岡本綺堂の短編小説に『池袋の怪』があります。読んだことはありますか。
話は、安政の大地震の翌年に起きた事として始まります。このことから、長く続いた江戸時代後期のことが書かれているのがわかります。
その頃に、武家の屋敷で、怪異なことが次々に起きたとされています。
たとえば、麻布にあった某藩邸では、カエルが座敷に這い出るといった具合です。それが幾日も続き、数が増えたりするのですから、どうしてこんなことが起きるのだろう、と思わずにはいられないでしょう。
またある屋敷では、屋敷内にいるのに、どこからともなく、小石がひょいと飛んで来るといいます。人に危害を加えないからいいものの、謎が謎を呼ぶ出来事ではあります。
綺堂が書く作品の中で、江戸時代に起きたそれらの怪異が、『耳袋』という書物に収められていると書かれています。その記述を読み、少し前に、朝日新聞にあった書評を思い出しました。

