クリスティの生き様と作品

昨日の朝日新聞「天声人語」は、ある女性推理作家について書いています。アガサ・クリスティです。

クリスティが世界的な推理作家として評価されることになった『アクロイド殺し』が1926年に刊行され、今年がちょうど百年目にあたるからでしょうか。

私もそれなりにクリスティの作品は読んでいるつもりですが、全部を読むのはなかなか大変といえましょう。

先ほどまで、GoogleのAI Geminiとクリスティや彼女の作品について、「対話」をしました。

彼女は30歳の時に作家デビューしています。生涯に書いた作品数はどのくらいだと思いますか。Geminiが次のようにまとめてくれましたので、共有します。

ジャンル作品数(目安)備考
推理長編66作ポアロ、マープルなど
恋愛長編6作別名義(M.ウェストマコット)
短編150作以上短編集として約14〜15冊に集約
戯曲約15作『ねずみとり』『検察側の証人』など

朝日の天声人語は、『アクロイド殺し』を書いた頃のクリスティについて書いています。彼女6作目の長編小説にして、世界的に有名な推理作家とさせた作品を描いていた頃の彼女は、ある意味では「人生のどん底」にあったといえましょう。

当時のことを、Geminiが次のようにまとめてくれました。

1. 当時の評価:絶賛と「アンフェア」の嵐

『アクロイド殺し』は発売直後から爆発的に売れ、クリスティの名を一躍トップ作家へと押し上げました。しかし、その革新的なトリックをめぐって、評価は真っ二つに分かれました。

  • 絶賛派: 「これまでにない驚愕の結末」「天才的なプロット」と称える読者や批評家が続出しました。
  • 批判派: ミステリー界の権威であったウィラード・ハンティントン・ライト(ヴァン・ダイン)らは、**「これは読者に対するルール違反(アンフェア)だ」**と激しく非難しました。
    • 当時、ミステリーには「読者にすべての手がかりを提示し、フェアに戦うべきだ」という暗黙のルール(ノックスの十戒など)が形成されつつあり、本作はその限界に挑戦するものだったからです。

2. 失踪事件との意外な関係

失踪事件が起きた際、世間では**「新作『アクロイド殺し』の売名を狙った自作自演ではないか?」**という疑いの目が向けられました。

  • 販促説の浮上: 『アクロイド殺し』で「人をあざむく巧妙な仕掛け」を描いたばかりだったため、「この作家なら現実でも世間を騙すようなトリックを仕掛けるかもしれない」と邪推されたのです。
  • バッシングの激化: 失踪中の彼女を捜索するために多額の公金が投じられたこともあり、発見後、真相を語らない彼女に対して「宣伝のために国中を振り回した」という厳しい批判が浴びせられました。

3. クリスティの精神状態

しかし、現在の研究では、この時期の彼女は『アクロイド殺し』の成功によるプレッシャーや、最愛の母の死、夫の不倫などが重なり、精神的に極限状態にあったと考えられています。

皮肉なことに、作家として「完璧な騙しのテクニック」を世に問うた直後に、彼女自身が「誰にも行き先を告げない」という、現実世界のミステリーの主人公になってしまったのです。

女王アガサ、人生最大の謎(Geminiが生成した画像)

「天声人語」には、『アクロイド殺し』を書き上げた彼女の気持ちを次のように紹介しています。

アマチュアからプロへ転じた。

意味するところは、アマチュアであれば、気分がいいときに、書きたいことだけを書いていられる。プロの作家である以上、そういうわけにはいかないということです。

幾重にも重なる圧力の中に彼女はいました。それでも書き切り、良くないとされるような作品でも書いたことによって、彼女は、自分で自分を、プロの作家としてやっていけると考えさせたのだと思います。

私は、クリスティがあまりにも有能な作家になってしまったことが、夫の離反につながった可能性を訊きました。

これについて、Geminiは次のようなことを書きました。

「有能すぎる妻」への引け目?

「妻が有能すぎたから」という点については、直接的な証拠はありませんが、当時の夫婦のパワーバランスの変化が影響した可能性は指摘されています。

  • 経済的・社会的な成功: 1926年は『アクロイド殺し』が大きな話題となり、彼女が「ただの主婦の副業」を越えて、世界的な人気作家へと駆け上がった時期です。
  • 家計の主導権: クリスティは自身の稼ぎをしっかり管理しており、それが家庭内での緊張を生んでいたという説もあります。軍人・ビジネスマンであったアーチーにとって、妻の急速な成功と自立が、居心地の悪さにつながったのかもしれません。

ふたりは、クリスティの失踪事件があった2年後に離婚しています。

夫は、年の離れた愛人と再婚し、亡くなるまでの30年ほどを共に過ごしたそうです。

クリスティの失踪事件の真相を彼女が自分の口で語ることはありませんでした。失踪中、クリスティはホテルに宿泊するときに、「テレサ・ニール」という偽名を使っています。夫の愛人の名が「ニール」でした。

今回も、本更新で取り上げていることを、NotebookLMで動画に生成してもらっています。文章を読むのを面倒に感じる人は、動画で内容を確認してください。

アガサ・クリスティ最大のミステリー