翻訳のあれやこれや

このところは、Amazonの電子書籍版で村上春樹の作品に接することをしています。今回は、読み終えた、村上が小説執筆の傍らにする翻訳について思いを語った本『翻訳夜話』2000)を取り上げます。

内容は、村上と翻訳仲間の柴田元幸氏が中心となり、フォーラムの質疑応答、村上と柴田氏の翻訳実例からなっています。

村上は昔から翻訳を自分の楽しみとしてしていたそうです。きっかけは高校時代の英語で、翻訳のテキストにトルーマン・カポーティの作品の一部があり、それを読んだとき、文章が持つ美しさに痺れたというようなことを、本作の後編のような『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』2003)で述べる個所があります。