株価を揺さぶるもの

今年に入って、日米ともに、株式市場の値動きが大きくなっています。

年初からの値動きを日本の株式市場指標である日経平均株価で振り返っておきます。

昨年は年末にかけて日経平均が上昇し、4万円付近で取引を終えました。新年に入ると4万円の大台は維持できず、1月半ばには一旦、38000円ぐらいまで下落しました。

しかし、下落すると買いが入り、4万円弱まで戻し、そのあとにまた、38500円程度まで下がりました。

2月中旬までは、上値は39200円、下値は38300円程度のレンジの中での値動きとなりました。

それが、2月下旬以降は、下値が切り下がっています。市場参加者は切りのいい数字を意識します。38000円の下は37000円です。そのラインを切ると、次は36000円というようにです。

日経225マイクロ先物の日足チャート(2024年12月末から2025年3月12日)

昨日は、ザラ場中に1000円以上下がり、36000円を割る瞬間がありました。その後は持ち直し、36500円ぐらいで引けています。

これだけ値動きが大きいと、長期投資と思って個別株を持っている人は、穏やかな気分ではいられないかもしれません。また、個別株ではなく、投資信託を長期分散投資している人であっても、中には先行きを心配する人が出てきているかもしれません。

私も投資もどきをしていますが、私の場合は、昨年に、保有していた個別株をすべて処分しました。

そして、今年になり、1月中旬に株価が下がってきたのを見て、個別ではなく、全世界株の値動きに連動する指数へ投資する投資信託への積み立て投資を始めました。

始めてまだ2カ月にもならないので、投資額としてはごく少ないものです。それでも、本日時点で、マイナス7%の損失となっています。以前から長期で積み立てをし、ある程度の積立額になっている人は、ここ数カ月で損失が増え、不安になっているかもしれません。

私は投信のほかに、個別株をひとつ、最少の100株だけ保有しています。1株の値が小さい銘柄です。こちらは特別狙ったわけではないのですが、たまたまの途中結果として、本更新をする時点で、プラス3.6%ぐらいです。

数日前、YouTubeで次の動画を見ました。現在、楽天証券で経済研究所チーフ・ストラテジストをされている窪田真之氏の動画です。

【日経平均急落】一時3万7,000円割れ。下値メドは?エヌビディア、トランプ関税、円高で不安広がる(窪田 真之)【楽天証券 トウシル】

本動画は11日前ですから、今月1日に配信されたものです。窪田氏は、株価チャートをテクニカルに見るのではなく、企業業績などを基にしたファンダメンタルズで株価を分析されています。

窪田氏は、今年を迎えるにあたり、昨年末の時点で、今年の株価がどのような推移を辿るか見通しを立て、それを値動きの折れ線グラフにして残しています。

窪田氏は、年のはじめ頃には下落することも予想しています。下値のめどは、37000円程度と見ていました。そして、もしもそのレベルまで下落することがあれば、長期的には割安の日本株には良い買い場になると話されています。

また、短期的には予想以上に下がる場面はあっても、それが長く続くことはなく、年末に向けて、44000円を目指すと見立てています。

昨年8月5日に、日経平均が暴落する場面がありました。そのときは、一日の取引中に、42000円ぐらいから31000円ぐらいまで下落しています。

その暴落が起きたとき、日本株を扱う外国人らがどのような売買をしたかを話されています。

窪田氏のデータによると、その暴落含む昨年7月16日から8月9日までの期間に、日経平均は6165円下落していることがわかります。そして、この下げ局面で、外国人が現物取引で売却した額は8689憶円だといいます。

現物取引で、たとえば1株が1000円の株を100株買うのに必要な投資資金は10万円です。そのようにして、外国人が持っていた現物を8600憶円程売って現金に換えたということです。

この額に、空売りが含まれているかどうかは、窪田氏が触れていませんので、わかりません。

そうでした。空売りは信用取引でしかできません。窪田氏は現物のみとしていますので、この額に空売りの分は含まれないのでしょう。

ともあれ、含み損を抱えたまま売りの決済をし、損失を確定した外国人もいたでしょう。

窪田氏の説明を聞いて私が驚いたのは、先物取引で大量の売り注文があったことです。その額は、現物の約3倍にあたる3兆3470憶円です。

私も昨年、先物取引をほんの少しかじったことがあります。

海外には個別株を先物で売買できる国があるらしいですが、日本では株価に連動する指数が投資対象です。その主なものに、日経平均株価の値動きを予想する日経225先物取引があります。

日経225先物には、ラージとミニ、マイクロの3種類があります。昔は、ラージと今呼ばれるものだけで、1枚ごとの注文になります。1枚のレバレッジは1000倍です。

日経平均株価が4万円であれば、1000倍の4千万円の値動きに相場を張ることになります。値動きは10円単位です。ということで、10円上下に動くたびに、1万円の損益が発生します。

外国人はこの日経225先物を、昨年8月5日の暴落時に、大量に売買していたということでしょう。

先物は売り注文から入ることができますので、下がる方に賭けて、儲けを膨らませた人もいるはずです。その一方で、反発することを予想し、損を出してしまった人もいたでしょう。

それやこれやの思惑が絡み合い、3兆3千億円の売り注文が、先物取引を舞台にあったということです。

昨日も、ザラ場中に1000円以上下がる局面がありました。

外国人が日本の個別株を現物で少しでも安く手に入れるため、先物を使って大きく下げ、現物がそれにつられて下がったところを安く仕入れたりする人もいるかもしれません。

個人が個別株をうまく売買するのは難しいです。そのため、株価指数が上がっても下がっても、同じ額を淡々と買い続ける、投信の積み立て投資が人気となっています。

ただ、今は世界的に株価が大きく下がり、投信であっても、成績がよくありません。そして、この先がどうなるかわからないのは、投資対象が投信であっても同じです。

投信を長期間積み立てている人は、すでに積み立てた額が大きくなっている人もいるでしょう。額が大きければ、値動きに損益が比例し、下落が続けば損失額が、分母が大きければ大きいほど膨らんでしまいます。

そんな人が、今後を不安に感じるのであれば、投資額を調整することを考えてもいいでしょう。分母を小さくすることで、不安感を薄めようというわけです。

私の場合は、本更新で書いたように、投信も個別株も微々たる額です。ですから、不安になることはありません。その分、今後株価が今後上昇鏡面に入っても、利益がちっとも膨らまないことを意味するわけですが。

投資で大切なことは、なるべく損失を出さないことです。その上で利益を狙わないと、何のために投資をしているのかわからなくなります。

株価が回復してくれることを願いますが、先のことは誰にもわかりません。