昔は、個人投資家がどのように個別株を売買していたのか私は知りません。
少し前に、88歳の現役デイトレーダーの藤本茂氏に取材した動画を本コーナーで紹介しました。
その動画以外にも、藤本氏を取り上げた動画を見ました。
それらを見ると、今と違ってインターネットがなかった時代は、買いたい株や売りたい株がある場合は、自分が口座を持つ証券会社に電話して、担当者に自分の株の売買を頼んだというような話でした。
そんな藤本氏は、ネットで株式投資ができるようになったことで、2002年からネット経由で株式投資を始めたそうです。今から22年前で、当時、藤本氏は66歳でした。
ちなみに、私がネット証券を使って投資の真似ごとを始めたのは、藤本氏が始めた2年後の2004年の大型連休明けです。
それを始めたその年の8月末、私は自転車で急坂を走り、転倒して頭部を強く打ち、急性硬膜下血腫を起こし、危うく命を失う経験をしています。
そのときには、両親とたったひとりの姉弟だった姉もこの世にいませんでした。ひとり残った肉親の私が株という危ないものを始め、それを危ぶんだ両親と姉が「あの世」に連れて行こうとした(?)のかもしれません。
私のことは別にして、それまでPCに触れたこともなかった藤本氏がPCを使って株の売買をするということで、マスメディアに取材されたりしたそうです。そのとき、新聞に載った記事が藤本氏の家の壁に、額に入れられて飾られているのが、藤本氏を紹介する動画にも映っていました。
こんな風に、藤本氏はネットのない時代から株式投資をしたためか、日経新聞で報じられる各社の決算発表などを材料に取引したりすることが多いようです。
この場合も、決算が良かったら買い、悪かったら売るというような単純な取引ではありません。
決算が良くても買われ過ぎていれば売り、悪くても売られ過ぎていたら買うというような判断を、藤本氏の直感によって行っているらしく、これは真似をしようと思ってもすぐに真似られることではありません。
こんな風な売買スタイルのため、藤本氏の動画を見る限り、デイトレードといっても、値動きを表す株価チャートを見て、売買するようなことはしていないように見受けられました。
ネットを介した投資しか経験のない人は、株価チャートを見ずに取引をする人はまずいないでしょう。中でも、デイトレードや、デイトレードより短期のスキャルピングのようなトレードの人は、チャートにかじりつくようにして、売り買いを高速にするのでしょう。
このように、今ではなくてはならない株価チャートですが、同じ値動きを示すチャートであっても、時間軸を変えると、見え方が大きく異なります。
下に、本日(2024・12・6)午前5時35分頃のチャートを載せました。これは、日経平均株価に準じる日経225マイクロ先物(12月限)のチャートです。
日経225先物取引は、今後の日経平均の値動きを予想するものです。日経225先物には、レバレッジが1000倍の日経225先物、100倍のミニ日経225、10倍の日経225マイクロ先物の3種類があります。
先物取引では、買いから取引を始めることと、売りから始めることができます。この先も上がると思えば買い、下がると思えば売ります。さて、下のチャートを見たとき、あなたなら、買いと売りのどちらを選びますか?

これは直近1カ月間の値動きです。前回の高値に近づいてきました。株でも先物でも同じですが、前回の高値を超えると、大きく値上がりしたりします。
多くの株価チャートはローソク足チャートです。各時間軸で、その時間軸における始値と終値がわかるようになっています。その形がローソクのように見えることからローソク足チャートと呼ばれます。
始値よりも終値が高ければ陽線となり、本チャートでは赤色になります。逆に、始値より終値が低ければ陰線となり、青色で表されます。
ローソクの上下に細い線が伸びているものがあります。これはヒゲといい、その時間軸の最高値(上〔うわ〕ヒゲ)と最安値(下〔した〕ヒゲ)を表しています。
ローソク足は、時間軸を変えることで、視点を換えて見ることができます。上で紹介したのは「日足」です。つまり、ローソク一本が一日の値動きです。
ローソクの長さが長いほど、日中と夜間の立会で値動きが大きかったことがわかります。
次に見てもらうのが下のチャートです。上のチャートと同じ日、同じ時刻のチャートですが、違った見え方がすると思います。

こちらは、時間軸を「日足」から「4時間足」に換えました。ローソク一本は4時間の値動きを示しています。また、期間は5日間です。
これを見ると、ここで上昇が一服するのかと思えてきます。山の頂上にいるような感じです。
続いてもうひとつ、同じ日の同じ時刻のチャートを見てもらいます。最初のチャートと比べると、同じ日経225マイクロ先物の値動きには見えないと思います。

こちらは、時間軸を「15分足」にしています。ローソク一本が15分間の値動きを示しています。表示している期間は1日です。これを見ると、明らかな下降トレンドに見えます。
15分よりも短い10分や5分、3分の足を使う人もいます。さらには、約定ごとに表示されるティックというのもあります。
ともあれ、15分足で表示させたこのタイミングで取引をするのであれば、売りの注文を入れたいところです。ただ、超短期のトレードをするのであれば、この小山を作る直前の安値に近づいているので、ここで下落が一旦止まり、小反発があるかもしれません。
こんな風に、時間軸を換えることで、見えてくる「世界」が異なります。より値幅を取りたいスイングトレードをする人は、トレンドを見極め、多少の上げ下げは無視し、そのトレンドが崩れるまで、ポジションを持ち続けたりします。
私がYouTubeで見た動画の配信者はFXトレードをしているようですが、ポジションを持ったあとは、長期の時間軸でチャートを確認し、そのタイミングが来たら利確するということでした。
私も、少しポジションを長く持つトレードを試してみたい気になっているところです。
