年賀状を出す人が想像を超えて減っています。
昨日の朝日新聞に次の記事がありました。
年賀状の最盛期がいつで、その当時、どのくらいの年賀状が元日に配達されたのか知りません。本記事でわかるのは、2011年には20億枚を超えていたことです。
私は本コーナーで書いたことがあるように、年賀状を出す習慣を元々持ちません。小学生の頃は何度か出したことがあるはずですが、その後は、出しません。
その一方で、年賀状を毎年出すことを楽しみにしていた人もいたでしょう。
昔の本コーナーで年賀状にまつわる話を書いたことがあります。友人が送って来る年賀状を見て、落ち込んだという話だったと思います。
年賀状を受け取った人が独身だったかどうかは憶えていません。その人が受け取った友人からの年賀状には、結婚したことを伝えるものや、子供が生まれたことを伝えるものがあり、家族で撮った写真が添えられていたそうです。
その話を取り上げたときに書いたことをもう一度書いてみます。
家族の写真を年賀状に添えるのであれば、幸せなときだけでなく、不幸せになってからも続けようという考えです。
家族の「成長期」は、子供の数が増え、笑顔の数も増えていきます。しかし、時が移ろうことで、子供たちは成長し、巣立って行きます。
やがては、年老いた夫婦ふたりだけになるかもしれません。そして、どちらかが先に亡くなったら、たったひとりの写真を年賀状に添えたらどうかという私の「提案」でした。
こんな「提案」をしても、実践する人は限られるでしょう。人は誰でも、他人からは幸せな自分に見られたい願望を持つからです。
年賀状に添えなくても、自分だけのために、そのような写真を残し続けることはできます。
同じようなことを絵画表現としてやり遂げたのは、誰よりも多くの自画像を残したレンブラント(1606~1669)です。初期から晩年まで、絶頂期から死の間際まで、自分の姿を見つめて絵にしました。
レンブラントの最晩年は、財産を失い、家族を失い、決して楽しくはなかったはずです。しかし、カンヴァスに向かって絵具をつけた絵筆を動かしているときは、誰よりも幸せに感じたかもしれません。
激減した年賀状の原因には、郵便料金の値上げが影響しているでしょう。私が子供の頃は、ハガキが10円、封書に貼る切手が20円だったと記憶します。
それが、長い年月をかけて値上げが続き、今はハガキが85円、50gまでの定形郵便に貼る切手が110円です。
ハガキといえば、NHK FMのリクエスト番組「サンセットパーク」宛のリクエストカードを思い出します。
私はその時間のリクエスト番組に1983年からリクエストするようになり、番組が終了した2011年3月末までそれを続けました。
番組宛のリクエストの受付が、2000年をまたいで少ししてもハガキだけでした。その後、時代の変化に合わせ、ファクシミリでも送れるようになり、最後は、番組のサイトからネット経由でリクエストできるようになりました。
ハガキだけでも、一週間に1枚を20年間続ければ、1000枚になる計算です。ハガキが85円の今は、かなりの「道楽」となってしまいそうです。
2011年には20億枚を超えた年賀状が、2022年には10億枚へと半減しています。そして今年は、前年より34%少ない約4億9052万枚だそうです。
年賀状を出す人がいくら減っても、出し続ける人はいるでしょう。
文化というのはそういうもので、少数者がそれを引き継いでいきます。
今から五年後、十年後、年賀状文化はどのような形で残っているでしょうか。
