どんなものも、時が経つと劣化します。YouTube動画も例外ではありません。
本日の朝日新聞・社会面に次の見出しの記事があります。
日々、YouTubeにアクセすると、それに類する動画がお勧めとして表示されます。私はそれらを見つけるたび、「興味なし」を選択し、表示されないようにしています。
本更新を始める前にYouTubeを開くと、「【ブチ切れ】コバホーク怒り爆発!野田へ「お前、総理だったよな!」小林鷹之正論炸裂!」という動画がお勧めに上がりました。3日前に配信された動画で、再生回数が41万回です。
こんな動画を見て溜飲を下げるようなことをしているから、日本の政治状況が良くならないのです。
この種の動画があとを絶ちません。理由は、金儲けになるからです。
本日の朝日の記事に戻ります。
その記事では、上の動画に共通する動画を量産し、金儲けする男性を伝えています。
その人は、東京都下に妻や子供と暮らす39歳の男性です。元は政令指定都市の職員をしていたその人は、自由な時間と収入増を求め、6年前に退職し、その後、YouTubeで政治系「煽りYouTuber」で生計を立てているそうです。
昨年の参院選時、その系統のYouTube動画の再生数が伸びたものの、その後低迷したそうです。その次に目をつけたのが、高市政権です。
高市政権に寄り添うような内容や、マスメディアを馬鹿にするような動画を配信すると、視聴者の「食いつき」がよく、一貫してその方面の動画を量産したそうです。
彼自身は自民党は支持していない、と取材した記者に答えています。あくまでも、金儲けのために、アホな保守YouTube視聴者向けに、その手の動画を配信するそうです。
同じようなことを考える人は、世の中にごまんといます。だから、雨後の筍のように、この手の動画にYouTubeが埋め尽くされているのです。
その手の動画を見つけるたび、「チャンネルをおすすめに表示しない」を選択しますが、同様のチャンネルがあとからあとから出てくるため、イタチごっこの状態にならざるを得ません。
1月になり、YouTubeで動画を配信ることで収益化してきたチャンネルが、ある日突然、パートナープログラムから除外(収益仮定し)されたり、チャンネルのアカウント停止(チャンネル凍結)される例が続出しているという話があります。
そのあたりのことをGoogleのAI Geminiに訊き、そうしたチャンネルに共通することとして、次のようなことを教えてもらいました。
1. 「再利用されたコンテンツ」判定(最も多い収益化停止理由)
近年、収益化審査や停止理由として最も頻繁に見られるのがこれです。他人のコンテンツをただ転載したり、少し加工しただけの動画が対象になります。
- 付加価値の欠如: 他のSNS(TikTokやInstagram)の動画まとめ、テレビ番組の切り抜き、他人の動画の寄せ集めなど、「独自の解説や教育的な価値」が付加されていないもの。
- 機械的な音声・映像: AI合成音声(テキスト読み上げ)とフリー素材の映像だけで構成され、制作者の独自の視点や編集意図が感じられない量産型コンテンツ。
2. 「繰り返しの多いコンテンツ」
自動生成やテンプレートを多用し、視聴者にとって動画ごとの違いが判別しにくい場合です。
- 大量生産: 類似した構成、同じ背景映像、同じ読み上げソフトを使い、中身のテキストだけを変えて大量に投稿している場合。
- プログラムによる生成: 質の低いAI生成動画を無差別に大量アップロードしているとみなされるケース。
3. 著作権侵害の累積
これは収益化停止だけでなく、チャンネル凍結(3アウト制)に直結する重大な問題です。
- 無断使用: アニメ、映画、音楽、他人のYouTube動画などを許可なく使用すること。
- 異議申し立ての悪用: 正当な権利者からの申し立てに対し、虚偽の異議申し立てを行うと即座に停止されることがあります。
4. コミュニティガイドライン違反(一発凍結のリスクあり)
収益化云々の前に、YouTubeというプラットフォームから排除されるケースです。
- スパム・詐欺: 視聴者を外部の怪しいサイトへ誘導するリンク、動画内容と無関係なタグの大量埋め込み、相互登録の強要など。
- ヌード・性的コンテンツ: アダルトコンテンツはもちろん、際どい衣装や性的満足を意図したコンテンツ。
- 危険・ヘイト・ハラスメント: 特定の個人や集団への攻撃、危険行為の助長など。
5. 無効なトラフィック(アドセンスの停止)
動画の内容ではなく、広告の不正操作とみなされるケースです。
- 自己クリック: 自分の動画の広告を自分でクリックする。
- 視聴回数の購入: 業者を使って再生数や登録者数を不正に増やす行為。
こんな動画が溢れていたら、YouTubeの本来の持ち味はなくなってしまいます。
いわゆる「切り抜き動画」というのはダメですね。それを見るなら、切り抜かれる前の動画を見るべきです。「切り抜き動画」を作る人は、金儲けのためにそれをしているのでしょうから。
私は昔からYouTubeに自分のチャンネルを持ち、気が向いたときに動画をアップロードするようにしています。最近は、AIで生成した動画を中心にアップロードしています。
私の場合は、金儲けのために動画を作ったことはありません。もっとも、私が長年持つチャンネルは収益化のための条件を、そもそも満たしていません。
ともあれ、YouTubeを、金儲けの対象と考えていません。
その一方で、YouTubeを金儲けとしか考えない人が多数います。そのために、YouTubeを利用する人が、YouTubeにチャンネルを持つ人の大半だといましょう。
だとしても、自分では何も思い入れがないのに、食いつきの良さそうな動画を連発し、それを喜んで見る人がいるというのは、健全な姿ではないと思います。
それが政治絡みであれば、一般大衆への悪い影響となり、為政者は為政者で、それを逆手にとって、目立つようなパフォーマンスをわざとすることもするでしょう。
国を良くしようと本気で考えることをせず、受け狙いのことばかりしていたら、国の政治が良くなるわけがありません。そんな国の行く末は心配になるばかりです。
テレビ番組が時と共に劣化し、テレビ番組のワイドショーは、人々の耳目を引くことを、馬鹿馬鹿しいほど大げさに伝えるようになりました。同じ劣化が、YouTubeで起きている現象です。
動画を動画として楽しむことをYouTubeに求めることは、もはや無理なことでしょうか。
