人間は生ある限り休む暇がありません。中には、「自分は何もしていない。暇で暇で死にそうだ」という人もいるかもしれません。私もそれに近い生き方をこれまでしてきましたが、そんな私でも一日たりとも、一時間たりとも、一分たりとも、一秒たりとも休むことなく生きています。
私を休ませないのは、私の頭部にあり、死ぬまで活動を止めない脳です。この脳というものは、常に活動をし、眠っているときも活動を停止しません。
簡単にえば、常に何かを考えているということです。眠っているときも脳は活動し、それが人に夢を見させるのではないかと素人の私はぼんやり考えたりします。
眠っているときがこの有様ですから、目覚めているときは、冒頭で書いたように、大げさでなく、一秒たりとも何かしら考えています。
こんな極めて活動的な脳を頭に頂いて生きるため、私たちの興味は始終様々なものに向かいます。
私も日々、様々なことに興味をもって生きています。私の興味は様々なものへ向かい、その時々で、興味が強く向かったものに熱中し、それを過ごして過ごします。
このところは、油彩画に関心が向かうことが多いです。
前回、本コーナーで書いたレンブラント(1606~1669)の『マルガレータ・デ・ヘール』という婦人を描いた肖像画の顔の部分だけを模写した絵に、昨日、二度目の加筆をしました。
模写は、古今東西の画家や絵を描くことが好きなアマチュアが試みる行為です。望ましいのは、美術館へ行き、好きな絵の前にイーゼルを立て、そこで直に自分の目で視ながらできれば最高です。しかし、日本の美術館では許されていません。
それより何より、衆人環視の中でそれをする度胸が私にはありません。
私は移り気ですので、長い時間同じことを続けることができません。せいぜい頑張っても2時間といったところでしょう。
昨日もそれぐらいの時間、絵具をつけてあったカンヴァスに加筆しました。私は模写の元になる絵そっくりに描くつもりはなく、自分の目と手を使い、形や色、絵具の扱い方を自分に覚え込ませるように作業をしました。
使っている絵具は前回と同じで、シルバーホワイト、イエローオーカー、ベネシアンレッド、バーントアンバーの4色のみです。普段、赤系統は別の色を使いますが、今回、たまたまこの色を選んでいます。
使っている筆は、前回は軟毛の丸筆でしたが、今回は豚毛の平筆を使いました。また、画溶液も、前回より粘り気の弱いペインティングオイルに換えました。いろいろ試してみて、どれが自分に一番しっくりくるか試しています。
画溶液は、昔から悩んでいます。画材店でもらった説明書を読み、いろいろ試すごとに悩みは深まり、まったくわからなくなってしまった時期もあります。
今は逆に割り切り、その時の使い心地などで選んだりしています。
ひとしきり絵に向かったあとは、別のものへの関心移動を私の脳が起こし、カメラを手に取り、家の愛猫たちを庭や室内で写真に収めることをしました。
そのあとはまた油彩画に関心が戻り、レンブラントの画集を眺めたり、油彩画に関するYouTube動画がないか確認したりしました。
こんな風に、私は常に様々なことに関心が向かい、コロコロといろいろなことをして過ごしています。
ここ2年近く、そんな私の頭を離れないのが新コロ騒動です。この騒動が収まってくれたら、その分、興味の対象に神経を集中できるでしょう。そのためにも、一日も早く馬鹿げた茶番騒動が静かになることを願う日々です。