2004/07/09 相場は相場に聞け

まったく、株価の動きばかりは、人智(じんち:人間のちえ=広辞苑)の到底及ばないものである、としかいいようがありません。

今日の東京株式市場は、事前の想定の遥か上をいく上昇となり、日経平均株価の終値は、前日比【101円30銭高】の【11,423円53銭】となりました。

しかし、今日のこれだけの上昇を予想した人はおそらくごくごく少数であったと思います。

それも無理からぬ話で、昨日まで東京市場はなし崩し的に株価を下げています。その大きな要因のひとつは目前に迫った参議院選挙で、自民党不利の情勢が伝えられたことで、選挙後の政局不安を嫌気した投資家の多くが保有株を売って現金に換え、あとは選挙結果待ちとなり、売買高は決定的に細る結果となりました。

その投票日を日曜日に控えた今日は直前の週末ということで、昨日にも増して積極的な商いは手控えられると見るのが妥当なところでした。しかも、日本の株式市場に多大な影響を与えずにはおかない米国市場がこれまた下落を加速させており、昨日おとといと壊滅的な下げとなっていました。

というわけで、これだけ下げの要因が重なった今日、東京市場が値上がりするとは考えにくいというのが大方の一致した見方でした。現に、ネット上の株式投資関連掲示板でも「総弱き」が大半を占めていました。で、私はといえば、売らず(売れず?)に保有した株式を多数抱えているため、そうした弱気な見方に恐怖心が募っていました。

中でも一番怖かったのは「マネックス証券」株です。

この銘柄は、ここへ来て急に値動きが強烈になり、今週の月曜日にストップ高になったときには私も“祭り”に参加し、少しばかり利益のおこぼれに与って(あずかる:分け前をいただく。受ける。こうむる=広辞苑)います。

しかし、このストップ高が広く知れ渡り、さらに、他の銘柄が冴えない展開となっていたため、翌火曜日には怖いくらいの売い注文が殺到し、それが大きな波乱を呼び、一旦高値をつけたあとに急落するなど、非常に荒い値動きと化しました。

ここまで加熱しますとさすがに参加するのは怖くなります。が、その翌日の水曜日。この日はまた派手に上昇し始め、ついにはまたストップ高になりそうなのを見、それまで“祭り”に参加するのをためらっていた私はついに我慢しきれなくなり、ストップ高寸前の【163,000円】の時点で慌てて飛び乗り、【7株】購入してしまいました。

しかし、あとから考えればこれは実に怖い判断で、翌日から今度は一転して下げてしまうかもしれないわけで、買ったあとで足がすくむ思いに駆られました。

案の定、昨日は朝方にその日の天井をつけたあと、あとは時間を追うごとにじりじりと値を下げる展開となりました。結局私は売り時を逃し、今日へと持ち越してしまったわけですが、その昨夜のニューヨーク市場が大幅な急落となり、東京市場の地合いの悪さも手伝い、ほとんど絶望的な気持ちで売買の開始を待ちました。

それが、終わってみれば心配を吹き飛ばすような上昇ぶりだったわけで、「株というのはホントにわからない」と口ではいいながら、ホッとした気分でこれを書いています。

本日の私の“戦績”ですが、結局はマネックス証券株を全て売り払うことに成功しました。

内訳は、【176,000円】で【1株】、【177,000円】で【4株】、【178,000円】で【1株】、【180,000円】で【1株】です。これらの売買差額を割り出し、そこから売却手数料とキャピタルゲイン課税分を差し引いた大雑把な純利益は【86,000円】ほどとなります。

ホントいいますと、ネットの掲示板情報によれば、この銘柄は今後もさらなる上昇が見込めるそうで、一説では「1株30万円」とも「50万円」ともいわれ、それをどこまで信用していいものかわかりませんが、それであるなら長期保有(←私のスケールでは1、2カ月間ぐらい?)してもいいかなという気にもなっていました。

しかし、人にはそれぞれの投資スタイルがあり、私には長期保有は全く向いていないことを思い知らされました。

何しろ、昨日1日間保有しただけでも心配でならなかったものを、1カ月も2カ月も保有し続けられるはずがありません。さらに決定的なのは、長期保有が念頭にあると売り時が全くわからなくなってしまうことです。

一日で手仕舞うデイトレード(デイトレ)であれば、買い値よりも上がったところで、たとえ薄利であったとしても、躊躇(ちゅうちょ)なく売れるのですが、これが長期保有ということになると、途端に「売り渋る」精神状態と化してしまいます。これは、自分自身にとっても意外な現象でした。

そしてそれは絶好の売り機会をも逃すことになり、もしかしたら、永遠に売ることのできない致命的な塩漬け株にさえしかねない怖さと常に背中合わせということです。

一方、デイトレの場合は、結果的には大きな儲けにはならないものの、売値へのこだわりがないため、売れるところではバンバン売ることができます。

今日の場合でいっても、実際には終了間近に株価が跳ね上がり、そこで売った方がより儲けが大きいわけですが、それは結果論というもので、自分が売ったあとにどれほど値が上がろうとも、それは自分には関係のない話です。それよりも、売り渋ったがために売り逃すことの方が遥かにリスクが高くなります。

ともかくも、自分にはデイトレに準じた超短期の売買が性(しょう)に合っていることを確認できたことは、今日の収穫です。

いずれにしましても、マネックス証券はまだまだ上昇が期待でき、これからも機会があれば超短期にトレードしてみたい銘柄であることには違いありません。

ところで気になるのが、選挙明けとなる週初めの株式市場ですが、今日の意外に強い地合いを受け、投資家心理は、昨日の「総悲見」からは一転して「総楽見」になりつつあります。ということは、実際の株価の動きはその逆をいき、想像以上の下げ相場になる、、、ということでしょうか?

それもこれも参院選次第で、自民党が勝っても民主党が勝っても株価がどちらに転ぶかは全く予想がつかず、あとは「相場は相場に聞け」といったところでしょう。

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