「太陽を盗んだ男」:カーチェイス(音楽:井上堯之)

リクエストカード(261-1)
リクエストカード(261-2)
リクエストカード(261-3)

山本さん、こんにちは。今回は「今年の1本・邦画編」宛てということでお願いします。▼テーマを勝手に拡大解釈し、年末年始の時期に私から皆さんにお薦めしたい邦画として本作を選んでみました。もちろん、今年も手持ちのLD(=レーザー・ディスク)で観ています。このほど、映画雑誌が選んだベスト10でも7位にランクされています。▼主人公は中学校で理科を教える独身の教師。化学への興味がそうさせたのか、原子力発電所に忍び込んでプルトニウムを奪取し、たったひとりで原子爆弾を作り上げてしまいます。当時、原爆を保有する国は8カ国あり、自分が9番目の原爆保有となり、自分を「9番」と称したりします。▼そのように原爆を作ってみたものの、そのあとどうしたいのか自分でもわからず、テレビの巨人戦の放送時間を「延長しろ」などとわけのわからない行動に出てしまったりします。このように、作品の作りはシリアスではなく、むしろコミカルな味わいを持っています。主演の沢田研二がもっとも脂がのっていた時代。妊婦に変装するシーンもあります。(2に続く)


【メッセージ2】:(1からの続き) 今回のリクエスト曲は、スポーツカーで疾走する場面に使われています。日本でおそらく初めて採用されたヘッドライトを格納できるスポーツカー(マツダ・RX-7)で警察の追跡を振り切るように走ります。それを空から撮影したりしていることで、作品が作られた19789年の東京の街の情景を愉しむ味わいもあります。私はそのシーンが好きです。▼スポーツカーの助手席にはラジオ番組のDJをする女性(沢井零子=池上季実子)。自分が持つ番組では名前をもじった「ゼロ」を名乗っています。原爆を作った男が「9番」。そして、彼女が「0(=ゼロ)」。そういえば、当時の巨人軍の監督だった長嶋さんの背番号は「90番」。▼原爆で何をしたいかわからなくなった9番は、ゼロがパーソナリティをする生番組に電話で出演します。そこで、「何でも好きなことが実現できるとしたら、あなたは何をしたいか?」と問題提起し、それを聴いていたリスナーに大きな反響を巻き起こします。その中のひとつに、「ローリングストーンズ武道館公演実現」があったのでした。(→3に続く)


【メッセージ3】:(2からの続き) 一度は国家警察側に渡ってしまった9番がたったひとりで作った原子爆弾。それを自分の手に再び取り戻した9番。原爆を載せたスポーツカーを走らせます。▼助手席には何の因果か縁のできた人気DJのゼロ。ゼロは世紀の出来事をラジオの電波に乗せようと試みます。ゼロはいつの間にか9番の共犯者。ひょんないきさつから9番との間に関係ができ、今では恐いものなし。ふたりは恋人同士というわけではありませんが、ふたりを乗せたスポーツカーが疾走する場面は、まるで恋愛映画のワンシーンのようです。▼そのシーンに流れる井上堯之の音楽がムードをたっぷり盛り上げます。スクリーンの中の9番とゼロは犯罪者なのに、クールで、それを観る観客は、気がつけばいつの間にかふたりを応援していたりするわけです。▼話の展開はハチャメチャで、9番を追いつめる鬼警部(山下満州男=菅原文太)が不死身の体を持つなど、何でもありの世界が描きたいように描かれています。年末年始に日頃の憂さを晴らすには絶好の1本といえるでしょう(^◇^;)


【番組サイトのリクエスト・フォームから書き込んだ追加メッセージ】:以上、山本さん、もしよかったら番組でかけてください。ただ、ちょうど1年前ぐらい(?)にこの作品から一度リクエストしていますが、その時はかかりませんでした。もしかして、NHKにこのオリジナル・サウンドトラック盤がないのでは? と心配していますが、放送がある木曜まではまだ時間があります(※メッセージを書き込んだのは8日午後)。いい曲ですので、何とか粘ってよろしくお願いします(^_^;

番組で私のカードが紹介された部分の音声ファイル
(※私のカードを読んでくださっているのは山本由布子さんです)

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