私は今、写真を見ています。誰かが撮った傑作写真ではありません。私が昨日の午後4時過ぎに庭で撮った何でもない写真です。
しかし、「いい色だ」と思って見ています。
世の中にあるさまざまな意見に左右されて、敢えて白黒の写真を撮る人がいます。私は、小学校の頃だったと思いますが、レンズ交換式ではないフィルムカメラを使いました。
私の家にたまに来る人が写真店か、写真関係の仕事をしていた人だと思います。その人の家へ父と行ったときのことを憶えています。話をした部屋の中に、現像したフィルムが何本も下がっていました。自分で現像したフィルムを乾かしていたのでしょう。
その人の勧めで、そのカメラを父が買い、私が使わせてもらったのだと思います。
その頃は白黒フィルムで写真を撮りました。その頃撮った写真が今も残っています。
そのあと、私が8ミリ映画に興味を持ってしまい、8ミリカメラで映像の撮影を楽しみにしました。
それを経たのち、写真に戻りました。レンズ交換式のカメラを使い写真を撮りました。私が好んだのはネガフィルムではなく、ポジフィルム(リバーサルフィルム)です。
日本で発売されたポジフィルムに白黒フィルムがあったのかどうか私は知りません。私が使ったのは、コダックのコダクローム64で、カラーフィルムです。

写真とこのように関わったので、私はカラーで撮影するのが好きです。デジタルカメラであれば白黒で撮ることもできます。しかし私は、デジタルでもカラーで撮るのを好みます。
どんなカメラやレンズを使おうとも、被写体を「いい色」で撮りたかったら、肉眼で「いい色」に見える光の状態を選ばなければなりません。
今は一年でもっとも日没時刻が早いです。東京でいえば午後4時28分です。先月29日にこの時刻に達しました。例年どおりであれば、今月12日までこの日没時刻です。
「マジックアワー」という言葉を聞いたことがあるでしょう。日没前に見せる魅力的な光の状態のことです。
昨日のその時間、庭に出て写真を撮ったのです。夕陽に照らされた庭の木々が美し見えたからです。夕暮れ時は光の状態が刻々と変化します。
5分もしたら、その魅力的な光が失われていました。
同じ被写体を白黒で撮ったらどうでしょう。明暗の快調の美しさは表現できるかもしれませんが、色の美しさは残すことができません。

私は自分でも絵を描くため、どうしても、色は失いたくないのです。
高価なカメラやレンズでなくても、絶妙な光を捉えれば、魅力的な写真になります。
