教会報道で知ったのは、統一教会の信者が、教会からの命令には絶対服従であることです。信者が教会から、「『朝日ジャーナル』の編集部に抗議電話をかけ続けろ。それを守らなければ地獄に落ちる」といわれたら、電話をかけまくるでしょう。

同じ迷惑行為が今も行われているかもしれません。関係機関がそれを表に出さなければ、実体を知ることができません。

統一教会の怖さを知る朝日に、今再び、同じように抗議電話がかかっていれば、当時を知らない社員であっても、怖さに慄(おのの)くかもしれません。

その結果として、統一教会を巡る報道に及び腰になっている、ととれなくもありません。

デイリー新潮の記事中に、今月10日から18日の期間、主要新聞が統一教会を見出しに使った記事の総数を載せています。

【1位】37本:毎日新聞 【2位】35本:朝日新聞 【3位】30本:読売新聞 【4位】22本:東京新聞 【5位】10本:産経新聞

逆に私の目を引いたのは、産経新聞の記事の少なさです。朝日とは別に、産経の消極姿勢は問題にならないのでしょうか。

もっとも、産経新聞の性質を知る人であれば、産経といえば自民党清和会の機関紙的な新聞なのだから、安倍晋三元首相とはべったりで、当然、統一教会とは馴染が深いのであり、積極的に報じないのは当たり前、ということになってしまうのでしょう。

赤報隊事件についてのウィキペディアに、捕まらなかった犯人像を報道から推察しています。

そのひとつに、次のようなものがあります。

NHKニュースおはよう日本2017年5月2日放送)は、次の事実を伝えている。警察は、朝日新聞の報道で対立関係にあった新興宗教団体や東京裁判、靖国神社参拝報道に異論を主張するグループの犯行を疑い、10人程度に容疑者を絞った。

「朝日新聞の報道で対立関係にあった新興宗教団体」というのが統一教会であることは、本ページに書いたことで推察できるでしょう。

朝日新聞は毎年、事件があった5月3日が近づくたび、この事件を取り上げて特集のようなものを組みます。私は熱心にそれらを読んでいたわけではありませんが、記憶する限り、その事件と統一教会を関連付けて書いた記事はなかったように思います。

安倍元首相を銃殺する事件が起きたとき、国会議員とマスメディアは、「民主主義に挑戦する犯行だ」と息巻きました。しかし、そのあと、容疑者が同団体に強い恨みを持った末の私怨であることがわかりました。

朝日新聞阪神危局の事件にしても、朝日がもっぱら主張するような、社会や民主主義に対抗するような事件ではなく、朝日の統一教会報道を恨んだために起きた事件の可能性も否定できないのでは、とデイリー新潮の記事を読んで考えました。

ウィキペディアに、犯人像の手がかりのひとつとして、次のようなことも書かれています。

犯人の思想(戦後体制否定、戦前回帰)は、安倍晋三首相が唱える「戦後レジームからの脱却」と直結している事が指摘されている。

安倍元首相が所属した派閥は、安倍氏が死んだときに安倍派といわれていた自民党清和会です。この清和会が、統一教会と、安倍氏の母方の祖父である岸信介18961987)の時代から一心同体の関係にありました。

安倍氏が唱えた「戦後レジームからの脱退」にしても、安倍氏が独自に考えた思想ではなく、統一教会から安倍氏に授けられた、安倍氏のイメージ作りのための「キャッチコピー」に過ぎなかったのかもしれません。

そのような勇ましいことをいっておけば、安倍氏になびく人からの受けもよかろう、と。安倍信者といわれる人は、統一教会からすっかり”洗脳”されていた、といい換えることもできます。

ともあれ、赤報隊一同の思想が安倍氏に近いのであれば、阪神支局事件を起こした犯人グループがどんなものか、想像がつくように思われます。

もうひとつ、ウィキペディアにある赤報隊事件の犯人像を探る鈴木邦男氏(1943~)の推察も興味深いです。2018年1月28日にNHKが放送した「NHKスペシャル 未解決事件 File.06 赤報隊事件」の中で、犯人が動きを止めた理由を次のように語ったそうです。

憲法改正をしやすくするため思想的に世の中を変えるという目的を達したから

安倍氏の所属派閥であった自民党清和会の念願が憲法改正(実は「憲法改悪」)です。そのために、「憲法記念日」を選んで犯行を起こしたといえましょう。

このように、犯人像を探ると、不思議なほど、安倍晋三氏の影が浮かび、安倍氏と深く結びついた統一教会の影もちらつきます。

安倍氏といえば、朝日新聞を常に敵視していました。また、安倍信者は、口を開けば朝日新聞の悪口です。

数々符合するこれらすべては偶然でしょうか。

犯人グループは、「反日」がキーワードのようです。統一教会が韓国で誕生したカルト宗教ですので、日本に敵対的であるのは頷けます。

韓国は、自国を植民地的に扱った日本に終生強い憎しみを持ち、日本を決して許さない態度を持ちます。その韓国生まれのカルト宗教に自民党清和会が毒され、なびいてきました。

統一教会の日本人信者から撒き上げた金は、韓国へ送金し、それが日本が韓国に犯した罪の償いだ、との考えを持ちました。また、合同結婚式と称して、日本人女性を韓国人男性と無理やり結婚させ、純粋な日本人を減らすことまでしています。

生前の安倍氏は、口では韓国に強いことをいいながら、その裏では、韓国のカルト宗教と歩調を合わせてきたのです。それを知った安倍信者の心境はいかばかりでしょうか。

安倍信者が朝日新聞を憎むのは、自分の教会を悪く書く朝日新聞を憎む統一教会に感化されてのことではありませんか?

以上、Yahoo!ニュースで目にしたデイリー新潮の記事から、記事に書かれていることや、自分の考えを書いてみました。

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