夏の甲子園バックネット裏に謎の9人衆

甲子園球場で行われている高校野球の全国大会は、昨日とおとといの8試合で、準々決勝に進出するベスト8が出そろいました。

私もそれなりに関心を持ち、気になればテレビをつけ、見ることをしています。といっても、朝から夕方まで、続けて見ることはしません。

昨日の第三試合は、福岡の聖光学院高校と福井の敦賀気比高校が対戦しました。

本更新で書こうと思うのは、試合内容ではありません。途中であることに気づき、それ以後、それが気になり、観戦に身が入らなくなりました。

甲子園での高校野球をよく見る人であれば、バックネット裏の前の席が、少年野球をする子供たちを招待する席であることを知っていると思います。

それがいつから始まったのか私は知りませんでした。ネットで調べると、2015年の選抜大会からそれが始まったようです。

それらの席は「ドリームシート」といわれ、地元の少年野球チームをチーム単位で招待し、座れるようにしているようです。この場合の「地元」というのが、どこの地元なのか、私はまだ知りません。

甲子園球場がある兵庫県内か、あるいは、近畿までを指すのでしょうか。あるいは、甲子園で試合をする高校の地元ということでしょうか。

また、各試合、数チームが招待されているようですが、それがどのように決められるのかも知りません。

「ドリームチーム」が設けられる前は、誰が座ってもいい自由席でした。しかし、高校野球ファンで構成された「8号門クラブ」がバックネット裏の前の方の席を”占領”することが起きたらしく、それを問題視した日本高野連が、「ドリームシート」を設けることで、結果的に、一部の高校野球ファンの”占領”行為を阻止した形となったようです。

昔のテレビの野球中継といえば、バック裏のカメラが打者を背後から写すアングルでした。それがその後、米大リーグのテレビ中継を倣い、センター後方のカメラで、投手を背景から写すアングルに替わり、今に至っています。

その間に、テレビカメラの望遠レンズの性能が向上したのも、アングル変更のひとつの理由でしょう。

試合中は、この、センターからのカメラで写すため、バックネット裏の席が常に写っています。

昨日の第二試合までは、いつもの高校野球中継で、バックネット裏には、招待された少年野球チームの子供たちがグラウンドで展開されるゲームを見る様子が中継画面に映りました。

それが、昨日の第三試合は、いつもとは違う光景がありました。

何気なく見ていると、向かって右側の最前列に座っている人たちは、揃いの濃い青のシャツを着て、正面が白、つばが赤の野球帽を被っています。その中に、髪の毛の長い人がいました。

少年野球をする子供で、長髪の子供は少ないでしょう。それだから、はじめに気がついたときは、少年野球チームに女の子が混じっているのか、と思いました。

気になって、最前列を陣取る人たちを観察すると、それらは子供たちではなく、全員が大人の男であるのがわかりました。その中に、長髪の成年男性が含まれていたということです。

その男性たちの素性はわかりません。もしかしたら、昨日の試合に招待された少年野球チームの監督やスタッフであった(?)のかもしれません。

そうだとしても、「ドリームシート」は、甲子園出場を夢見る少年たちのために設けられた席です。その子供たちを差し置いて、大人たちが最前列の席を埋めるのは感心しません。

最前列の席は、席の数が9あるのがわかります。それらがすべて、大人の男性たちで占められているのです。

少年たちのための「ドリームシート」を占領する大人の男たち(赤枠で囲った部分)

高校野球を運営する高野連の関係者も、試合中はテレビの中継画像をチェックするでしょうから、バックネット裏の最前列に大人の男たちが座っていることに気がつかないはずがありません。

それだから、しばらくすれば、係の人間がドリームシートを”占拠”する男たちのところへ行き、別の席に移動するよう注意するだろうと考えていました。

しかし、試合が進んでも、変化が見られませんでした。結局、第三試合が終了するまで、男たちはその席から動きませんでした。

少年たちのための「ドリームシート」を占領する大人の男たち

こんなことに気がつき、気になっていたのは私だけでしょうか。

本日の朝日新聞に、主催新聞社として、このことが少しは取り上げられ、大人のマナー違反をたしなめるようなことが書かれるかもと期待しました。しかし、紙面に載った気配がありません。私が気がつかないだけという可能性がないでもないですが。

以上、今回は、高校野球の中継を見ていて気になったドリームシートについて書きました。

準々決勝以降、私はドリームシートの状態もチェックしながら、観戦できるときは観戦することにします。

気になる投稿はありますか?

  • おかしいことには「おかしい」といおうおかしいことには「おかしい」といおう 東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会の会長・森喜朗氏(1937~)の発言が問題視されています。 これをはじめに報じたのは、今発売中の『週刊文春』です。 5日の朝日新聞の記事をもとに、問題とされた発言を振り返っておきます。 その発言があったのは、今月3日にあった日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会です。 マスメディアの報道では、森氏の発 […]
  • 照ノ富士の復活Vに思う照ノ富士の復活Vに思う この日曜日(2日)、大相撲7月場所が幕を閉じました。私は、結果だけを翌日の新聞で知るだけでしたが、照ノ富士春雄関には密かに注目していました。 その照ノ富士関が千秋楽に勝ち、優勝決定戦を待たずに優勝に輝きました。 翌日の新聞各紙は、照ノ富士関の優勝を「復活V」といった形で報じています。 家では朝日新聞ほか、日経、産経、地方紙の4紙をとっていますが、同様に報じ […]
  • 女医が増えるのはいいけれど女医が増えるのはいいけれど 一週間前の朝日新聞に「入試差別発覚した女性医学生が増えた」の見出しで、今年度、医学部に入学した女性の割合が初めて四割を超えたことを伝える記事が載りました。 入試の判定に男女の差別があってはならないことです。その入学試験において、女性の受験生を一定の割合で意図的に不合格にしていたことが2018年に発覚しました。 2018年に発覚した医学部不正入試問題 こ […]
  • 5センチの積雪が大雪?5センチの積雪が大雪? 時代が変わると、考え方、表現も変わるということでしょうか? 関東地方は、明日(5日)昼頃からあさって昼前にかけ、天気が崩れ、雪が降る予報です。 それにしても、5センチ程度の積雪を「大雪」と捉えるのはどんなものでしょうか? https://youtu.be/PLgJqF3Xa2k 【関東大雪情報】広い範囲で5cm以上の積雪を予想 大雪が日常的に降る地 […]
  • 1.5倍の死亡増は高齢化だけが原因か?1.5倍の死亡増は高齢化だけが原因か? 今月十日の本コーナーで、今、都市部を中心に火葬場が、これまでなかったほどの大渋滞という異常事態について書きました。 https://indy-muti.com/48281/ 今回はその続編になります。 本日の地方紙一面に、「千葉市 火葬待ち』深刻」と見出しがついた記事が掲載されています。この見出しだけで説明がほとんど必要ないでしょう。 それでも、 […]