AI検索と人間の思惑

ここ数年で飛躍的な進歩を遂げたと多くの人が認識するのがAIです。国内外の投資市場でも、AI関連が驚異的な値上がりをしています。

世の中の人もAIに注目し、先走りして、AIが既存の仕事を奪うといった見方をする人たちもいます。

そんなAIブームの中、私は本コーナーで、AIに対して持つ漠然とした不安を書いたことがあります。

AIが導き出すことを「神の啓示」のように盲目的に信じてしまうことが利用される可能性への懸念です。AIがいうことが全部正しいと人々が信じれば、そのAIを使い、たとえば、権力を持つ者が、自分に都合の良い「啓示」をAIにさせることを考えたりすることが起きはしないか、と。

昨日の本コーナーで、「インフルエンザ脳症」を報じた朝日の記事について書きました。その記事を書いた朝日の編集委員は、インフルエンザを発症したのち、子供を中心に、「インフルエンザ脳症」を起こすことについて、専門家の意見も交えて伝えています。

その記事を素直に受け止める読者は、記事でインフルエンザワクチン接種を推奨しているため、必要のないワクチン接種に導かれてしまう危険性があります。

そのワクチンを普及させたいのは「医療マフィア」です。

私が小学生の頃は、冬になると、学校で「インフルエンザの予防注射」をしていた記憶があります。それは、インフルエンザワクチンであったのかもしれません。

その集団接種を見直す動きが日本でも出たことで慌てたのが、ワクチンを製造する製薬会社です。需要の減少を防ぐために展開されたのが、「高齢者がインフルエンザに感染すると重症化する」という宣伝です。

マスメディアがその宣伝にひと役買っています。このように、マスメディアは昔から、医療マフィアの一員です。

「インフルエンザ脳症」とされている症状の基は、インフルエンザではありません。何らかの原因で熱が出るときがあります。その熱を下げるために服用する解熱剤が脳症を起こすことがわかっています。

昨日の朝日の記事は、「インフルエンザ脳症」をインフルエンザに限定し、解熱剤のリスクについては書いていません。

その更新の中で、ネットで検索して表示される考えを示しました。ネット検索にもAIが取り入れられるようになりました。そこには次のように書かれていると紹介しました。

インフルエンザ脳症のリスクがあるため、アセトアミノフェン以外の解熱剤(ロキソニン、イブプロフェン、アスピリンなど)の使用は避けるべきです。特に、小児にはアセトアミノフェンが安全とされ、インフルエンザが疑われる場合は、まずは医師に相談することが重要です。

それを更新したあと、本検索に対応するAIの回答について、今朝までの間に、ドタバタがあったことを確認しました。

私は今朝になり、昨日自分で更新した内容を確認するため、もう一度、「インフルエンザ 脳症 解熱剤」で検索しました。すると、前日から今朝までの間にAI検索結果が変更されているのに気がつきました。

AIの考え方が、24時間を待たずに変更されてしまうことなどあるのでしょうか?

検索結果の最初に表示される文章は、次のような文章に変わっています。

インフルエンザ脳症のリスクがあるため、アセトアミノフェン(例:カロナール)以外の解熱剤(ジクロフェナクナトリウム、イブプロフェン、アスピリンなど)は避けるべきです。市販薬を選ぶ際は自己判断せず、必ず医師や薬剤師に相談してください。特に子供の場合、自己判断での市販薬の使用は危険です。

「避けるべき解熱剤」の項目では、「アスピリン」の項目にカッコつきで「バファリン」と商品名がありましたが、なぜか消えています。

また、昨日の更新時点では、注意点として次のように書かれていました。

発熱は免疫反応の一部であり、無理に解熱させる必要はありません。

それが今朝見たときは、次のように変更されています。

発熱はウイルスに対する免疫反応の一部です。

加えて、「AIモードでさらに詳しく」の下に、小さな文字で次のように書かれています。

これは情報提供のみを目的としています。医学的なアドバイスや診断については、専門家にご相談ください。AI の回答には間違いが含まれている場合があります。

マスメディアもAIを盛んに持ち上げ、これからはAIが時代をリードするといった伝え方が散見されます。しかし、ネット検索はそれから除外されるのか、「AIの回答には間違いが含まれる場合がある」としています。

AIが積極的に使われることでは、私はこういうことをもっとも懸念しているのです。そのときの「都合」で、AIが正しいとかAIは間違うことがあるといい換えることがされるのではないか、と。

