私は、あることに一度関心が向かうと、それへの関心がしばらく続く傾向があります。昨日からは、自分の声をより良く録音するためのマイク選びと使い方に関心が向かっています。
YouTubeでオペラ歌手の車田和寿氏がマイクについて語る動画を見て、私が自分の声を録るのに使っているマイクを見直したことを本コーナーで書きました。
そして本日は、YouTubeで別の動画を見ました。見たのは次の動画です。
本動画では、マイクの正しい使い方を説明してくれています。マイクを使う上で意識すると良いのが次の3つのポイントです。
| 距離 | 角度 | 持ち位置 |
これらについては、私は一応は理解しています。「距離」というのは、マイクと口の距離です。
今回の動画では、歌を歌う人向けの動画なので、使うマイクはダイナミックマイクです。
ダイナミックマイクは入力感度が低いのが特徴です。ということは、マイクを口から遠ざけてしまうと、声をきちんと拾ってくれません。だから、マイクを口に近づけて使うのが基本です。
それはわかっていました。私は、自分が持っているベリンガーのUltravoice XM8500というダイナミックマイクを使っています。

ダイナミックマイクは、マイクと口の間に拳が入るぐらい開けて使うと良いと聞きます。5センチぐらいの間隔を開けることになります。
コンデンサーマイクは感度が高いので、こんなに近づけて使うと、0dBを超えて、音割れを起こしてしまいます。ですので、コンデンサーマイクで声を録るときは、15センチから30センチぐらい離して使うと良いそうです。
ダイナミックマイクは口に近づけて使うことは知っていました。しかし、近づけすぎると、声を発したときの息がマイクにあたり、ポップアップノイズが生じてしまうのではと考え、5センチまで近づけて使うことはしていませんでした。
しかし、今回の動画を見たあと、私が持っているXM8500で、自分の声を録ってみました。動画で伝えられているように、マイクを口に近づけて使いました。
そのようにして録音した自分の声の音声ファイルを、音声編集ソフトに取り込みました。そして、その音声の波形を見たとき驚きました。
ダイナミックマイクを口から離して使ったときよりも、思いきり近づけて使ったほうが、耳障りな歯擦音が本来は発声しやすい部分の波形が大きくなっていなかったからです。
私が音声編集に使うのはSteinbergのWebeLab Elements12です。
本ソフトに取り込んだ自分の音声ファイルの波形の一部を下に貼り付けてみました。

波形を色分け表示しています。黄緑色に見えるのが、歯擦音が発声しやすい「サ行」を発音した部分です。この波形例でわかるように、サ行の波は、他の波と変わらないか、逆に小さいほどです。
この波形を見たときは驚きました。
ダイナミックマイクを胸の前辺りに縦向きで握って録った音声ファイルの波形は下に貼ったようになることが多いように思います。

上の画像と比べてわかるように、この画像では、歯擦音が発生しやすい「サ行」の発生部位を示す黄緑色の波が大きくなっている部分があります。この部分は歯擦音が発生しているものと思います。
ダイナミックマイクを口から離して録った音声波形を見ると、「サ行」は他の波より大きくなります。それが、マイクを近づけて録ったのに、「サ行」の部分が逆に小さな波だったからです。
このことから、マイクを口に近づけて使ったほうが、サ行の波は小さく押さえられるということは、歯擦音は発生しにくいらしい(私はまだ結論づけたわけではありません。私はいつも間違いますから)ことが目で見てもわかります。
この発見には、私は目から鱗が落ちる思いがしました。私は逆のことを想像していたので、それが発声しないよう、マイクを口に近づけなかったからです。
また、マイクの角度は、先端の中心が口に向かうようにするのが良いとされています。これもわかってはいました。しかし、息がマイクの先端にあたるのではと考えたのと、歯擦音を生じさせないよう、マイクの先を天井に向けて使っていました。
今回は、マイクを口に向け、5センチぐらいまで口に近づけて使いました。
ポイントの三番目の「持ち位置」というのは、ダイナミックマイクを手で持つときの注意点です。これは、取っ手の部分を持てばいいだけなので、特別変わった注意点ではありません。
これらを意識して、昨日の本コーナーの冒頭部分を音訳してみたのが下に埋め込んだ音声ファイルです。
ダイナミックマイクは声を録るのに適したマイクなので、正しく使えば、自分の声をストレートに録ってくれるがわかりました。口に思いきり近づけて使うので、自分の声以外のノイズはほぼ感じられないでしょう。
また、私が心配していた歯擦音が、マイクを口に近づけることで、私が想像していたのとは逆に軽減されることを知ることができました。これが一番の発見でした。
マイクの種類によって、口との最適な距離が異なるのは理解していました。しかし、ダイナミックマイクを使いながら、これまでは「遠慮」した使い方をしてしまいました。
今後は、口に5センチぐらいまで近づけ、マイクの先端も口の方に向け、自分の声をより良く拾う録音を心がけることにします。
自分の声を録音して何が楽しいのかと思われてしまうでしょう。しかし、これが、私には楽しいことなのです。
