新年早々、ドナルド・トランプ大統領(1946~)が率いる米軍によって拘束されたニコラス・マドゥロ氏(1962~)と、同国の今後についてです。
先ほどまで、この事案について、Googleの人工知能(AI)Geminiと「対話」をしました。Geminiと出会う前であれば、私独自の考えを、本更新で開陳して終わりだったでしょう。
公平な考えを持とうとしつつ、どんな人でも、自分の考えに固執してしまいがちです。Geminiと「対話」したことで、それよりも少し引いた感覚で、本事案について書けそうです。
とはいっても、書くのは私なので、私の考えがどうしても強くなってしまうことは避けられそうにありません。
昨日の朝日新聞は、法廷に出廷し、次のように述べたと伝えています。
私はベネズエラ・ボリバル共和国の大統領だ。
ただ、朝日は、小見出しを次のようにしています。
マドゥロ氏出廷 熱心にメモ取る姿も
「大統領」と「氏」を同じ人物で使い分けているように私には感じられます。すべてに「大統領」という敬称をつけるのを避けただけ、ともいえますけれど。
私が今朝、Geminiにはじめに訊いたのは、彼が真の大統領といえるのかどうかです。というのも、知る人は知ることですが、2024年7月にあった同国の大統領選挙が不正であったことが明らかになっているからです。
同国の国民に絶大な人気があり、昨年、ノーベル平和賞を受賞したマリア・コリーナ・マチャド氏(1967~)が、もしもその年の大統領選挙に立候補すれば、間違いなく当選したでしょう。
あとで書く理由で、当選に値する得票を得ても、そのまま、彼女が大統領になることはなかったでしょうけれど。
マドゥロ候補は、彼女に当選されては困るので、選挙に出られなくしました。その代わりに立候補したエドムンド・ゴンザレス候補が、7割近い得票率を得ています。
しかし、開票日の翌日、同国の選挙管理委員会が第2次報告を発表し、マドゥロ候補が僅差で当選したことにしています。誰が見ても、選挙結果を不正に扱ったことが明らかです。
要するに、マドゥロ氏には、同国の大統領になる資格はまったくないのです。
Geminiの画像生成AI Nano Banana Proに、次の世界地図を生成してもらいました。

赤で塗られている国が、マドゥロ氏を大統領と認める国で、青が認めない国です。日本も青に含まれています。
| 立場 | 主な国名 | 理由・背景 |
| 承認 | ロシア、中国、イラン、キューバ | 現政権との経済・軍事的同盟関係を重視 |
| 非承認・拒絶 | アメリカ、日本、EU、アルゼンチン | 不正疑惑、民主主義の欠如を指摘 |
| 条件付き保留 | ブラジル、コロンビア、メキシコ | 透明性の確保と平和的解決を優先 |
ちなみに、上の地図で、南米に1カ国だけ赤に塗られた国があるのが目を引きます。ボリビアです。同国はマドゥロ政権と政治思想が近く、今回の選挙結果やマドゥロ氏の正当性を一貫して支持しているそうです。
日本はこういう場合も態度を明確にせず、「選挙プロセスの透明性が確保されていない」として、「遺憾の意を表明する」消極的にマドゥロ氏を認めない立場です。
黄色は、「選挙結果を完全には否定しないが、公的な票の集計(細部)を公開せよ」と、条件付きで疑義を唱えている国々です。
灰色は、是非を問われていないか、表明していない国々ということでしょうか。
今回の「拘束劇」は、30分から40分程度で終わったそうです。その際、防空システムを持つ同国が、米軍にほとんど反撃していません。
40人が死亡したとしていますが、それは、マドゥロ氏を護衛していたキューバから雇った傭兵だそうです。
これといった反撃がなかったことから、「事前に水面下で合意があったのではないか」との憶測が強く持たれています。
それを証明するように、この電撃作戦の翌日、デルシー・ロドリゲス副大統領(現在は暫定大統領)(1969~)が、米政府に協力する姿勢を表明しています。
理想的なことをいえば、昨年ノーベル平和賞に輝いたマチャド氏が大統領になるのが一番望ましいことです。しかし、それでうまくいくほど現実は甘くありません。
マチャド氏が国民から絶大に支持されているのは事実です。しかし、これまで、マドゥロ政権下で、悪い意味で厚遇されてきた軍が、素直にマチャド氏に従うとは思えません。
マチャド氏が権力を握れば、対抗勢力との間で、内戦に発展しかねません。
それを、副大統領だったロドリゲス氏が、冷静に見抜き、米政府への協力的態度を見せている、と見るべきです。

米国の中央情報局(CIA)も、そのあたりのことは百も承知です。当面はロドリゲス氏が同国のトップに座ることが現実的な選択だ、とトランプ氏に助言しているでしょう。
政治というのは、理想論だけでは先に進めません。理想的な状況を最終目標に置きつつ、それまでの間は、実現できることを形にするよりほかにないということです。
不正によって大統領の地位に収まっていたマドゥロ氏が、トランプ氏の決断によって、排除されました。米国で裁判を受けたのち、終身刑をいい渡される可能性が高いです。この手法を非難する声があることは知っています。
しかし、事態はすでに大きく動きました。
今後は、実現可能なことから始め、ベネズエラの国民が幸福を感じられる方向へ、変わっていってくれることを、遠く離れた日本から見守るだけです。
