大富豪のバフェットが質素な暮らしをするのはなぜ?

前々回の本コーナーでは、「オマハの賢人」といわれる投資の世界の巨人、ウォーレン・バフェット1930~)について書きました。

その更新をしたあと、YouTubeでお勧めに上がってきた次の動画を何の気なしに見ました。

Warren Buffett’s #1 Strategy Before a Recession (Copy This Now)

本動画を見たことで、意外に思ったことがひとつ、そして、昔からバフェットについて私が疑問に思うことがひとつあったので、Googleの人工知能(AI)、Geminiにそれを伝え、納得のいく回答を得ました。

それを基に、ひとつの意外なことと、私がバフェットに長年持ち続けた疑問に対する答えを書きます。

前回の更新で、「バフェット銘柄」として有名な銘柄が、コーラ飲料を長年製造・販売し、世界的なシェアを持つ「コカ・コーラ」であることを書きました。

バフェットの名を聞いてすぐに思い浮かぶほど、バフェットとは縁の深い銘柄です。だから、バフェットが投資に取り組んだ初期からこの銘柄へは投資したのでは、と漠然と考えていました。

しかし、上で紹介する動画を見たことで、バフェットがコカ・コーラへの投資を始めたのが1988年であることを知りました。バフェット58歳の年です。

それ以前のバフェットの投資スタイルについて、Geminiは次のように教えてくれました。

若い頃のスタイル(シケモク投資): 師匠ベンジャミン・グレアムの影響を受け、ボロボロで捨てられているが、あと一吸いだけできる「シケモク(安すぎる不人気株)」を買い漁る手法で、すでに莫大な資産を築いていました。

前回の更新でも、バフェットが今の巨万の富は、50代以降に築いたことを書きました。それを知ったことで、私はそれ以前は、バフェットであっても、投資がそれほど上手くいっていなかったのでは、と邪推しました。しかし、それ以前にも、「莫大な資産」を築いていたのですね。

バフェットがコカ・コーラに投資するきっかけについても、Geminiが次のように教えてくれています。

コカ・コーラを選んだ理由: 相棒のチャーリー・マンガーの影響で、「平凡な企業を格安で買うより、素晴らしい企業を適正価格で買う」という考えにシフトしました。コカ・コーラはまさに「素晴らしい企業」の象徴であり、彼はそのブランド力に確信が持てるまでじっくり待っていたのです。

つまりは、チャーリー・マンガー19242023)の助言もあって、バフェットの「投資スタイルが進化」したということです。これにより、バフェットの資産の90%が、50代以降に築かれることになりました。

バフェットは自分が選んだ少数の銘柄に集中投資し、それを長年保有するスタイルです。そのことで、雪玉が回転するごとに大きくなるように、彼の資産が巨大になっていったというわけです。これを「福利の効果」といいます。

もうひとつは、私が長年バフェットに持つ疑問です。その疑問を考えさせてくれることが、本ページで紹介する動画でも触れられています。

彼が「オマハの賢人」といわれるのは、米国中西部の静かな田舎町「オマハ」に拠点を置き、そこから動こうとしないからです。金融の世界で働く人であれば、その中心地である、生き馬の目を抜くウォール街が相応しいように考えがちです。

彼がどうしてオマハに居続けたのかについても、Geminiがバフェットの次のような言葉を教えてくれました。

「ウォール街に行くと、5分おきに誰かが耳打ちしてくる。そんな騒音の中にいたら、まともな思考はできない」

彼のこの想いが、私が彼に長年抱く疑問のヒントになります。

Aerial Tour of Omaha Nebraska

バフェットは想像もつかないような巨万の富を得ています。その彼がオマハで暮らす家は、庶民と変わらない質素な家です。動画でも、1958年から70年近く同じ家で暮らしているとされています。

