今朝、関東南部の当地では霧が発生しました。
私には、陽が昇る頃、自転車で自宅周辺を30分程度走る習慣があります。今朝は、霧の中を自転車で走りました。
自転車での散歩を終えて家に戻ったあと、GoogleのAI Geminiに素朴な質問をしました。訊いたのは、晴れて気温が上がった日の翌朝、気温が下がると霧が発生するのか、ということです。
Geminiは、次のような回答をしてくれました。
はい、その通りです。おっしゃる条件は、「放射霧(ほうしゃぎり)」と呼ばれる霧が発生する典型的なパターンです。
具体的には、以下のメカニズムで発生しやすくなります。
- 日中の条件: 晴れて気温が上がると、地面の水分が蒸発し、空気中の湿度が高まります。
- 夜間の条件: 晴れていると雲がないため、夜間に地面の熱が空へ逃げていく「放射冷却」が強く起こります。
- 明け方の条件: 地面付近の空気が急激に冷やされることで、空気が抱えきれなくなった水蒸気が細かい水滴(霧)に変わります。
これに加えて、「風が弱いこと」も重要な条件です。風が強すぎると空気が混ざって冷えにくくなるため、無風あるいは微風のときが最も発生しやすくなります。
この説明を聞いたあと、逆の条件で発生する霧があるのかを訊き、様々な理由で霧が発生することを知りました。
代表的な「逆のパターン」をいくつかご紹介します。
1. 暖かい空気が、冷たい地面や海に移動してくる場合(移流霧)
先ほどの放射霧は「地面が冷える」ことで発生しましたが、こちらは逆に「暖かい空気が、冷たい場所へやってくる」ことで発生します。これを「移流霧(いりゅうぎり)」と呼びます。
- 条件の違い: 晴れて冷え込む必要はなく、曇っていても、風があっても発生します。
- 例: 春先に、南からの暖かい空気が、まだ冷たい海や雪の残る地面の上を流れるときになどに発生します(北海道の海霧などが有名です)。
2. 雨が降っている場合(前線霧)
先ほどは「晴れていること」が条件でしたが、逆に「雨が降っているとき」に発生する霧もあります。これを「前線霧(ぜんせんぎり)」と呼びます。
- 条件の違い: 雨天時に発生します。
- 仕組み: 暖かい雨粒が冷たい空気中を落下するとき、雨粒から水分が蒸発して湿度が上がり、それが冷やされて霧になります。梅雨時などに多く見られます。
3. 冷たい空気が、暖かい水面に入り込む場合(蒸気霧)
これは「暖かい空気が冷やされる」のではなく、「冷たい空気が、暖かい水面から蒸気をもらう」パターンです。
- 条件の違い: 冬の寒い日にお風呂場や露天風呂から湯気が立つのと同じ原理です。
- 例: 冬の朝、冷え込んだ空気が暖かい川や湖の上を通り抜けるときに発生します(気嵐・けあらしとも呼ばれます)。
霧のことを考えていて、私の頭に浮かんだのは、岬にある灯台です。私は、濃霧の時は灯台が活躍するのではと考えて、それをGeminiに伝えたことで、私の考えが間違っていることに気づかされました。
実は、「濃霧の時ほど、灯台(の光)の役割は低下してしまう」というのが現実です。
非常に逆説的ですが、「一番必要とされる時に、一番役に立たなくなる」のが、かつての灯台の最大の弱点でした。
その理由と、技術の進歩による変化について解説します。
1. なぜ役割が低下するのか(光の限界)
霧は細かい水滴の集まりです。灯台の光は、この水滴にぶつかると乱反射(散乱)してしまい、遠くまで届かなくなります。 車のヘッドライトが霧の中で真っ白になって先が見えなくなるのと同じ現象です。
そのため、昔の船乗りにとって、濃霧の中で灯台の光を探すのは至難の業でした。
2. 「光」の代わりを務めた「音」(霧笛)
そこで、光が届かない濃霧の時に、灯台の役割を補うために活躍したのが「霧笛(むてき)」という「音」です。
