2015/01/29 日本株で大きなクジラが動いた!?

先週末から日本株が異常に強くなっています。ただの強さではなく、異次元の強さに思えます。大木をなぎ倒して前進する超大型ブルドーザーのイメージです。

今は亡き松田優作19491989)が、懐かしの刑事ドラマ『太陽にほえろ!』で“ジーパン刑事”を演じ、殉職するシーンで、意味がわからない死に直面して「なんじゃぁっ?! こりゃー?!」と雄叫(おたけ)びをあげるシーンはよく知られます。

昨日、今日の日経平均株価の値動きを見ていた私は、あまりの強さに「なんじゃぁっ?! こりゃー!!」と 私も心の中で思わず雄叫びをあげそうになったほどです。こんなに強い動きを見せる日経平均株価を見るのは、私は生まれて初めてです。

これまでの日本市場はといいますと、米国市場の値動きに追随し、米国のダウ平均株価と合わせ鏡のような値動きを一貫して続けてきました。

ところが、今週に入り、米国の動きと縁を切るかのように、NYダウと逆の動きを見せました。

前々日のNYダウは、300ドルほどのマイナスで終わりました。ですので、日本市場も300円ぐらい下げるのかと考えていました。ところが、取引の始まりである寄り付きは大きく下げましたが、その後、ぐんぐんと値を切り上げ、その日の取引を終える大引(おおび)けはプラス圏に浮上しました。今までの弱い値動きを嫌というほど知っている人ほど、直近の強さには驚いたことでしょう。

前日もNYダウは200ドルほど下げました。ですので、今日の日本市場も始値(はじめね)は安く始まりました。本コーナーの本日分は午前中に更新を始めましたが、今のところはまだ前日比で80円ぐらいのマイナスです。しかし、一番下がったところからはまたしても値を切り上げています。

まだ、前場の途中で、後場も残っています。しかも、相手が株式市場ですので、今日の取引が終わるまでは何ともいえませんが、今のところは依然として強い動きに見えます。

ちなみに、前場と後場ですが、株式投資に関心のない人には説明が必要でしょうか。

日本の株式市場は、月曜から金曜の平日、午前9時から始まります。午前の取引を前場といいまして、午前11時30分までです。そのあと昼食休憩を挟みまして、午後は午後0時30分に取引が始まります。午後の取引を後場といいまして、その日の取引が終わるのは午後3時です。

本日の豆いい間違い
今月16日の日経新聞にあった記事によりますと、かつて、ある大蔵大臣が前場を「まえば」(前歯?)と読み間違えたことがあったそうです。

このように、素人の 私の眼にも非常に強い動きに見える日経平均株価の値動きですが、それは専門家も同じように感じているのでしょう。

この日本株の強さの「謎解き」のようなことが本日の日経新聞に載っています。同紙「スクランブル」コーナー本日分に載っている「動いた『クジラ』が主役」という記事です。

このコーナーを担当する記者が、日本株の強さを探っていたのでしょう。「誰が日本株をこんなに買ってくれているのだ?」と。すると、市場関係者のひとりが、記者に次のようにささやいたそうです。

クジラさんの噂を聞いていないんですか。

「クジラ」というのは、市場参加者がつけた符丁で、「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF )」を指すのだそうです。

記者が関係者から聞いた話を総合したところ、先週の金曜日(23日)から、クジラと呼ばれるGPIFが本格的に活動を始めたことがわかったそうです。その結果、昨日(28日)までの4営業日に、合計で2000億円ほどの日本株を買い付けたそうです。それでようやく誰が日本株を買っているのか判明しました。GPIFが買っていたのです。

そういえば、昨年に、GPIFがこれまでの資産構成の比率を変更する旨の発表をしたとの報道がありました。それを実現していることになります。具体的には、これまで大きく占めていた国債を大幅に減らし、それと相反するように、日本株を増やす方向だそうです。

こうした決定があった昨年9月頃からこつこつと買いを続けていたそうですが、それが今年になって本格化し、「クジラ」の動きが市場関係者にも注目されるようになってきた、というわけらしいです。

こうしたGPIFの動きには様々な見方があるそうですが、次のような評価する声が日経新聞の記事で紹介されています。

利益がちゃんと出て、値動きが激しくない低リスクの成長株がきちんと評価される相場傾向を後押ししている。

こうした声が聞かれるというのは、その反対の傾向が長く続いてきたことを意味します。つまり、割安株投資や高リスク株を短期で売買するマネーゲーム的な展開です。それが、今後は、企業の業績がきちんと評価されるようになり、米国株などの外的要因に左右されることなく、日本株が持続的に上昇することになれば、これ以上良いことはないように私も考えます。

本コーナーの更新作業をするうちに、前場の取引が終わる前引けとなりました。

本日の日経平均株価は、NYダウが200ドルぐらい下がった影響で、前日比【-130円】ほどの始値でした。それが、前引けした今の値は、前日比【-21.22円】の【17774.51円】です。このあと、後場で昨日同様にプラス圏へ浮上することになるのかどうかはわかりませんが、もしかしたら、今日中に【18000円】にのせてくるかもしれません。いずれにしましても、推移を好意的に見守っていきたいところです。

株の世界は一寸先が闇といわれますので、この先の展開は読めませんが、GPIFが積極的である限りは、まだまだ上値の余地があるように、素人の私には思えます。まだ日本株を保有していない人は、今から購入しても、利益が得られるかもしれません。もっとも、本当に購入して損を出されましても、私は責任を負えませんが。

すぐ上の部分までは前場の時間に更新をしていますが、後場に入り、状況が一変しています。これだから相場の世界は一寸先が読めません。

前引けでプラス圏まで【-21円】ほどにまで迫り、この調子でいけばすぐにプラス圏と期待が膨らみましたが、後場は売り圧力に押されています。

そういえば、少し前に週刊誌で読んだ読み物のひとつに、日経平均株価が【8000円】あるいはそれ以上下がるというのもありました。そうした株価に本当になるのか、それがいつなのかは誰にもわからないでしょう。専門家の読みも、実際の株価とは違っていますしね。

そうこうしているうちに、【-200円】を超える下げになってきました。このまま下がってしまうのか、それともクジラの力で再び上昇に転じるのか、素人の私にはまったく先が読めません。

本日の取引が終わり、日経平均株価は前日比【-189.51円】です。前日のNYダウが【-195.84ドル】でしたので、結局NYダウと同じ程度の下げになってしまったことになります。米国離れができると期待していましたが、本日の結果を見ますと、まだ先かなと思わざるを得ません。

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