自家用車も高級車ではありません。平均的な庶民が乗る車と変わりません。しかも驚くことがあります。そのことも、Geminiに教えてもらったことを共有しましょう。

朝食のメニューは「株価」で決める

彼は毎朝、自分で車を運転してマクドナルドのドライブスルーに寄ります。その際、財布に入れる小銭の額を、その日の朝の相場状況で決めるという徹底ぶりです。

  • 相場が良い時: 3.17ドルの「ベーコン・エッグ&チーズ・ビスケット」という少し豪華なメニュー。
  • 相場が悪い時: 2.95ドルの「ソーセージ・エッグ&チーズ」にランクダウン。
  • さらに悪い時: 2.61ドルの「パティ2枚のソーセージ・マフィン」にするそうです。

資産が数兆円あっても、「たった数十セントの差」にこだわり、お金の価値を忘れない。これが彼の面白さであり、凄みでもあります。

バフェットは、巨万の富を得たからといって、それで、目の飛び出るような貴重品を買いあさったり、絵画をコレクションしたりはしていません。豪華な海外旅行もしません。

こんなエピソードに接していると、私がどうしてその疑問を長年持つのかがわかってもらえると思います。

彼は、何のために投資をしているのだろう? と。

それを解くヒントは、すでに書きました。もう一度書きます。

「ウォール街に行くと、5分おきに誰かが耳打ちしてくる。そんな騒音の中にいたら、まともな思考はできない」

こう考えるバフェットは、投資行動をどのように考えているのでしょう? Geminiは次のように解説してくれました。

バフェットはなぜ「富」を貯め込み、質素に暮らすのか?

豪華な暮らしをせず、古い家に住み続けるバフェットを見て、「お金を貯めることだけが目的なのか?」と疑問に思うのは当然の感覚です。しかし、彼の動機は少し異なるようです。

投資という「ゲーム」を愛している

バフェットにとって、資産を増やすことは「贅沢をするための手段」ではなく、**「自分の判断がいかに正しかったかを測るスコアボード」**のようなものです。彼は投資という知的ゲームそのものを心から楽しんでおり、朝起きて仕事(投資の分析)に行くのが楽しみで仕方ないと語っています。

究極の「自由」を重視している

彼は「他人に自分のスケジュールを支配されないこと」を何よりも大切にしています。質素な暮らしを続けることで、見栄や維持費に縛られることなく、自分の好きなこと(読書と思索)に没頭できる自由を確保しているのです。

富の出口:ギビング・プレッジ

彼は「富の99%以上を慈善活動に捧げる」と宣言しており、ビル・ゲイツらと共に「ギビング・プレッジ」を立ち上げました。

「私にとって、これ以上お札を持っていても意味はないが、社会にとっては、教育や医療に使うことで大きな意味を持つ」

彼にとって、稼ぐことは「能力の証明」であり、使うことは「社会への還元」という明確な切り分けがあるようです。

彼は、自分の判断が正しかったかを測る目的で、投資を「知的ゲーム」にし、心の底から楽しんでいるのです。だから、投資の分析は彼にとって、楽しみ以外の何物でもないのでしょう。

彼は他人から縛られることを好まず、自分の思うように時間を使います。雑音しか聞こえてこないウォール街で働いていたら、その事由が得られません。だから、ウォール街から遠く離れたオマハにいるのです。

このあたりは、投資を始めたり、投資に関心を持つ一般の人の感覚とは大きく違うことが多いでしょう。多くは、投資によって自分の資産を増やすことを夢見ているでしょうから。

そして、もしも資産が増えたら、それで大きな家に住み、欲しかったものを片っ端から買おうと思い描いているのです。

バフェットはまったく異なる考えでこれまで生きてきました。彼は、自分の「能力の証明」のため、投資という知的ゲームを心置きなく楽しんでいるのです。

Geminiは、彼がある大学の講演で語ったことを教えてくれました。それを知ることで、彼が富をため込むだけの人でないことがわかります。

「人生の終わりに、自分が愛してほしいと思う人たちから、実際にどれだけ愛されているか。それが成功の唯一の指標だ」

富を得るために、結果的に、家族や周囲を犠牲にする人がいるかもしれません。そんな人は、富を得られても、バフェットだったら、失敗の人生と考えてしまいます。

本更新の締めくくりとして、Geminiに教えてもらったバフェットの言葉を添えます。

「習慣の鎖は、重すぎて壊せなくなるまでは、軽すぎて気づかないものだ」 (習慣がいかに人生を形作るかを説いた言葉)