本更新を始める前、カメラのファインダーを覗きました。カメラは、キヤノンのデジタル一眼レフカメラ(デジ一)のEOS 30Dです。
カメラには、シグマの単焦点レンズ、MACRO 50mm F2.8 EX DGがつけてあります。50ミリのレンズは、フィルムの時代から、私が最も好きな焦点距離のレンズです。
このレンズをつけたEOS 30Dは、35ミリフルサイズより、キヤノンの場合は1/1.6小さい、APS-Cサイズの撮像素子が搭載されています。ニコンなどでは、1/1.5小さいサイズとなります。
35ミリフルサイズ用のレンズをAPS-Cサイズの撮像素子を使うカメラで使うとき、よくいわれるのが「35ミリ換算」です。
たとえば、50ミリの焦点距離であれば、キヤノンの場合は1.6倍した80ミリというようにです。
私が初めて購入したデジ一は、キヤノンのEOS Kiss X2でした。このカメラはエントリークラスのカメラで、撮像素子はAPS-Cでした。
購入前に、ネットの「価格.com」のクチコミ掲示板を読み、APS-Cで50ミリのレンズを使ったら、キヤノンは80ミリ相当になるのか、と想像していました。

しかし、そのカメラを手にし、50ミリのレンズをつけたとき、50ミリの焦点距離に見えたのには驚かされました。なんだ、APS-Cにつけても、50ミリは50ミリじゃないか、と。
考えてみれば当たり前のことです。撮像素子のサイズが変わるたびに、レンズの焦点距離が変わるわけがないからです。そうです。50ミリのレンズは、APS-Cのカメラで使おうと、50ミリのままです。
私はフィルムの時代から50ミリのレンズばかり使っていたため、この焦点距離で結ばれたファインダーの映像が頭に焼き付いています。
50ミリのレンズは「標準レンズ」とされています。
私の理解では、人間の肉眼に近い画をファインダーに結ぶからだろと考えます。被写体との距離が、人間の眼に極めて近いです。肉眼で見たのと同じ被写体の大きさが、50ミリのレンズをつけたときのファインダーで確認できます。
APS-Cのカメラに50ミリのレンズをつけ、ファインダーを覗くと、50ミリ以外の焦点距離のレンズには見えません。APS-CのEOS Kiss X2に50ミリのレンズをつけて、初めてファインダーを覗いたとき、50ミリそのままに見えたので、驚くと同時に戸惑ったわけです。
35ミリフルサイズとの違いは、焦点距離はそのままに、ファインダーで見える範囲と、実際に撮影できる範囲が、35ミリフルサイズの、キヤノンの場合は1/1.6であるということだけです。
そんなわけで、APS-CのEOS 30Dにシグマの50ミリのレンズをつけていますが、感覚としては、80ミリではなく、50ミリのレンズです。
それにしても、いつから、35ミリフルサイズ換算という考え方が一般的になったのでしょうか。個人的には意味のないことだと考えています。
ここまでに書いてきたように、サイズが異なる撮像素子が搭載されたカメラで使う場合も、焦点距離に変化はないからです。
変化があるのは、見える範囲と実際に写る範囲です。
このあたりのことは、ミラーレス一眼カメラ(ミラーレス)よりも、常にファインダーを自分の眼で確認できるデジ一の方が理解しやすいです。
今、また、EOS 30Dのファインダーを覗いてみました。50ミリのレンズは、どこまで行っても50ミリのままです。当たり前のことです。
35ミリ換算などする必要を感じません。