この変更だけでも驚きますが、驚くことはもうひとつありました。

私は、昨日の朝時点、「インフルエンザ 脳症 解熱剤」の検索に対してAIがどのように答えたか確認しようと、ウェブブラウザの履歴から、昨日表示させたAIの回答を確認しようとしました。

すると、昨日の朝私が見たままの画面は表示されませんでした。明らかに、私が見た画面とは違い、別の文言が書かれていました。

最初に表示される文章は、次のように変更されています。

インフルエンザによる発熱時には、アセトアミノフェン単一成分の解熱剤が比較的安全であり、ジクロフェナクナトリウム(商品名:ボルタレンなど)、メフェナム酸(商品名:ポンタールなど)、アスピリン(商品名:バファリンなど)といった特定の成分はインフルエンザ脳症のリスクを高める可能性があるため、使用を避けるべきです。

「避けるべき解熱剤(禁忌薬)」の項目は、昨日の朝見たときよりは充実していたかもしれません。履歴で確認すると、次のように表記されています。

以下の成分を含む解熱剤は、インフルエンザ脳症やライ症候群といった重篤な合併症のリスクを高める可能性があるため、使用を控えるべきです。 

  • ジクロフェナクナトリウム(商品名:ボルタレン、ナボールなど)
  • メフェナム酸(商品名:ポンタールなど)
  • アスピリン(アセチルサリチル酸)(商品名:バファリンの一部製品、PL顆粒など)
  • イブプロフェン(商品名:ブルフェン、市販薬のバファリンプレミアムなど)やロキソプロフェン(商品名:ロキソニンなど)も、特に15歳未満の小児ではインフルエンザ脳症のリスクを上げる可能性が指摘されているため、使用は推奨されていません。 

解熱剤を使用する際は、自己判断せず、必ず医師や薬剤師に相談し、適切な薬を指示に従って使用することが重要です。

ところが、履歴でなく、今朝同じ検索をした結果では、次のように簡略化されています。ずいぶんとすっきりしてしまっていますね。

  • アスピリン
  • ジクロフェナクナトリウム(:ボルタレンなど)
  • メフェナム酸(:ポンタールなど)
  • イブプロフェン
  • 上記成分を含む非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

商品名が削られたものが見られ、「イブプロフェン」の詳しい説明がなくなっています。

また、解熱剤を使用する際の注意書きがなくなっています。

通常は、検索したあとに、時間をおいて同じ検索をして、その違いを確認することは少ないです。私も通常はそのようなことをあまりしません。

今回は私にとっても例外的なことです。しかし、それをしたことで、こんなにも短時間に変化するものなのかと驚かされました。

AIが登場する以前の検索はもっとシンプルなものでした。何かを検索すると、その検索に相応しサイトが選ばれ、主に、利用者が多い順に並ぶだけでした。

それが、AIを検索に利用するようになったことで、検索結果を意図的に操れるようになっているのではと思わせられました。

昨日と本日で、「インフルエンザ 脳症 解熱剤」のAI検索が、二転三転したのか、理由を私は知りません。

もしかしたら、昨日朝日が報じた「インフルエンザ脳症」をネットで検索する人が増え、検索結果を医療関係者が確認し、その表記に慌てた人や組織(製薬会社)があったのではないか、と私は想像します。

検索結果には薬の商品名が表示されていました。たとえば、「バファリン」は、日本ではライオン株式会社の製品です。

19781994 バファリンCM集 with Soikll5

ネットの検索結果はバカにできません。バファリンを服用するのを避ける人が増えれば、その売り上げが落ち、会社の業績にも影響しかねません。

ネットのAI検索の仕組みはわかりません。AIに任せるのであれば、人間の思惑が介在する余地がないように考えます。しかし、今回の動きを見る限りにおいては、AIの判断に人間の思惑が働いているように見えてしまいます。

「避けるべき解熱剤(禁忌薬)」の項目から「(禁忌薬)」が消えています。また、「アスピリン」のあとにあった商品名が削除されています。

私が今朝気がついたこのようなことも踏まえ、朝日新聞には、AI活用の問題点と、AIを利用する一般庶民が持つべきAIに対する考え方といったことを、取材して記事にしてはと推奨しておきます。

そして、昨日の本コーナーで書いたように、「インフルエンザ脳症」の原因をもう一度深く取材し、脳症が解熱剤によって引きおこされている可能性を記事にしてくれるよう求めておきます。