前回の本コーナーでは、ドナルド・トランプ大統領(1946~)が、米国のホワイトハウスで、マスメディアが同時中継するなか、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領(1978~)と大激論したことを取り上げました。
この出来事を見た、米国のスタンフォード大学で国際政策を専門とするダニエル・スナイダー教授の見解を報じる次の記事がYahoo!ニュースにありました。
記者に、「トランプ・ゼレンスキー会談をどのように見たか?」と訊かれたスナイダー氏が次のように答えています。
トランプ氏はウクライナを放棄し、プーチン氏と取引する方法を模索しているが、彼ら(トランプ政府)はトランプ氏がすでにプーチン氏と計画したことを正当化するためにその衝突を挑発した。
要するに、あの衝突は偶発的なものではなく、トランプ氏がそれが起きるよう、ゼレンスキー氏を挑発することで起きたとの見立てです。
しかしこれは、スナイダー氏の穿った感想というよりほかありません。真相はすでに明らかになっています。
あの会談のちゃぶ台返しは、ゼレンスキー大統領の側が仕掛けたことでした。
ゼレンスキー氏がトランプ氏と会談する前、米民主党の重鎮や裏工作をする人物らと非公式に会い、ゼレンスキー氏は、トランプ氏の提案を撥ねつけるよう指示を受けていたのです。
ゼレンスキー氏へ悪だくみを授けた人間の後ろには、前国務長官のアントニー・ブリンケン氏(1962~)やウクライナ戦争を起こさせる下地を作ったマイダン革命の工作に動いたビクトリア・ヌーランド氏(1961~)、女ネオコン(新保守主義)のスーザン・ライス氏(1964~)など、この手の政治工作には必ず名前が上がるいつもの連中です。
指示を受けたゼレンスキー大統領は、トランプ大統領らと会談をしつつ、指示を受けたちゃぶ台返しのチャンスを窺っていたのでしょう。
彼はもとはコメディアンです。そのあたりの感覚は、コメディアンをすることで、身につけていただろうと思います。
騒動のあと、ゼレンスキー大統領が今度は、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)への加盟することを条件に身を引くというような発言をしています。
ウクライナやゼレンスキー大統領を擁護する人は冷静に物事を考えてください。もしもウクライナがNATOへ加盟したら、ウクライナ戦争がどのような性格に変わるかわかっていますか?
ウクライナがNATOの一員になったあと、ロシアがウクライナに軍事攻撃をしたら、NATOがウクライナを守る名目で、NATOに加盟する国がロシアへ直接攻撃することが許されます。
戦火が一挙に、NATO全土に広がってしまいます。こうなったら収集がつかなくなります。戦場がさらに広がれば、第3次世界大戦になりかねません。
トランプ大統領がゼレンスキー大統領と口論した中で、トランプ大統領の口から第3次世界大戦という表現が飛び出しました。それだけ、トランプ大統領がそれを懸念しているということです。
そして、そのきっかけになりかねない非常に危険なギャンブルをゼレンスキー大統領がしていると非難しています。
ゼレンスキー大統領はそれが起こることを懸念してはいません。それどころか、それを意図的に起きることさえ考えているかもしれません。
ゼレンスキー大統領に、トランプ大統領との会談でちゃぶ台返しするよう指示した人間も、第3次世界大戦へ発展することを望んでいるに違いありません。
ウクライナとゼレンスキー大統領を擁護している人も、第3次世界大戦にまで発展することは望んでいないでしょう。それが起きたら、日本だけ安泰いられる保証はありません。
今の日本は平和ボケするほど平和です。しかし、今の日常がたちまち失われ、自分や家族に戦争被害が及ぶようになる事態を想像してください。
そのような現実を望んでいるのですか?
ここは断固として、ウクライナにはロシアとの和平案を飲んでもらうよりほかありません。
そのために、トランプ大統領はゼレンスキー大統領に手を差し伸べようとしていたのです。
会談が物別れに終わったことで、事態は流動的になりました。そして、事を流動的にしたのが、ウクライナを誘導する民主党重鎮と政治工作を得意とする連中です。
あとになって、あのときにゼレンスキーがちゃぶ台返しさえしなかったら、というようなことにならないよう祈るしかありません。
