Cine1ガンマの有効性を確認

本コーナーで前回書いたことの続きになります。

前回は、私が使うソニーのミラーレス一眼カメラ(ミラーレス)のα7 IIで動画を撮る際、それまで私が試していた[S-Log2]ガンマに替わり、[Cine1]ガンマを使うことで、楽に動画が撮れ、撮った動画のカラーコレクション(カラコレ)でも、何も手をかけずに、望み通りの動画に仕上がることについて書きました。

[Cine1]ガンマを使う利点は、[S-Log2]ガンマに比べ、[Cine1]ガンマであれば、ISO感度をISO1600より3段低いISO200から使えることです。

このことで、露出オートで撮影しても、動画に影響のあるシャッター速度を、同じ光の状態であれば、3段分遅くすることができます。

[S-Log2]ガンマでシャッター速度を遅くするにはNDフィルターを使うしか手がありません。しかし、これを使うと、どうしても撮影した動画に意図しない色が乗りやすくなります。

はじめは[S-Log2]ガンマを使いながら、シャッター速度が速くなることを許容する考えが生まれ、露出オートで撮影し、それはそれで納得できました。

そのあとに別の考えが生まれ、[Cine1]ガンマにすれば、すでに書いたように、ISO200が使えるため、その分シャッター速度を抑えられ、結果的には良い結果につながるのではと考えが発展しました。

前回の更新はそこで終わっています。昨日は雲の多い天気だったため、晴れた下でのテスト撮影ができなかったからです。

今日は久しぶりに晴れ、快晴となりましたので、昨日の続きのテスト撮影をしました。その結果の動画を下に埋め込んでおきます。

Cine1ガンマの研究(2023.1.18)

同じような動画を本コーナーで紹介したことがあります。その時の動画は、写真を撮影するときの「感度分の〇〇」を応用した[S-Log2]ガンマの動画で、その時は、ISO感度をISO1600からしか使えないことから、シャッター速度を1/1600秒まで上げ、レンズのF値をf/16にして撮影しました。

今回は、ISO感度もオートにしているため、ISOいくつなのかはわかりませんが、おそらくきっと、最低感度のISO200以外は考えられないでしょう。

シャッター速度とF値を、ソニー純正ソフトの“Catalyst Browse”で確認し、次の数値であることが確認できました。

  • F値:f/16
  • シャッター速度:1/80sec
Cine1ガンマの研究動画の撮影データ

F値は、そうなるであろうことが想像できますが、シャッター速度を1/80秒に抑えられたというのは大きな収穫に思えます。これであれば、晴れた日中でも、オート露出のまま撮影して問題ありません。

このことを、本日のテスト撮影で確認できました。

同じ条件で[S-Log2]ガンマにしたら、ISO感度がISO200からISO1600になり、3段分高感度になるため、それをシャッター速度だけで補うとすれば、1/80→ 1/160→ 1/320→ 1/640で、1/640秒になる計算です。

[Cine1]ガンマで撮影した動画は、そのままでは使えません。私は、動画編集ソフトのDaVinci Resolve Studioでカラコレします。

これまで、[S-Log2]ガンマで撮影した動画をカラコレしてきました。自分なりに、手作業でのカラコレはそれほど難しいとは思いませんでしたが、少し前、それをほぼオートメーション化できることを知り、ほとんど手間がかからなくなりました。

同じ設定が[Cine1]ガンマで撮影した動画にもそのまま適用できます。

動画のカラコレにおいて重要な、コントラスト色相彩度は撮ったままの状態で、一切、手を加えません。

唯一、明度は調節をしますが、これも、スコープの「パレード」の波形を見て、明部と暗部がダイナミックレンジ内に収まるようにするだけです。この際、中間明度のミッドトーンは変更しないのが特徴といえば特徴といえるかもしれません。

特に色合いは、私がソニーのややマゼンタがのったような色(私が使うα7 IIの場合)が好きなため、工場から出荷された状態で、ホワイトバランスもオートホワイトバランスのまま、動画も写真も撮っています。

カット数が多い動画をカラコレする場合も、基本的なノードをひとつの動画のために作り、それをその他の動画にコピーすれば、一気に作業は終わります。

あとは、それぞれの動画の明度を調節するだけで完成です。

その上でカラーグレーディング(カラグレ)をする必要があれば、新たにノードを作成し、そのノードで作業することになります。

ただ、私は見た目の色が得られればそれで十分で、特別凝ったカラグレは今のところ考えていません。

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