写真撮影時の露出に関する覚え書きです。
写真を趣味とする人で、いつもはカメラに露出を任せている人も、たまには、自分で露出をコントロールするマニュアル露出を使うことをお勧めします。
私が今使っているカメラは、キヤノンのミラーレス一眼カメラ、EOS RPです。このカメラに、RFマウント用キヤノン純正レンズのRF28mm F2.8 STMをつけて使うときは、露出モードを半オートのFvモードにしたりします。
それで、いい感じの露出が得られることもあります。しかし、カメラに搭載されている露出計は反射光式なので、光が当たった面の色の影響を受け、適正な露出が得られません。
そんなことが続くと、フィルムカメラの時代にお気に入りレンズとして使ったヤシカ・コンタックス(ヤシコン)用カール・ツァイス、プラナー50mm F1.4につけ替えます。

ヤシコンマウントをRFマウントへ変換するマウントアダプタを使えば、オールドレンズをEOS RPでも使えます。
上に貼っている画像は、プラナー50ミリにヤシコンマウントをキヤノン EFマウントへ変換するマウントアダプタをつけたのち、EFマウントをRFマウントへ変換するマウントアダプタで、EOS RPに装着する例です。
オールドレンズを使うときの露出モードは、ISO感とF値、シャッター速度をすべて、適正な露出になるよう、使用者が自分で組み合わせる必要があります。
ISO感度をオートにして手抜きをしようと試みますが、私が使うEOS RPは、ISOオートにすると、露出がオーバー気味に暴れるので使えません。
マニュアル露出で何度も撮影すると、似たような光の状態のときに、どのような組み合わせが使えるか少しずつ覚えることができます。
たとえば、蛍光灯だけの灯かりの下で、我が家の愛猫のおてんばちゃんを撮ろうとする場合は、次のような組み合わせにします。
ISO感度 | ISO1600 |
F値 | f/4 |
シャッター速度 | 1/100th |
それぞれの設定を少しずつ変更することで、無限の組み合わせが得られます。
次のような組み合わせでも、蛍光灯下で適正な露出が得られます。
ISO感度 | ISO400 |
F値 | f/2 |
シャッター速度 | 1/100th |
この場合は、シャッター速度が1/100秒で固定されています。この条件では、ISO感度とF値の組み合わせで露出を適正にすることになりまうs。
F値をf4からf2にすると、2段分明るくなります。それをISO感度で補うため、ISO1600より2段低感度のISO400にするといったあんばいです。
ISO感度とシャッター速度は、1/2か2倍かでわかりやすいです。F値は独特で、1.4、2、2.8、4、5.6、8、11、16が1段ごとの変化になります。
晴れた日に戸外で撮る時は、「感度分の16」をそのまま使ったり、自分なりにアレンジして使うことも有効な手段となります。
「感度分の16」をアレンジすることで、屋外でスナップ写真を撮るがとても楽になります。
たとえば、ISO感度をISO250、シャッター速度を1/250秒に固定します。あとは、自分の望む画面の明暗になるよう、F値を調節するだけです。
こんなときは、撮影結果が、電子ビューファインダーで撮影前に確認できる、ミラーレス一眼カメラが威力を発揮します。
露出を決めるうえで肝となるのはISO感度の設定です。
フィルムの時代は、フィルムを装填した時点でISO感度が決定されました。ポジフィルム(リバーサルフィルム)のコダクローム64を使うなら、ISO64といった具合にです。
デジタル時代になり、ISO感度が自由に変更できるようになったことは、便利であるようで、少し困ったことになったりもします。ISOオートにすると、光の状況に応じ、ISO感度が目まぐるしく変化してしまうからです。
そうなると、露出決定の「土台」がぐらぐらするようなものです。ぐらつく「土台」に、F値とシャッター速度の組み合わせ変更が求められます。
デジタルカメラを使っても、ISO感度を自分で任意に「固定」することで、デジタル時代にも、フィルム時代の感覚で写真を撮ることができます。
私には、マニュアル露出が、間違いがなく、使っていて楽です。