前回の本コーナーでは、私が読んでわかりにくく感じた共同通信社の短文記事について書きました。
今回は、その続編のような内容になります。
私が手に取ったのは、松本清張(1909~1992)の『途上』という短編集の文庫本です。
今では、ほとんどの本をAmazonの電子書籍版で読みます。紙に印刷された文庫本が手元にあるということは、まだ、私が電子書籍に移る前に手に入れたことになります。
記憶を辿ると、どこかへ行った帰り、電車の中で読もうと思って、駅の売店で買い求めた記憶がよみがえります。
本書には、表題作のほか、全部で五作品が収められ、解説もついています。出版社は双葉社です。
文庫本の裏表紙に、本書の紹介が短く印刷されています。その冒頭部分を読み、一瞬、わけがわからなくなったのを思い出します。冒頭に次のように書かれているからです。
不遇なまま死んだ画家の妻は、その後再婚し穏やかな日々を送っていた。

最後には意味がわかりましたが、初めて読んだときは「あれ?!」と思いました。
「死んだ女がその後再婚した」と読めなくもないからです。いわずもがなで、死んだのはその女の夫で、未亡人となった女が再婚した、というだけの話です。
私は画家の妻が「不遇なまま死んだ」ように受け取り、死んだはずの女が再婚して穏やかな日々を送った、とあったので、「あれ?!」と思ってしまったわけです。
というわけで、この文章も、私個人にはわかりにくい文章でした。
