河童と化け狸を味方につけた武士の話

誰にも得手不得手があります。

私は昨年3月まで、時代物の小説や映画を不得手としていました。映画もテレビドラマも時代物は敬遠したため、人気ドラマの『水戸黄門』さえ、見たことがない有様です

外国物でも同じで、西部劇や歴史物は今も進んで見ることはありません。

この傾向が昨年変わりました。きっかけは、Amazonの電子書籍を介して、時代物を得意とする作家の作品に接したことです。

岡本綺堂の一連の作品です。私は昨年、綺堂の作品を読むまで、読んだことがありませんでした。それが一度読んだだけで綺堂の虜となり、今再び、綺堂作品に熱心に接しています。

綺堂は明治5(1872)年、東京・高輪にある泉岳寺近くで生まれ、昭和14(1939)年に66歳で没するまで、東京で過ごしています。

私は綺堂の作品に接したあと、『半七捕物帳』の作者であったことを知った有様です。