700冊にも及ぶ松本清張(1909~ 1992)の作品から、女性の登場人物に絞って分析し、解説した酒井順子氏(1966~)の『松本清張の女たち』を読み終えました。
本書からはこれまでに二度、本コーナーで取りあげました。今回が三回目で、しかも連載です。なにやら、清張を倣い、私も何かに連載でもしている気分です。
清張が自作で描く人物は、性別に関係なく、予断を持たずに書かれます。
酒井氏の本のあとがきに次のような記述があります。それが、清張作品の本質であり、根幹であるように思われます。
お嬢さんだからといって、全てが清いわけではない。エリートだからといって、常に正しいわけではない。どんな人の中にも、黒い欲望、黒い傷、黒い不幸が隠れている。……これは、全ての清張作品を貫く確信である。同時に全ての人々の身に覚えのある確信であるからこそ、清張作品は人々の心を摑み続けた。
酒井順子. 松本清張の女たち (p.211). 新潮社. Kindle 版.
同じことは、僭越ながら、私も昔から感じています。
