2009/06/25 ニコン製レンズをつける動画

個人が持つ行動パターンは、本人がそれを隠そうとしても自ずと明らかになってしまうものなのでしょう。まあ、ひと口に行動パターンといいましても、人間は複雑な生き物ですから、自分がまったく気づいていないものも含め、ひとりの人間の中で複雑に織り合わさっているものなのでしょうけれども。

私にもそのように分類ができる行動のパターンというものがあるでしょうが、自覚しているパターンのひとつがこのところ自分でも気づくほどに顕著です。「ひとつのことを始めるとしばらくの期間同じような行動を続けてしまう」行動パターンです。

先日(22日)の本コーナーで自作の動画を紹介したばかりですが、昨日と今日の2日間をかけてまた新作動画を制作してしまいました。内容は、前回分の“続編”のようなものです。もしもお時間がございましたら、私の動画に目を通していただければと思います。

マウント・アダプタでニコンのレンズを楽しむ

この動画作成のきっかけとなりましたのは、新たなマウントアダプタを入手したことです。

ご存じない方のために説明をしておきますが、フィルム一眼レフカメラもデジタル一眼レフカメラ(デジ一)も、レンズが交換できる性格を持つカメラでありながら、他のメーカーの気に入ったレンズを自由に装着して撮影が楽しめるわけではありません。

基本的には、カメラのボディを製造・販売するメーカーのレンズおよびそれに準じて製造・販売されているレンズ・メーカーのレンズのみが使えるようになっています。ということで、私が使っていますキヤノンのデジ一で、たとえばニコンのレンズを使ってみたいと思っても、通常は使うことができません。

そんなユーザーの望みを叶えてくれるのがマウントアダプタです。

具体的には、そのアダプタを使用したいメーカーのレンズの後部に取り付けることで自分が使うカメラ用のマウントに変換でき、使用することができるようになるというわけです。

この便利なマウントアダプタですが、それが一番充実しているのがキヤノンの「EOS」シリーズで、そのことが私が同社のデジ一を選択する最大の理由となりました。

初めてのデジ一を手に入れるのとほとんど同時に、当初からの予定通り、デジタルで活かせずにあったヤシカ・コンタックスカール・ツァイス・レンズのためのアダプタを買い求め、長年の念願を果たしました。

2000年に亡くなった私の父は、カメラを数少ない趣味にしていました。父が使っていたのはニコンの一眼レフカメラです。

そのカメラのために買い揃えたレンズは50ミリ、105ミリ、43~86ミリの3本です。そのレンズを私のデジ一でも使ってみたいと考えていましたが、この2カ月ほど、ほかのことに手一杯で、実現のために行動を起こすことはせずにいました。

それが、ここへ来て余裕が出てきましたので腰を上げました。まあ、大げさな書き方をしてみましたが、私がしたことはニコン社製のレンズを私のデジ一に取り付けるためのマウントアダプタを買い求めたことだけです。

ただ、父のレンズのうち、一番試してみたかった50ミリの単焦点レンズ「Ai Nikkor 50mm F1.4S」には問題がありました。

像を結ぶ大切なレンズ部分にカビがしっかり生えてしまっていることです。生えた原因は、湿気が多い状態で保存してしまったことです。おそらくはカメラバッグにこのレンズをつけたままのカメラを長いこと入れてあったりしたことがカビ繁殖の原因となったのでしょう。

その父の形見ともいえるニコンのレンズを自分のデジ一に取り付けるためのアダプタが届き、早速装着して試し撮りしてみました。いかにもニコンらしいといいますか、ナチュラルな写りをすることにちょっと感動しました。

カビの影響はまったくない、といいたいところではありますが、そんなことはありません。たとえば、愛犬を撮影した画像などは、愛犬が少々白く霞んで写っています。まるで、薄霧の中で撮影したかのようです。そうではあっても、さすがニコンといいますか、シャープで瑞々しい画像も得られるのです。

女性のポートレイトを撮影する際は、肌が実物以上に綺麗に見える撮影をするよう推奨されます。その意味は、毛穴がわかるほどハッキリくっきり撮影してしまっては、モデルを務めてくれた女性に嫌がられてしまうからです。

いくつになっても女性の気持ちは肌と同じほどデリケートです。ありのままに映し出された肌が、モデルをしてくれた女性の感情を逆撫でしてしまっては二度とモデルをしてはくれないでしょう。それで、レンズの前に紗をかけたり、レンズの表面に脂を塗ったりするなど、男性写真家は苦労したりするのです。

ということであれば、このカビの生えた大口径レンズは、女性のポートレイトを撮影するのには打ってつけ、かもしれません。不必要なリアルさを飛ばすための小道具の代わりをカビが果たしてくれるからです。しかも、F値は明るいF1.4。欠点は逆にこのレンズの強みとなってくれそうです。

そんなこんなで、今、私の中ではニコンのレンズに対する関心が高まっています。とりあえずは、父が残してくれたカビ付きも含む3本のレンズを使いますが、そのうちに、カビの生えていない50ミリか35ミリの単焦点レンズが欲しくなってしまうかもしれません。

以上、本日は、新作動画の紹介をしながら、ニコンのレンズの魅力について書いてみました。

やはり、一眼レフカメラは、ボディの性能もさることながら、写真の「入り口」であるレンズがいかに大切であるかを再認識しているところです。

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