ミラーレス動画の今昔

人の世は移ろいやすいものです。

あるとき何かが注目を集め、多くの人がそれに関心を持ちます。その動きが高まりを見せ、いつまでも続くように錯覚します。

しかし、人は飽きやすくできています。いっときは、寝ても覚めてもそのことばかり考えていたのに、気がつくと熱気が薄れ、関心を失っています。

私も一時期は、ミラーレス一眼カメラで動画を撮ることに関心を持ちました。

それ以前の個人が動画を撮るといえば、民生用ビデオカメラを使うぐらいでした。それが、ミラーレスで動画を撮れば、大きな撮像素子を使った綺麗な動画が撮れます。

普通の個人がそれへの興味を持ち始めていることに気づいたメーカーは、需要を見込んで、それに適したラインナップを揃えます。

マニアックな人であれば、「Log動画」に興味を持ったりしました。私もそれに興味を持ち、撮ったLog動画を、どのように色編集したら、映画っぽい映像にできるか「研究」したりしました。

「カラーグレーディング(カラグレ)」という言葉を覚えたのもこの頃か、それよりも少し前になるでしょう。

ソニーからは、動画好きの個人の需要を当て込み、FX30という動画撮影に特化したカメラを発売しました。

これらの流行りが頂点に達したのは2年ぐらい前になると思います。

今、YouTubeで「Log動画」や「シネマティック」「FX30」を検索すると、2年前に公開された動画が多く表示されます。

私は今も昔も、ほぼ毎日写真を撮っています。撮るものは身の周りのものばかりです。写真を撮るカメラで動画も撮れるので、写真撮影の合間に動画を撮ることもあります。

私が今使うのはキヤノンのミラーレス一眼カメラのEOS RPです。このカメラではLog動画は撮影できません。MP4の動画が撮れるだけです。

Canon EOS RPにRF28mm F2.8 STM

しかも私は、最も軽量の動画を撮るように設定しています。なるべくファイルのサイズを小さくしたいからです。Log動画ではないので、カラグレのようなことはしません。

しかし、昨日、撮ったままの動画を動画編集ソフトのDavinici Resolve Studioのカラー編集で、より見栄えがする色と明度にしてみました。

動画を撮ることを仕事にする人以外は、日常的に、特別魅力的な動画を撮影する機会はありません。私にしても、我が家の愛猫や庭に出て景色を撮るぐらいです。

Logで撮影し、それを自己流でカラグレするのも楽しいといえば楽しいですが、あくまでも趣味の範疇の話です。

流行に踊らされてソニーのFX30を購入したような人は、ブームが去った今、どれほどそのカメラを活用しているでしょうか。活用しようにも、一般の個人が趣味の範囲内で動画を撮る限り、活用の幅は限られます。

ブームに乗ってFX30を発売したソニーやほかのメーカーは、今、個人向け動画用カメラの今後の展開をどのように考えているでしょう。

新たなブームを作っても、個人が撮れるものは限られています。それだから、熱が冷めた個人は、手元にある使いもしないカメラを見て、己の愚かさに気がつくでしょう。

個人がプロ並みのカメラを買っても、それを活かす場はありません。