- 役割: 濃霧の時だけ、ボーッ、ボーッという低い大きな音を鳴らし、「灯台はここにあるぞ」「陸地に近いぞ」と船に知らせていました。
- 昔: ですから、昔は「霧の時は、灯台の光ではなく、灯台の音(霧笛)の役割が増した」というのが正解です。
3. 現在の技術進歩(レーダーとGPS)
しかし、おっしゃる通り、現在は技術が大きく進歩しました。
- レーダー: 電波を使って、目に見えない障害物や陸地との距離を正確に測れます(霧の影響を受けにくい)。
- GPS: 自分の正確な位置がわかります。
この技術の普及により、「光」も「音」も、航海の主役ではなくなりました。 特に「音(霧笛)」は、レーダーがあれば不要であるとして、日本では2010年頃までにほぼ全ての灯台から廃止されてしまいました。
霧というと、気温が下がる地方で発生するイメージがあります。そこで、気温が高くなるアフリカ大陸や南米台陸で霧が発生するのかと訊くと、私には驚きの、次のような回答を得ました。
はい、アフリカや南米でも霧は発生します。むしろ、世界的に見ても「とてつもなく深い霧」が発生する場所として有名な地域が、両大陸に存在します。
「暑い地域なのに、なぜ霧が出るのか?」と思われるかもしれませんが、これには先ほどお話しした「海流」と「地形」が深く関係しています。
代表的な2つの例をご紹介します。
1. アフリカ大陸:ナミブ砂漠(ナミビア)
アフリカ南西部のナミブ砂漠は、「世界で最も霧深い砂漠」の一つと言われています。
- 場所: 海岸沿いに広がる砂漠です(別名「骸骨海岸・スケルトンコースト」)。
- 発生理由(移流霧):
- この沖合には、南極から流れてくる冷たい「ベンゲラ海流」があります。
- 一方で、陸地(砂漠)の上には猛烈に熱い空気があります。
- この「熱い空気」が「冷たい海」に触れることで、毎日ものすごい量の霧が発生します。
- 特徴: 雨はほとんど降りませんが、この霧が水分源となり、独自の進化を遂げた植物や昆虫(霧の水分を背中で集めて飲む「キリアツメ」という甲虫など)が生きています。
2. 南米大陸:アタカマ砂漠とマチュピチュ
南米にも、全く同じ理屈で霧が発生する場所と、山岳地帯の霧があります。
- アタカマ砂漠(チリ・ペルー):
- ここも世界一乾燥していると言われる砂漠ですが、沖合に冷たい「フンボルト海流」が流れているため、海沿いでは濃い霧が発生します。
- 現地ではこの霧を「カマンチャカ」と呼びます。雨が降らないため、住民はこの霧を網(フォグコレクター)で捕まえて、生活用水にしています。
- マチュピチュ(ペルー):
- アンデス山脈にある遺跡マチュピチュは、「天空の城」と呼ばれる通り、頻繁に雲や霧に包まれます。
- これは海流ではなく、湿った空気が山にぶつかって上昇し、冷やされてできる「滑昇霧(かっしょうぎり)」というタイプです。ジャングルの湿気が山を駆け上がって霧になるため、非常に幻想的な風景を作ります。

霧は見慣れた風景を幻想的な風景に変える力を持っています。その霧の力が、上で紹介された絶景な土地で発揮されたなら、どのような幻想性を生むでしょう。想像するだけで、その凄さがイメージできそうです。
霧の中を自転車で走ったあと、Geminiと霧について「対話」したことで、私には、驚くべきことを得ました。
Geminiと交わした「対話」を、NotebookLMにソースとして読み込ませ、動画を生成してもらいました。文章を読むのを面倒に感じる人は、動画をご覧ください。
本更新の中に出てきた、アフリカ・ナミブ砂漠と、アンデス山脈・マチュピチュの霧をイメージして、それぞれ、音楽生成AIのSunoで音楽を生成してもらいました。良かったら聴いてください。
