今回は、いつもにも増して個人的な話です。しかも、話の内容は油彩画の技法についてです。絵の描き方に興味のない人には、役に立ちません。
私は、油絵具を使いだす前は、結構長いこと、アクリル絵具で絵を描いていました。

その期間は、NHK-FMで平日午後6時から生放送されていた「夕べのひととき」(東京発は「夕べの広場」)と土曜日の午後に生放送されていた「FMリクエストアワー」のリスナーとリクエスター(「リクエストする人」の意味で使っています)をしていた期間と重なります。
当時は、ハガキで番組宛てにリクエストカードを書きました。私はそのカードの裏に、リクエスト曲にちなむような、あるいは、ちなまないような(?)絵を描くことをしました。それを描くのに使った絵具がアクリル絵具です。
アクリル絵具を知らない人に説明をしておきます。
これは、たしか、米国で生まれた絵具です。「アクリル」とついていることからわかるように、色の基となる顔料や染料が、アクリル樹脂で練られています。
この絵具は、水彩絵具のように、水で溶いて使うことができます。そして、速乾性です。だから、たとえば私がしたように、リクエストカードの裏に絵を描くのには適しているのです。
私は、17世紀のオランダの画家、レンブラント(1606~1669)を敬愛しています。だから、これまで、レンブラントの作品は画集で繰り返し見てきました。
レンブラントの絵を見たことで、レンブラントのような絵を描きたくなり、自分なりに技法を研究しました。
その結果身に付けた技法で、リクストカードの絵も、アクリル絵具で描きました。
レンブラントは使った色数が少ないです。それでいながら、色の魅力に溢れています。
アクリル絵具で身に付けた技法を、油絵具でも実現しようと、自分なりに研究しました。しかし、油絵具はアクリル絵具と性質がまるで異なります。
油絵具は、顔料や染料が、アクリル絵具のアクリル樹脂と違い、乾性油で練られています。油は水と違い、乾燥するのではありません。長い時間をかけて、凝固するのです。だから、アクリルの技法は油彩画では使えません。
例えば、下の層に色をつけ、それが乾いた上に、次の層を塗り重ねようと思っても、油絵具ではなかなか、次の層に移れません。下の層が凝固するまで時間がかかるからです。
そうでありながら、私がアクリル絵具で見つけて技法を、油絵具でも応用できるかもしれないと考え始めました。そんな考えが浮かんだため、急遽、本更新を始めました。
まだ実際には試していないので、それが確かめられたわけではありません。今は希望的観測の段階です。
そして、もしも、それが実現できるのであれば、これ以上のことはありません。
ポイントは、油絵具を溶くメディウムです。そのメディウムは昔に買ったものがあります。
画材のいいところは、手元にあれば、それが何年経ったもので、使えることです。ほかのものでは、なかなかそうはいきません。
油絵具も、チューブの蓋が固まってしまうと、蓋を開けるのに苦労します。しかし、蓋が開けば、チューブの中の油絵具はいつでも、練り縦のような状態で使えます。
メディウムにしても、それが瓶に入っていれば、いつまでも保ちます。今回注目したメディウムも、手に入れてから30年以上経つかもしれません。
本更新をする前、ちょっとした思いつきで、そのメディウムを使ってみました。そして、使っているうちに、本更新の途中で書いたように、私のアクリルの技法と同じように、油絵具を使えるかもしれないと思いついたのです。
あとは、そのメディウムを使うことで、下の層の絵具がどれくらいで固まってくれるかです。これは自分で試すしかありません。
それがうまくいったら、レンブラント風の絵を油絵具でも描けるようになりそうです。
絵の出来不出来は別です。あくまでも技法の話です。
