以前の本コーナーで、眠る前の時間の過ごし方について書きました。
そのときにも書いていますが、私の生活時間は、一般的な人に比べて3時間程度ずれています。午前6時に起床し、午後9時に就寝する人を一般的な人の生活時間と考えてのことです。
私は毎日午前2時半頃に起き、午後6時頃には眠る習慣です。ですから、眠る前の1時間は午後5時台になります。
そのときどきでその時間の過ごし方が変わります。本を読むこともあれば、録画したテレビ番組を見たり、YouTubeの動画を見たりして過ごすこともあります。
ここ数日は音楽を聴いて愉しむことをしています。しかも、音源はコンパクトディスク(CD)やネットのストリーミングサービスなどのデジタル音源ではなく、アナログレコードです。
少し前の本コーナーでアナログレコードについて書きました。それを書くきっかけが、アナログレコードを聴き、その音の良さに驚いたことでした。
デジタルとアナログの音を厳密に比較すると、アナログがデジタルに劣ることは確かにあるでしょう。しかし、耳で聴き、スピーカーから発せられる音圧などを体で受けながら聴くと、デジタルの音とは違う「何か」が感じられます。
その正体が何かは、私は専門的な知識を持たないのでわかりません。
デジタルとアナログということでいえば、デジタルカメラで撮った動画と、フィルムで撮影した映像には、眼で見てすぐにわかる違いがあります。
この場合も、扱いやすさではデジタルが勝ります。今は商業映画もデジタルで制作し、映画館でもデジタルで上映することが進んでいると聞きます。
ただ、デジタルで撮った映像はビデオ映像そのものです。そのまま上映してしまったら、映画館のスクリーンでテレビ番組を見せられているのと変わりがありません。
そこで、編集の過程で、フィルムの映像に近づけることをしているでしょう。しかし、どれだけフィルムに近づけても、フィルムで撮影した映像とは違う面がどうしても残るのではありませんか。
フィルムというのは物質です。物質には物質の特徴があります。
フィルムの表面をどこまでも拡大して見ると、粒々としているのがわかります。デジタルはデータの集合体ですから、そうしたものは存在しません。
デジタルをフィルムに近づけようとして、フィルムの粒状を真似ようとしますが、真似できるものではありません。フィルムは一本ごとに粒の状態が異なります。
デジタルのほうがフィルムに比べて便利な点がいくらでもあります。しかし、どこまでいっても、フィルムが持つ味わいを表現することはできません。
同じことが音の場合もいえるのではないでしょうか。
クリアさでいったら、デジタルが勝るのだと思います。しかし、逆のいい方をすれば、均一にクリアでないことがアナログの強みとなるように思います。
アナログのレコードで音楽を聴くと、どこまでイメージしてもらえるかわかりませんが、いい意味で、ザラッとした肌触りのようなものを私は感じます。
その「風合い」というものは、デジタルでは再現できないのではないでしょうか。その風合いを味わいたければ、音質的には劣るのであろうアナログレコードで音楽を聴くよりほかなくなります。
私は昨日と一昨日は、キッド・クレオール&ザ・ココナッツというグループが1987年に発表した『バスルームでダンス』と邦題がつくアルバムを聴きました。

私は白人のストレートなロックというものがあまり好みではありません。これは昔から一貫しています。その一方で、ブラックミュージックや民俗音楽的なものが好きです。白人であっても、ヨーロッパの、あまりメジャーでない女性ヴォーカルの曲は好きです。
彼らの音楽は単なるダンス・ミュージックではありません。民族音楽的要素があることが気に入り、彼らのアルバムは他にも何枚か持っています。
一昨日にA面を聴き、昨日はB面を、オーディオのスピーカーで聴きました。
確認していませんが、同じアルバムをCDになっているかわかりません。CDになっていれば、CDでも持っているでしょう。彼らの音楽が好きで、他にも何枚かアルバムを持っています。
昨日は本アルバムのB面を聴きましたが、4曲目に”Boxed Out”という曲が収録されています。
元々が中南米のキューバの民族楽器であるとされるコンガという打楽器があります。
おそらくはその音だと思いますが、始まりから、その打楽器で軽快なリズムを刻んでいます。
本曲がネットの動画共有サイトのYouTubeにあったので上に埋め込みました。YouTubeで聴くのですから、デジタル音源になります。YouTubeで本曲を聴いてしまうと、私が昨日驚いた感激は味わえません。
私が驚いて感激したのは、コンガと思われる打楽器の音が、自分のすぐ眼の前に迫ってくるように感じたことです。その音に自分の手が届きそうなほどとても生々しい音です。
私が感激したコンガのリズムは、残念ながら、CDでは再現できないのではないかと思っています。アナログレコードをスピーカーから再生させるしかありません。
そのようにして聴いていると、音の周波数がどうのといった小難しい理屈はどうでもよくなります。デジタルとアナログに音の違いがあるとしたら、本曲はアナログでしか味わえません。
本アルバムが気に入ったので、これから数日は、寝る前の時間に、A面とB面を一日ごとに聴くことにします。
それに飽きたら、彼らの別のアルバムか、別のアーティストのアルバムをアナログレコードで聴くことにします。
