不思議な運命のめぐりあわせ

家族だからといって、仲良く暮らしたり、離れて暮らす家族を常に大切に想うとは限りません。

小説家もそのあたりは同じで、たとえば、村上春樹1949~)は父と不仲だったと聞きます。そのことは、彼が書く小説の通奏低音になっている(?)かもしれません。

同じ小説家であっても、宮本輝1947~)は村上とは対照的といえましょう。

宮本の作品を私は多く読んでいませんが、彼の随筆や、彼のこれまでの人生を振り返る新聞の文章などを読みますと、両親への感謝や愛情に溢れ、それを疑うことはまずありません。

逆の意味で、それは不思議に感じられるほどです。