そこにある音を愉しむ

私は昔から音を録ることに興味を持ちます。

昔に音を録音するのに使ったのは磁気テープに録音するテープレコーダーです。そのレコーダーを使った頃よりも今のほうが音の録音への興味が強まっています。

今は使うことがないカセットテープのレコーダーがあります。著作権的には問題がありますが、そのレコーダーとコンデンサーマイクを持って、東銀座(東銀座)にあった映画館へ行ったときのことを憶えています。

そのとき、その映画館で上映されていた映画は、『君よ憤怒の河を渉れ』です。当時、私は、その映画に高倉健19312014)と共演する中野良子1950~)のファンでした。

【予告篇】『君よ憤怒の河を渉れ』
【予告篇】『君よ憤怒の河を渉れ』
【ゆっくり旧作映画解説】 君よ憤怒の河を渉れ

はじめは映画館で、スクリーンを8ミリ映画のカメラで撮影できないか考えました。そんなことを本当に実行したら、8ミリカメラは駆動音が大きいので、近くにいる観客が騒ぎ、映画館の係員が飛んできて、叱られたことでしょう。

そこで、映像を残すのは無理として、せめて、映画の音声を全編録音することをしました。一番前の真ん中の席に座り、持参したテープレコーダーとマイクで録音しました。

そのときに録音した音声ファイルが記録されたカセットテープは今も手元にあります。

本日の豆録音テープ
録音したテープはあるはずだと思っていました。しかし、本更新のあとに、テープが入っていそうな引き出しを確認した限りでは見つかりませんでした。まだあるとすれば、別のどこかにあるのかもしれません。これとは別の録音テープも見つかりません。それは、歌手の坂本九が、日航機事故で亡くなる直前に出演したNHKのラジオ番組を録音したものです。

そんなふうにして磁気テープにいろいろなものを録音しましたが、自然音を録音することはありませんでした。迫力のある音で録音できなかったからです。

通常のカセットテープよりも大幅にコンパクトなマイクロカセットが使える、ソニーのM-302というレコーダーも持っています。大昔に購入したものです。

ソニーのマイクロカセットコーダー M-302

このM-302であれば、ZOOMのハンディレコーダー H1 XLRと大きさはほぼ同じです。

SONY 珍しいマイクロカセットM-302とM-909をゲットしました

私が自然音を積極的に録音するようになったのはここ数年です。ZOOMのICレコーダーを使うようになってからです。ICレコーダーであっても、それまであったレコーダーでは、自然音の録音をしようとは思わなかったでしょう。

ZOOMのレコーダーに強い興味を持ったのは、デュアルADコンバータが内蔵された32bit floatで録音できることです。これを使って録音すると、人間の耳には聴こえないような小さな音も録音できることを知りました。

私はZOOMのレコーダーを3台持ち、用途に合わせて使い分けています。

自然音を録るのに私が使うのは、マイクトラックレコーダーのM3 MicTrakです。これは、レコーダーにM/Sマイクがついており、スイッチを入れるだけで、すぐに録音ができます。

ZOOM M3 MicTrak

M3 MicTrakで録音すると、RAWファイルとWAVファイルのふたつが同時に記録されます。私はRAWファイルを使って、ステレオ幅を調節して使ったりしましたが、今は、録音時に90°のステレオ幅で録音したWAVファイルを使うようになりました。

このレコーダーを使い、今朝、何でもないものを録音しました。レコーダーを三脚に固定し、ある地点に置き、10分程度録音しっぱなしにし、そこから2分程度抜き出しのが下に埋め込んだ音声ファイルです。

朝の音風景(2025.11.1)

特別な音が録音されているわけではありません。

これを録音する前、私は庭で写真を撮っていました。そのとき、甲高い鳥の鳴き声が聞こえたので、その声を録音しようと思って録音を始めました。

結果的に鳥が鳴くことは少なく、その時、竹林に吹いていた風の音が聞こえるような録音ファイルになりました。

32bit floatで録音した音で、それが自然音の場合は、音声編集ソフトとしてiZotopeのRX10で音量を調節します。

同じような音は、テープレコーダーではまず録れないだろうと思います。32bit floatのレコーダーならではの録音といえます。

もしも海辺へ行くようなことがあったら、何の変哲もない海の音を長い時間録音してみたいです。聴く人には飽きられてしまいそうですが、私はそれを長い時間聴いてもあまり飽きないだろうと思います。

音に興味を持つと、他の人には興味を持たれないようなことも愉しめてしまいます。