前々回の本コーナーで、スチルを撮影するように、ミラーレス一眼カメラで動画を撮るのを始めたことを書きました。
それを更新した日は曇りがちの天気だったため、晴れた日中に戸外で撮影するケースは試せませんでした。そのあと、それを試しました。
この設定であれば、気負いなくミラーレスで動画が撮れることが確認できました。
通常のスチルを撮影するとき、レンズから入る光の量を減らすNDフィルターは使いません。同じ条件で動画も撮ろうというわけですから、本格的な動画撮影には必須となるNDフィルターなしで、どんな晴れた日中の撮影もできます。
これが、ピクチャープロファイル(PP)をオフにして動画を撮影する便利なところです。
もうひとつ私が重要なポイントと考えることがあります。それは、適切な露出で動画の撮影を行えることです。
たとえば、私が使うソニーのα7 IIでLog撮影する場合、電子ビューファインダー(EVF)を使っていても、どのような露出で撮影しているか、自分できちんと認識することができません。
コントラストが極端に低く、彩度も低い映像がファイだーに結ばれるからです。仕方なく、露出計がプラスマイナスゼロになるくらいにして私は撮影します。
スチルの撮影するとき、私はISO感度とF値、シャッター速度を自分の組み合わせで適正露出を得るマニュアル露出で撮影します。その場合は、私はカメラ内で確認できる露出値は参考にしません。
それよりも、EVFを自分の眼で見て、自分が望む映像になるよう、ISO感度やF値、シャッター速度の組み合わせを設定します。多くの場合、カメラ内の露出計が示す数字よりもアンダーにします。
同じことが、Log撮影ではできません。上で書いたように、自分の眼でなく、カメラ内の露出計を頼るしかなく、プラスマイナスゼロ付近にするしかないからです。
結果的に、多くの場合、露出オーバーで撮影することがおおくなります。
私が使うα7 IIよりあとに出たカメラであれば、撮影結果を反映してLogの撮影ができるでしょう。そのようなカメラを使えば、Log撮影であっても、露出オーバーになることは少ないのかもしれません。
ともあれ、そんな理由もあり、PPをオフにして、スチルを撮るように動画を撮ることの優位性を感じています。
そんな私ではありましたが、今、再び、Log撮影してみてもいいか、と考え始めています。きっかけは、ネットの動画共有サイトYouTubeで、昨日、次の動画を見たことです。
本動画の配信者は、Log撮影した動画素材を、簡単にカラーコレクション(カラコレ)する方法を伝授してくれています。
それを紹介する部分から動画が始まるように設定してあります。その方法を私は初めて知ったように思います。
その方法が、Resolve Color Manegement(RCM)と呼ばれるものです。
これを使うことで、Logで撮った動画素材のカラコレを一瞬で実現できてしまいます。私も試してみました。確かに、これを使えば、カラコレの手間が省けます。
具体的に、私がどのように設定したか書いておきます。
動画編集ソフトのDaVinci Resolve Sutioを使うことが前提となります。そのソフトの設定画面から[カラーマネジメント]を開きます。
[カラーサイエンス]に”DaVinci YRGB Color Maneged”を選択し、その下にある[自動カラーマネジメント]に入っているチェックを外します。
続いて、そのまた下の[カラー処理モード]の中から、一番下の[カスタム]を選びます。
あとは、それぞれの人が使うカメラで使うガンマを選んで、[入力カラースペース]で設定するだけです。私は、α7 IIでLog撮影するときに使う[S-Gamut/S-Log2]を選んでいます。
私の場合は、この部分だけ設定し、他の項目はデフォルトのままにしています。
最後に、設定を[保存]して設定を反映させるだけです。
以上の設定したあと、撮影済みの個々の動画素材を、より良い明度に修正すれば、すぐに使える素材になります。
このやり方を知ったことで、また、私が使うα7 IIでS-Log2ガンマの撮影をしてみようか、と考え始めたわけです。
もっとも、撮ったあとのカラコレが簡単にできることはわかりましたが、撮影時の悩みは、既に書いた通りで、それは解決されていません。
それを解決しようと思ったら、新しいカメラを使うしかなく、すぐに実行できるわけではありません。
それでも、撮った素材が、PPをオフにした動画と変わらない状態になるのであれば、S-Log2ガンマで撮影するのも悪くなさそうです。
あ、そうでした。晴れた日の日中にLog撮影する場合で、シャッター速度をフレームレートの2倍程度にする原則を守る撮影をする場合は、NDフィルターは必須になりますね。
というわけで、そのときの条件で、どちらか、好きなガンマを選んで動画の撮影をすることにしましょうか。