前回に続き、酒井順子氏(1966~)が、松本清張(1909~ 1992)の作品に登場する女性を彼女の視点で分析した『松本清張の女たち』からの話題です。
本書はまもなく読み終わります。
本書では、女性が良くも悪くも「活躍」する作品を抽出し、そこで見せる女性たちの行為と、それを描いた清張の考えなどが推測されています。
清張作品の全貌を知らなければ、とても一冊にはまとめられません。私も清張作品にはそれなりに馴染んでおり、読んだことがある作品が多く登場します。
しかし、私の場合は読み終わると内容を細部まで憶えていません。ですから、酒井氏の本書を読み、あの場面はそうだった、と思い返すことの連続です。
清張の作品は、登場人物が、有名無名にかかわらず、全国各地へ移動するのも特徴のひとつです。それは、好奇心が旺盛で、自分の知らない土地を自分の眼で確認したいという清張の心持ちが反映された結果といえましょう。
ひとりっ子で両親と一緒にいなければならない宿命のようなものがありました。それだから、成長すると、暇を見つけては、ひとりでぶらりと、かつて本で読んだ山や湖を見るために現地へ出かけることをしたそうです。
