発色の良さを求めて

本コーナーで繰り返し書くように、私は写真を趣味にしています。

私の場合は向上心がないといいますか、これまでに撮ったことがないものを撮ろうとか、写真を上手になろうと考えたことがありません。

だからでしょう。フィルムの一眼レフ時代から今のミラーレス一眼カメラに変わっても、私が撮る写真はまったく変わりません。

身の周りのものが私の被写体です。

写真家の立木義浩1937~)が、NHK教育で放送されていた写真講座のゲストかなにかで出演されたときの話だと記憶します。同じところに長く暮らす普通の個人だから撮れる写真がある、というような話でした。

いや、NHKの趣味講座ではなく、キヤノンがスポンサーだったテレビ番組「写真家たちの日本紀行 未来に残したい情景」20082012)での発言だったかもしれません。

プロの写真家は、さまざまな場所を訪れ、そこを切り取って写真にします。

≪EOS R≫ 立木義浩編/写真家たちのインプレッションムービー 【キヤノン公式】

生まれたときからずっと同じところで暮らすアマチュアの写真愛好家は、長い時間かけて、同じものを撮り続けます。

たとえばあるところに山があるとします。プロの写真家がその土地にふらりと訪れて撮った山は、長年そこに暮らす人が撮る山の写真には敵(かな)わないだろうというような意味だったと私は理解しています。

だから、自分が生まれ変わったら、次はプロの写真家などにはならず、アマチュアで、同じようなものを同じように撮りたい、というようなニュアンスの発言でした。

私の場合は、立木の影響を受けて、同じようなものを同じように長年撮り続けているわけではありません。これ以外、自分にはやりようがないだけの話です。

それでも、毎日、庭に出ては身の周りのものにカメラを向けて写真を撮ることを飽きもせずに続けています。

昨日の関東南部は雲の多い空模様でした。

午前中は、自転車で、歯科医院への往復を二度しました。二度になった理由は、保険証を忘れて行ってしまったからです。一度目の往復は、保険証を取りに家に戻ったためでした。

それは昼前のことです。その頃も雲が多めの空でしたが、まだ、陽射しがあったように記憶します。そのあとは雲が増え、午後は陽射しが届かないような天気でした。

庭に愛猫が二匹いて、のんびり過ごしていたので、それを写真に収めることをしました。

私が使うのは、キヤノンのミラーレス一眼カメラ EOS RPで、レンズはRF28mm F2.8 STMがついていました。ちょっとしたスナップにはこの組み合わせでいいのですが、猫をフレームに大きく収めようとすると、広角すぎて難しいです。

そこで、もっと焦点距離が長い望遠のレンズが欲しくなりました。といっても、私の手元にあるのは、マウントアダプタを介して使うニコンの105ミリのレンズだけです。

ソニーのミレーレス一眼カメラ用に買った24ミリから240ミリのズームレンズも手元にありますが、これは、RFマウントにつけて使うマウントアダプタがないので使えません。

ソニーのカメラでキヤノンのレンズは使えますが、その逆は使用不能です。

ニコンの105ミリレンズは、2000年に亡くなった父の形見です。父はニコンの一眼レフカメラを持っていて、そのカメラで使っていました。

ただ、これをEOS RPにつけて電子ビューファインダー(EVF)を覗くと、発色が冴えないように感じました。ひとつには、昨日は雲が多く、光にメリハリがなかったからもあります。

フィルムカメラであれば、光学ビューファインダーを覗きながら、撮影します。撮影された写真がどのように写ったかは、現像されたフィルムが戻ってくるまでわかりません。

デジタルカメラは、撮る前から、どのように撮れるかがEVFで確認できます。

そのときの設定は、本コーナーで書いたように、ホワイトバランス(WB)は雰囲気優先オートホワイトバランス(AWB)にし、ピクチャースタイルは「忠実」でした。

「現像」の段階でも、メリハリが感じられなかったので、AWBから色温度の5500ケルビン(K)に変えてみました。すると、冴えなかった発色が、俄然魅力的な発色に変化しました。

ピクチャースタイルも「忠実」から「オート」に変更しました。

カラー写真を撮るときは、何といっても、どのような発色になるかが重要です。

雰囲気優先してくれるAWBであっても、万能とはなりません。

色温度を5500Kに固定するのは、フィルム時代に使ったデイライトフィルムを使うのと同じことになります。フィルムの時代には、そのフィルムを選んだ時点で色温度が固定されてしまい、その色温度以外の被写体を撮る場合には、フィルターを使うわなければならないなど、苦労させられました。

そのことがデジタル時代の今は、逆に、有効な色温度設定になるというのがおもしろいところです。

季節が進み、私の家の庭にある木々も、葉の色を暖色系に衣替えし始めています。黄色になった葉の発色が、AWBでは味気なかったのが、5500Kにした途端、魅力的になり、嬉しくなりました。

モノクロームの写真を好む人がいます。私は自分で絵を描くこともあるからか、色のついた写真を好みます。そして、その色がどのように定着されるか、いつも気にかけています。

レンズも発色に影響を与えるのかもしれません。

RFマウントのカメラを使うのであれば、本マウント用に設計されたレンズが、発色の面でも、理に適っているといえましょう。

私がRFマウント用レンズとして持っているのはRF28ミリだけです。これを使って撮る写真が、一番発色が好ましいように感じます。

Canon EOS RPにRF28mm F2.8 STM

できることなら、RFマウント用レンズを、もう一本は欲しいと思い始めました。