『東京物語』創作の工夫

前回の本コーナーは、生誕120年を記念するように、映画監督・小津安二郎の代表作が衛星放送で放送ラッシュとなっていると書き、小津の誕生日であり命日でもある今月12日に、NHK BSで放送された小津の代表作、『東京物語』1953)について書きました。

その更新では、粗筋もほとんど書かず、撮影当時49歳だった笠智衆19041993)が、60歳過ぎの老人を見事に演じたことなどを書きました。

本更新では、『東京物語』に限らず、小津作品に特徴的な映像表現と、巧みな効果音の表現について書くことにします。

小津監督について書かれたネットの事典ウィキペディアに、「180度破り」という項目があり、興味深く読みました。

小津の映像といえば、多くの人が思い浮かべるように、低い位置に固定した安定したカメラポジションが特徴的です。無暗にカメラを振るようなことはまずありません。

小津安二郎監督作品放送ラッシュ

今年は、映画監督・小津安二郎の生誕120年になります。

小津が生まれたのは1903年12月12日です。そして、亡くなったのは、還暦の年、60歳になった日の1963年12月12日です。

本日の豆知識
小説家の山本周五郎が小津と同じ年に生まれています。「明治36年」とネットの事典ウィキペディアにあったのを見て気がつきました。
山本の本名は「三十六」と書いて「さとむ」でした。山本が明治36年生まれだったため、この名がつけられたとウィキペディアにあります。

こんな風に生まれて、こんな風に死のうと考える人はいませんが、そのように考えても、このように人生を終えられる人はきわめて稀です。

生誕120年ということは、没して60年目であることがわかるのも小津らしいといえましょう。

区切りの良い年には何かしらのブームが起きます。また、それを利用する動きもできます。小津もそれを利用され、本人には与り知らないところで、今、小津の代表作が、衛星放送で放送ラッシュとなっています。

今週火曜日(12日)にはNHK BSの「BSシネマ」の時間枠で、小津の代表作である『東京物語 デジタル修復版』(1953)が放送されました。