ヘンリーとマーサのソフィスティケイテッド・コメディ

9月30日、ある米国映画がBSプレミアムで放送されることを知りました。私はその映画をこれまで見たことがなく、作品名さえ聞いたことがないように思いました。しかし、番組紹介の粗筋を読むと、興味が持てそうに思い、録画して残しました。

『天国は待ってくれる』という作品です。

米国で公開されたのは、先の大戦中の1943年。日本の元号でいえば昭和18年です。当時の日本国民は、軍部の教育によって、「鬼畜英米」を植え付けられていたので、敵国が作った作品は内容がどんなに優れていても、見ることは敵いませんでした。本作が日本で公開されたのは、かつての敵国、米国に遅れること47年の1990(平成2)年です。

こんな事情もあってか、本作は日本であまり知られていない(?)ように思わないでもありません。

本作について記述するネットの事典ウィキペディアで確認すると、本作のような表現スタイルは、「ソフィスティケイテッド・コメディ」というらしいです。

男女の気の利いた会話を軸に展開される都会的なコメディのことをいうらしく、なるほど、まさにそんな作品です。ちなみに、このタイプの代表作のひとつとして、私が大好きな『アパートの鍵貸します』1960)が上げられています。