旅する村上、誰かの金で

このところは村上春樹1949~)の小説や関連本を取り上げることが続いています。今回も村上関連本についてです。

村上が書いた小説を読みますと、ときに格好をつけて書いたような文章に辟易することもありますが、対談でしゃべる村上の生のおしゃべりや、エッセイなどで見せる文章には村上の素の顔があり、憎めない印象です。

今回は、そんな村上の素の文が楽しめる紀行文集『ラオスにいったい何があるというんですか?』2015)です。「あとがき」に本書の成り立ちについて記しています。

出版されたのは2015年ですが、それまでの20年ほどの間に、村上がいくつかの雑誌のために書いた原稿をまとめた本だそうです。内容は、かつて村上が住んだ外国の土地や、旅で訪れたときの様子をまとめたものです。