タイムコードとドロップフレーム

ネットの動画共有サイトYouTubeに上がっていた次の動画を興味深く見ました。

ドロップフレームにするか、それともノンドロップフレームにするか?

この配信者が、本動画の前に配信した動画も見ました。そこでは、世の中には30fpsで撮影できるカメラはないと述べ、すべてが実は29.97fpsであると語っています。

今は動画撮影が一般的になり、スマートフォンで動画を撮影する人も大幅に増えたでしょう。

私はスマホは持っていないので、スマホで撮る動画のフレームレートがいくつかは知りません。

おそらくは、いくつかあるフレームレートから選べるようになっているのかもしれません。その中に、30fpsがあり、30fpsで撮ったつもりが、撮った動画のフレームレートが実は30fpsではなく、29.97fpsであるということになります。

どちらで撮れていても、普通に再生して見ることができるので、これにこだわるのは、動画をテレビ局に納品するような仕事をする人か、この方面にこだわりが強い人に限られましょう。

私は趣味で撮っており、特別なこだわりもないため、この話を聞いても、そうなのかと感じるだけです。

ただ、その仕組みの話は、聴いて、なるほどと思いました。

ほかの動画編集ソフトがどのような表示になっているか知りませんが、私も使うDaVinci Resolveは、動画の長さを【00:00:00:00】で示します。

左から【時間・分・秒・フレーム】を示し、たとえば【1時間25分51秒15フレーム】は、【01:25:51:15】と表示されます。

それが、29.97fpsの場合、「通常」は、【00:00:59:29】の次のフレームは【00:01:00:00】になります。29.97fpsと小数点以下に端数が出るはずですが、表示はそのようになります。

それが、「ある条件」では違いが数字として表示されるということです。

本動画を見たあと、自分が29.97fpsで撮影した動画で確認しましたが、そのような設定はできず、従って、数字として確認することはできませんでした。

「ある条件」というのは、タイムコードが埋め込まれた動画です。

タイムコードが必要になるのは、テレビ局や、個人でも、複数台のカメラを同時に廻した動画の編集に限られるでしょう。

複数台のカメラを廻し、それを編集段階で音声と同期させるのに用いられるのがタイムコードです。私はそれがあるのは知っていますが、自分には必要がないため、使ったことはありません。

動画にタイムコードが埋め込まれることで、どのカメラで撮影した動画も、音声の同期が簡単に保たれます。

このタイムコードが埋め込まれた29.97fpsの動画をDaVinvi Resolveに読み込むと、「ドロップフレームタイムコードを使用」する、しないの設定ができるようになります。

これを使用した場合と使用しなかった場合でどのような違いになるかを本動画が検証しています。

チェックを入れて使用するを選ぶと、【00:00:59:29】の次のフレームが【00:01:00:00】にならず、【00:01:00;02】になるそうです。最後の【02】がドロップフレームということなのでしょう。

これが1分から9分まで9回あり、10分目にはないそうです。ということで、10分で【18】のドロップフレームがあり、それによって、時間の狂いが生じないようにしているのでしょう。

ちなみに、【02】の前についているのは【:】ではなく【;】です。

まとめとして、タイムコードが書き込まれた動画にはドロップフレームを適用するのが賢明としています。

配信者は、ドロップフレームを適用して書き出した動画とドロップフレームを適用しないで書き出した動画の二通りを書き出し、元の動画と比較しています。3本とも尺の長さが同じです。

配信者はドロップフレームを適用するように話していますが、本動画を見ると、ドロップフレームの適用と不適用二通りで書き出した結果が同じです。これはどういうことなのでしょうか?

二通りの書き出し結果が異なり、ドロップフレームを適用した方が正しいというのでなければ、どちらで書き出しても同じことにはなりませんか?

私の理解が足りないということでしょうか。

ともあれ、配信者の説明通りなのであれば、放送用の動画を扱う場合は、ドロップフレームを適用しないと「放送事故」になりかねません。放送時間に合わせて編集したものが、違う長さになってしまうからです。

テレビ放送は秒単位で厳密に管理されています。

この話は、テレビ放送用に製作される動画に限った話になります。個人が趣味で動画を作る場合、そこまで考慮する必要はありません。

なお、日本のテレビ放送は59.94フィールド/秒(60i)です。これも、撮影した動画を確認すると、29.97fpsなっており、扱いとしては同じになります。


本更新をしたあと、素人ながら、考えてみました。間違っているかもしれません。

タイムコードは映像と音声を同期させるために働きます。それが働くことで、動画の長さに変化は生じるのでしょうか。

動画の長さに変化がないのであれば、本ページに埋め込んだ動画で示されたように、それを適用としても適用しなくても動画の尺が同じなのが理解できます。

大事なのは、映像と音声が同期されることです。ですから、タイムコードを使った動画は、当然、タイムコードを適用しなければならないことになります。

気になる投稿はありますか?