甲子園球場で行われてきた夏の高校野球は本日が決勝戦です。
今年は、東東京代表の関東第一と京都国際が優勝を目指して争います。どちらが勝っても初優勝だそうですね。
試合の行方を占う上で注目するのは、何といっても互いの投手の出来がどうなるかです。
昔に比べ、今は高校生であっても速い球を投げる投手が増えています。昔であれば、140キロを超える球速の投手は限られていました。それが今は、珍しくなくなりました。
このように、対戦する投手の球速が上がったことで、強い野球部ほど、速い球に対応する練習に時間を割いたりしているでしょう。
そのことが、思わぬ結果を生んでいるとする記事が、昨日のYahoo!ニュースにありました。それが次の記事です。
本記事の見出しにもある大阪桐蔭は、今の高校野球を代表する強豪校です。大会に出場すれば、必ず優勝候補に挙げられます。大阪桐蔭は今年の大会にも出場していました。
大阪桐蔭は1回戦から登場しました。その初戦に勝って迎えた2回戦(8月14日)の相手は、石川代表の小松大谷でした。この試合で、大阪桐蔭が負けるのを予想した人は少なかったではないでしょうか。
私はこの試合をテレビの中継で見ていません。それで、試合結果を知って驚きました。小松大谷が3対0で勝ったのを知ったからです。
大阪桐蔭が無得点で負けたのは珍しいことだそうです。しかも、小松大谷の投手・西川大智選手が、大阪桐蔭打線を92球で完封しています。
この結果を知り、テレビ中継を観戦しなかったことを残念に思いました。投球内容を知らずに結果だけを知ると、小松大谷の西川投手が、豪速球で大阪桐蔭打線をねじ伏せたような印象を持ってしまいます。
しかし、本ページに載せた記事を読むことで、そうではないことがわかります。
本記事の1ページ目では、茨城代表の霞ケ浦が智辯和歌山を、タイブレークの末、破ったことを書いています。
智辯和歌山を破った霞ケ浦の投手・市村才樹選手は、上背は188センチと大柄ながら、ストレートの球速は120キロ台だそうです。また、スライダーは100キロ台、カーブは90キロ前後で、記事では甲子園出場レベルの学校の投手としては「超遅」甲子園出場レベルの学校の投手としては『遅遅』」と書いています。
私もそうですが、投手の投げる球が遅ければ、安打にするのが容易そうに感じます。ところが、冒頭で書いたように、今の高校野球で強いところは、速い球に合わせた打撃練習をするため、軟投派の投球には逆にてこずってしまう面があるそうです。
大阪桐蔭の敗因にも同じようなことがいえそうです。
大阪桐蔭打線を完封した小松大谷の西川投手は、その試合のストレートの最速が138キロだそうですから、球速が特別遅いわけではないでしょう。
それでも、より速い球に対応した打撃練習をする大阪桐蔭は、西川投手の遅めの球にてこずらされたといえます。
大阪桐蔭打線が西川投手の球をバットに当てても凡打となり、試合が終わってみれば、フライアウトが15、内野ゴロが10だったそうです。三振は1でした。
西川投手の球数が92ということですから、無駄な球が少なく、コントロールの良さが窺えます。
球数はストレートとスライダー、それにチェンジアップの3種類のみだそうで、それをうまく組み合わせて打ち取っていったことになりそうです。
記事は投手の投球中心に書かれていますが、それをうまく引き出した捕手の配球が功を奏した面もあったでしょう。
捕手は捕手で、西川投手の持ち味を熟知した上で、対する打者のうち気を逸らすようなコースへの球を要求し、それに西川投手が正確に対応した結果なのかもしれません。
ともあれ、強豪校相手にした投手の球が特別速くなくても、狙ったところに何度でも正確に投げることができたら、相手に安打を許さない投球ができることを本記事は伝えています。
それに加え、今年のセンバツ大会から、全国の予選大会も含め、低反発バットが採用されました。バットの性能が木のバットに近づいたことで、これまでのように、芯を外した打球が遠くまで飛ぶことが少なくなりました。
投手が力任せに速球を投げ込まず、丁寧にコースを狙うような投球をすることができれば、打者を打ち取れることは、速球ボールを持たない投手には励みとなるでしょう。
そのような投手が増えたら、強い学校は、速い球に加え、軟投派投手対策の練習も必要になるかもしれません。
数年後、高校野球の試合内容は変化しているでしょうか?
