前回の本コーナーでは、デジタルカメラを使って撮影するときの露出設定について書きました。
その中で私は、露出決定の三要素であるISO感度、F値、シャッター速度をすべて任意に設定するマニュアル露出が望ましいものの、より手軽にするため、ISO感度だけをオートにし、最終的な明度の調節を露出補正でする方法について書きました。
このやり方が有効な条件もありますが、実際にやってみると、ほぼ使えない条件もあることがわかりました。
昨日の午後、強い陽射しが照りつける庭でそれを実感しました。
ISO感度をオートにし、露出補正で最終的な明度を調節しようとするのですが、目に見えて、露出が補正されている感じがしません。結局のところ、光が強すぎるため、そのような挙動になったのだろうと考えました。
仕方がないので、これまでどおり、ISO感度のオートをやめ、自分で任意に設定するやり方に戻しました。結果的にはこのほうが自分には扱いやすいです。
そのあと、色の表現でひとつの「実験」をし、個人的には良い感触を得ました。
フィルムを使って撮影した時代は、フィルムを選んだ時点で、色の表現は決まりました。デジタル時代の今は、自分で色をコントロールできます。
とはいっても、通常は、ホワイトバランスとピクチャースタイルを、インプットされているものから選び、その結果に従う人が多いのではなかろうかと思います。
色の好みは人それぞれで違うでしょう。
私は、ソニーのα7 IIをつかっていたとき、α7 IIが提供する色味が好みであると本コーナーで書きました。人によってはそれを嫌う「マゼンタ寄りの色味」です。私はそれを好ましく感じました。
逆に、クールですっきりした色味は好きではありません。コクのある、温かみのある色合いが好きです。
動画の色編集に興味を持ったとき、フィルムルックの色合いにするため、「ティール&オレンジ」にする方法を動画で紹介するものを見たことがあります。
暗部を青緑色にし、肌をオレンジ色っぽく表現する色のデザインです。私はこれが好みに合いませんでした。緑とオレンジは補色の関係にあります。しかし、暗部を青緑っぽくするというのが、自分の好みからは外れていました。
今の映像の作り手がその色のデザインを好む人が多いのかもしれませんが、昔の映像作品を見ると、それを強調したような色作りをした作品を私は思いつけません。
私は昨日、自分の好みの色にしようと考え、ちょっとした「実験」をしました。
私が使うEOS RPでは、ピクチャースタイルに、自分が設定したユーザー設定を登録できるようになっています。
設定できるのはシャープネス、コントラスト、色の濃さ、色合いです。中でも、色の表現を左右するのが色合い、つまり色相です。これを、ひと目盛り分、マゼンタ寄りにしてみました。
それで庭の景色を撮りました。撮れた写真を見ると、ソニーのα7 IIで感じた好みの色合いに近いものを感じました。個人的には好みです。
色の濃さもひと目盛り分強めにしました。
そしてこれが一番重要なことですが、撮影するときは、露出を絞り、アンダー気味に撮ることを心がけています。こうすることで、自分好みの明度と色相にできるように感じています。
こんな「実験」ができるのもデジタルカメラだからです。フィルムの時代にはできなかったことを、自分なりにいろいろ試すことにします。
