本日、また、『自画像』を新たに描きました。結果的には実験的な描き方になり、それなりに得るものがありました。
はじめは、油絵具ではなく、アクリル絵具で描き始めました。そのため、使用した支持体は、ポストカード大の紙です。
厚紙にこの紙をとめ、下地にジェッソを塗り重ねて乾かしてありました。
NHK-FMのリクエスト番組『サンセットパーク』(番組名が変わる前は、「夕べの広場」や「夕べのひととき」の番組名でリクエスト番組を放送しており、その時間帯の番組に私は1983年以降、「サンセットパーク」が終了する2011年3月末までリクエストを続けました。)宛に葉書でリクエストしていた頃は、ほぼ必ず、葉書に、リクエスト曲にちなんだような絵を描きましたが、そのときは、今日と同じように、下地を塗ったポストカードにアクリル絵具で描きました。
『サンセットパーク』は最後の頃はファックスや、ネット上からもリクエストできるようになり、葉書でリクエストすることはなくなりました。
アクリル絵具を知らない人に簡単な説明をしておきます。
米国で生まれた新しい絵具で、絵具は水で溶いて描くことができます。絵具はすぐに乾くため、油絵具と違い、塗り重ねが簡単にできます。
速乾性は短所ともなります。絵具の乾きが速いため、広い面を同じ色で塗ろうとしたら、あらかじめその色を多く作っておかないと、均一な色面にすることが難しくなります。
個人的にはそのような描き方をしたことがありませんが。
リクエストカード用の絵を描いていた頃は、暗部に絵具を透明度を高くして使い、明部には絵具をあまり水で溶かず、不透明に使いました。
また、明部の絵具が乾いた上に、透明な絵具を水でさらさらに溶き、薄く塗り重ねました。これは、昔の巨匠が油絵具を使って行った技法の真似事で、英語ではグレーズ、フランス語ではグラッシといいます。
こんなアクリル絵具を使い、鏡に映る自分の頭部をポストカードに2時間程度で描くつもりで始めました。
例によって、部屋の採光が良くないため、陰になった部分が多いです。これを透明な描き方で描いたのでは、思ったような色が出ません。
そこで途中から、油絵具で加筆し始めました。
油絵具だからといって難しく考える必要はありません。便利に使えるのであれば、アクリル絵具でも油絵具でも、思ったように使えばいいのです。
油絵具は乾きが遅く、気の済むまでパレットで混色ができます。
ちなみに、下のパレットは、今日、実際に使ったものです。描くのを終えた時点で写真を撮りました。

サイズが小さいため、7、8割がた出来上がりました。これを一度乾かし、もう一度手を入れて、完成させることにします。
小さなサイズのボードや紙であれば、戸外で風景を描いたりするのもいいかもしれません。安定して晴れる日に、短時間にアラプリマで描けば、天候や時間の変化に悩まされずに描き終えることができるでしょう。