前回の本コーナーでは、念願だったZOOMのレコーダー付きマイク、M3 MicTrakを手に入れたことを書きました。
M3が欲しいと思った理由も書いています。M3に搭載されているレコーダーが、32bit floatで録音できることです。この32bit floatについても、私が現在理解している範囲内で書きました。
あとは、手に入れたM3を何に使うかです。
同時期に発売されたZOOMの「Mシリーズ」にはほかに、M2 MicTrakとM4 MicTrakがあり、それぞれに異なる性格を持ちます。
この中でM3は、ミラーレス一眼カメラ(ミラーレス)に取り付けて、動画撮影時に使うのが便利なように作られています。
マイクとレコーダーの振動を和らげるショックマウントが付属で付いており、そのショックマウントは、カメラのアクセサリーシューに取り付けることができます。
また、レコーダーのアウトプットから出力されるマイクから入った音をカメラのインプットへ専用のコードで送ることができ、カメラ内でその音を録音ができます。
それとは別にM3のレコーダーでM/S RAW形式の音声ファイル(M/S RAWファイル)が記録されます。
ミラーレスで動画を撮る場合は、その動画に音声が記録され、M3のレコーダーに記録されたM/S RAWファイルを編集した音声ファイルと、動画編集時に同期させることで、動画の音声をより良いM/S RAWファイルの音声に置き換えることができます。
こんな風に、ミラーレスで動画を撮る人には使い勝手の良いマイク&レコーダーになろうと思います。
私は気まぐれで動画を撮ることもありますが、日常的に動画を撮ることはないので、M3は、動画とは切り離して、音声を単体で録音することに利用することを考えています。
といっても、私が撮るスチルや動画と同じで、特別変わった対象を持つわけではありません。私はフィルムの一眼レフカメラを使っていた時代から、自分の身の周りにあるものが主な被写体で、今もそれは変わりません。
というわけで、私が音を収録する対象は、庭にいると聴こえる自然音が中心とならざるを得ません。
昨日の夕方、野鳥の鳴き声がしたので、M3を持って庭へ出ました。鳴いていたのはウグイスです。風がそよそよと吹く状況でした。風切り音を防ぐウィンドスクリーンは、製品に付属のスポンジ製です。
このウィンドスクリーンでどの程度風対策になるかテストする意味合いもあります。
3分程度録音した音を下に埋め込みます。
収録した場所には竹林があり、竹が風に揺らされる音が一緒に入っています。風がマイクに直接当たらないような場所で収録したせいか、私が確認した限りでは、風切り音が気になりません。
本ページに埋め込んだ音声は、途中でも書いた、M/S RAWファイルです。それをPCに移動させ、M3専用の編集ソフト、M3 Edit & Playで音を大きくするためのゲインと、ステレオ幅を変更しています。
収録時に、モノラル、90度のステレオ、120度のステレオの3段階から選べるようになっています。録音時は90度を選びました。このm、録音時に設定した音声ファイルは、M/S RAWファイルとは別のファイルとしてレコーダーに記録されます。
音声編集ソフトのM3 Edit & Playでは、M/S RAWファイルを読み込むのが基本となるでしょう。私もそのファイルを読み込んでいます。
ゲインで音の大きさを調節したあと、ステレオ幅の調節を試しました。このソフトを使うのは初めてですが、面白いことに、ステレオ幅を広げれば広げるほど、同じゲインであっても、音が大きく聴こえるようになることに気がつきました。
ソフトでは、Mono、30度、60度、90度、120度、150度に変更できるようになっています。それがソフトの画面に左半円状で並んでおり、レバーで角度を調節します。それぞれの角度の途中でレバーを止めることもできます。途中で止めた角度がそのまま反映されるのかはわかりません。
私は、音が最も大きく聴こえるようにするため、最大の150度にし、編集した音声ファイルをMP3ファイルに変換して保存し、本ページに埋め込んでいます。
別の機会では、私が何かを朗読もどきした声を録音してみようと思っています。その場合は、ステレオではなく、モノラルがいいでしょうか。
私は昨春からZOOMのフィールドレコーダー、F2を使っています。
これにも32bit float機能が搭載されています。このレコーダーはモノラルのみでの録音です。
私は、F2に付属するラベリアマイク(ピンマイク)を胸元に付け、自分の声を録るのであれば、これが最も適していると考えています。
F2に小さな外部マイクを付ければ、自然の音も録れ、ほかにレコーダーは必要ないと考えていました。
しかし、手に入れたばかりのM3で自然音をステレオで録音してみて、F2とはまったく違う音であることに気がつかされました。
M3のマイクはM/S方式のマイクで、自然の音を収録するのにも適しています。ウグイスの声にしても、F2で録るよりも簡単に録れた印象です。
私は以前から、自分の声を録音するなど、音の録音を愉しむこともしています。これはこれで、動画とは違う面白さがあります。
動画でブログのような表現をする人をVloggerといったりします。それをVideoではなく、Audioでする人をAloggerという人はいません。そう呼ばれなくても、それをしてみる価値はなくもないでしょう。
手に入れたばかりのM3 MicTrakを何に使ったら面白いか考えながら、あれこれ愉しむことをします。