ヘヴン(リサ・ニルソン)

独特な作風で知られる棟方志功(むなかた・しこう)は、生前、このようないい方をしていたそうです。「わだは(私は)自分の作品に責任を持たない」。彼は自分を無責任だ、といっているのではないのだと思います。▼宗教の世界には“他力道”(「ウィキペディア>他力本願」)というのがあるそうですが、彼はまさにそれを実践していたのではないでしょうか。つまり、人間というものは本来ちっぽけなもので、そのひとりの人間が創り出せる作品もタカが知れている。従って、もっと大きな力、“他力”に自分をゆだねることによって初めて自分を超えた作品を生み出せる。そんな風な考え方かもしれません。▼「自分の言動には責任を持て」とはよくいわれることですが、責任を持とうとするあまり、結局当たり障りのないことばかりいっているのだとしたら、それはそれでつまらないことだ、とも思います。時には“他力”に責任をゆだねてみては_。

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