レコード盤がCDを逆転?!

社会に流通する製品やサービスで、それが可能なものは、急速なデジタル化が進んでいます。

2000年代に入って早20年経ちますが、感覚的には2000年(2000年代は正確には2001年から)がそれほど昔に私は感じません。2000年当時、私は写真フィルムに撮影するカメラを使っていました。

当時もデジタルのカメラは出始めていましたが、自分がデジタルのカメラを主に使うようになるのはずっと先と考えていました。それが、カメラにおけるフィルムからデジタルへの移行は極めて急で、私もあれよあれよという間にデジタルのカメラに乗り換えることになり、フィルムで撮影することはなくなりました。

個人が使う製品でデジタル化が最も早かったのは音楽の再生機器ではなかろうかと考えます。

個人が音楽を購入して楽しむのに利用されたのはアナログレコードです。それが、1982年コンパクトディスク(CD)が登場し、長い歴史を持つレコードは、CDへ急速に取って代わられました。

レコードからCDへ移り変わる世の中の動きを尻目に、音質に拘る人はCDの音質に満足せず、レコード盤で音楽を聴き続ける姿勢を変えませんでした。

私む昔から音楽を聴くのは好きですが、音質には特別なこだわりがありません。そのため、CDの音質にも不満はなく、家庭用のCDプレーヤーを出はじめに購入し、以来、CD版でのみ音楽を購入するようになりました。

本日の豆ノート
私は1983年度から、夕方の6時台にNHK-FMのリクエスト番組「サンセットパーク」(1998年に関東のこの時間のタイトルがこれに換わるまでは、関東各局が独自に「夕べの広場」や「ゆうべのひととき」の番組名で放送していました)にリクエストすることを始めましたが、それがちょうどCDの登場と重なったことになります。

整理の好きな人は、レコード盤がCDに置き換わるのを見て、レコード盤は過去の遺物とばかりに、コレクションを処分してしまった人がいるかもしれません。

私もレコード盤のコレクションはありますが、処分はしていません。私のコレクションに興味を持った姪に、数枚のレコード盤を譲ったことがある程度です。

私のコレクションにあるレコード版『Kill Me In The Morning』(フロート・アップ・CP)

時代の変化は速く、CDの時代も過ぎ去りつつあるようです。今は、ネットを介した音楽配信で音楽を楽しむ人が主流のようです。

私自身、Amazonの有料会員に追加料金なしで提供される音楽配信サービスのPrime Musicで毎日音楽を聴いています。本投稿を書きながら、部屋にはその音楽が流れています。

ただ、私の場合、音楽配信の音楽は、B.G.M.のように聴き流すことがほとんどで、真剣に向き合って聴くことがありません。音質も悪くないはずですから、今度、音楽配信の音楽でも、音量をしっかり上げ、向き合って聴いてみてもいいかもしれません。

今日の産経新聞に、音楽評論家の岩田由記夫氏が書かれた文章が載っています。その見出しは「米でレコード再評価 CDを抜く売り上げ」です。この見出しだけで、どんなことが書かれているか想像できますね。

全米レコード協会(RIAA)による米国における今年上半期(1月から6月期)のCDとレコードの売上額が次のようになったと書かれています。

レコード:2憶3210万ドル 前年比4%増
CD   :1憶2990万ドル 前年度比48%減

数字を見て少なからず驚きました。レコードがCDの約2倍の売上額になっていたからです。短期のデータですので、この傾向がいつまで続くのかなどはわかりませんが。

岩田氏の情報によりますと、CDが登場して以降、多くのミュージシャンはCDでの発売にシフトし、レコードの発売はほぼ皆無となったそうです。それが、およそ15年ほど前から、若い世代を中心にレコードの再評価が起こり、そうした層を中心に、じわじわ売り上げを伸ばす状況にはあったそうです。

米国に見られるようなCDとレコードの傾向は日本でも見られ、オーディオファンを中心にレコードの売り上げに回復傾向があるとあります。内外のオーディオメーカーからも、レコードプレーヤーが新たに発売になったりしているということです。私は確認していませんが。

レコードプレーヤーが売れるのであれば、それを見越して、ミュージシャンが再びレコード盤で作品を発表することを考えるでしょう。

ただ、そのあたりにつきましては注意点があることを、岩田氏が書いています。

注意点は、現代のレコード盤の音源です。

レコード全盛期は、音楽スタジオやライヴの演奏会場で、アナログ録音テープに録音し、そこからレコード盤がプレスされたそうです。

それが現代のレコード盤は、サンプリング周波数がCDより64~128倍多いダイレクト・ストリーム・デジタル(DSD)から作られたものが多いのだそうです。

私はDSDと昔ながらのレコード盤を聴き比べ、明確に違いがわかるのか、確かめてみたことがないのでわかりませんし、聴き分ける自信もありません。耳が肥えた人であれば、その違いはおそらく明確に聴き分けられ、昔のレコード番の音質の良さを確認できるのでしょう。

そうしたことから、レコード盤に音質の良さを求める人は、CDに切り替わる前、1980年代以前の中古レコードを買い求める人が多い、と岩田氏は書いています。

昨今の音楽鑑賞事情について、今日の産経新聞に載っていた岩田氏の文章を参考にして書きました。

今日書いたことは、音楽を楽しむ環境のメインストリームというわけではありません。基本はあくまでもネットを介した音楽配信であることは動かしがたい事実です。同時期(←なのかな?)の米国のストリーミング配信の売上額は48憶ドルであるそうですから。

日本の音楽鑑賞状況も、一部ではCDからアナログレコードに回帰する層があるものの、大部分はストリーミングになるだろうと締めくくられています。

途中で書きましたように、私は買いそろえたレコードコレクションを所有し続けています。ですから、聴こうと思えばいつでも聴ける環境にはあります。

ただ、レコード盤をジャケットから取り出してレコードプレーヤーのターンテーブルに載せ、レコード針をレコード盤に刻まれた溝の上に静かに落として聴く、という行為が結構面倒に感じます。しかし、レコード盤の愛好者は、その一連の行為も含めて、レコード文化を愉しめるのかもしれません。

それを愉しむからには、そのための時間が必要です。日々を慌ただしく過ごしがちな人は、時間を作るのだけでも難しいかもしれません。

私は時間は自由になりますので、あとは気の持ち方次第になりましょう。

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