ビルジニーに逢いたくて

英国の推理作家、アガサ・クリスティ18901976)原作のテレビドラマ『名探偵ポワロ』シリーズの何度目かの放送が、今、毎週水曜日の午後9時から、NHK BSプレミアム放送中です。

私は毎週録画し、基本的には翌日に見ることをしています。

先週の水曜日(8日)に放送されたのは、第39話の『チョコレートの箱』です。これが英国で初めて放送されたのは1993年2月21日、日本では同年7月10日に放送されています。

このシリーズの放送があるたび、私は録画して見ることをしています。私の記憶力が弱いのか、見るたびに犯人か誰かわからずに見ることが多いです。

『ABC殺人事件』1992)や『雲をつかむ死』(1992)は犯人を憶えています。この二作品は第3シリーズに放送された三作品のうちの二作品です。

私はこれまで、ポワロ・シリーズの放送は繰り返し見ていますが、シリーズがいくつあるかを意識することはありませんでした。あらためて、ネットの事典ウィキペディアで確認しました。

シリーズは全部で13あり、各シリーズごとに作品がいくつかまとめて作られて放送されています。

シリーズ第1話『コックを捜せ』が英国で放送されたのは1989年1月8日、日本では翌1990年1月20日に放送されています。そして、最後の第70話『カーテン ポワロ最後の事件』は英国が2013年11月13日、日本が翌2014年10月6日です。

この間24年、エルキュール・ポワロデヒッド・スーシェ1946~)、ポワロの助手のアーサー・ヘイスティングズヒュー・フレイザー1945~)、秘書のミス・レモンをポーリン・モラン1947~)、ロンドン警視庁の主任警部ジェームス・ハロルド・ジャップフィリップ・ジャクソン1948~)を演じています。

たしか、すべての撮影が終わった時、その様子を取材した映像と、主演のスーシェにインタビューした特別番組が作られ、それが放送されたときも録画して見ました。

David Suchet on the darker side of Hercule Poirot, and finding faith | One Plus One

こんな風に、物語そのものではなく、制作された年と出演俳優について知ろうと思ったのは、先週水曜日に放送された『チョコレートの箱』を見て、出演していた女優が強く印象に残ったからです。

彼女の役柄はビルジニー・メナールという女性です。ビルジニーは、ベルギーで大臣をしていたポール・デルラールという若い男性の妻であった妻の従妹(いとこ)にあたる女性です。

ポールは20年前のある日の夜遅い時間、独り、書斎で調べ物をしながらチョコレートをつまんだあと、床に倒れ込み、死亡します。

その2年前、ポールは妻と自宅で激しく口論し、その直後、妻が長い螺旋状の階段を転げ落ちて亡くなる「事故」が起きていました。その亡くなったポールの妻の従妹がビルジニーというわけです。

ポールの死もベルギー警察は事件性がないとして、捜査を終了します。その捜査員の中に、私立探偵になる前のポワロがいたのでした。

名探偵になってからのポワロは、脳天に髪の毛がありませんが、当時のポワロの脳天にはまだ髪の毛がありました。それを演じるのもスーシェですから、若作りのため、脳天に人工的な髪の毛をのせて撮影したのでしょう。

事故死したことにされたポールの妻の従妹のビルジニーは、亡き妻の夫の死に疑問を持ち、警察官だったポワロに、事件性がないか調べてくれるよう依頼します。

ポワロとしても、事件性がないと決めつける上司の判断には納得していません。そこへ、ベルジニーから捜査の依頼があり、ポワロは警察の職務を離れ、私立探偵として初めての推理を働かせるのです。

ポワロは認めないでしょうが、その熱意は、ビルジニーの美しさが関係しているでしょう。私も、ビルジニーを演じた女優が映るたび、美しい女性だと見とれ、本更新をする熱意を私に持たせました。そのことを、私は素直に認めましょう。

Poirot.T05-06-The Chocolate Box(A Caixa de Chocolates)”REPOSTAGEM”

それで、その回の放送がいつ頃だったのか気になり、ビルジニーを演じた女優が誰だったのかを知ろうとしました。その放送が初めてあったのが30年前であったことはわかりましたが、女優の名はまだ確認できていません。

ポワロは真犯人を突き止めますが、その犯人の犯行を尊重し、それを世間に公表せずに終わっています。それだから、ベルギー警察の元同僚からは、未だにポワロの推理が間違っていたと指摘されてしまいます。

ポワロはベルジニーから、感謝のしるしとしてブローチをプレゼントされます。それは花束をかたどったもので、ポワロはベルジニーをいつまでも忘れないよう、いつも左襟にそのブローチをつけ続けています。

Poirot.T05-06-The Chocolate Box(A Caixa de Chocolates)”REPOSTAGEM”

ポワロは生涯独身でしたが、その生涯で唯一愛した女性がベルジニーだったことは疑いようがありません。

そのベルジニーに、ポワロがベルギーで20年ぶりに再会する場面で物語は終わります。彼女は、ポワロがチョコレートのカスの鑑定を依頼した薬剤師と結婚し、立派に育ったふたりの息子の母になっていたのでした。

再会を喜んだベルジニーに右手を差し出され、ポワロは手を握り、手に口づけしようとしますが、手に唇をつけることはしませんでした。

Poirot.T05-06-The Chocolate Box(A Caixa de Chocolates)”REPOSTAGEM”

日本語版のエンドロールでは彼女の名が表示されません。上に埋め込んだ原版の動画のエンドロールでは、ビルジニーを演じた女優がAnna Chancellor(1965~)であることを示しています。

Anna Chancellor Interview Private Lives – Olivier Awards 2014

そうですか。Anna Chancellorというのですね。それにしても、この世に、こんな美しい女性がいるのかと思ってしまいます。彼女の肖像画を描いてみたくなります。

彼女の特徴を憶えるため、鉛筆でスケッチを描いてみました。

Anna Chancellorのスケッチ

このあと、このスケッチを参考程度に使い、カンヴァスボードに油絵具で描いてみようと思っています。

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